ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

シラスのペペロンチーニ

2009年04月30日 | パスタの話

Photo クアトロの父が子供の頃、スーパーマーケットなど無かった頃、商店街には必ず乾物屋があった。その乾物屋の一角には味噌や鰹節が山盛りにして売られていた。さらに、シラス干しも山にして売っていた。全て計り売りだ。そのシラス干しを白いご飯に乗せしょう油をたらして食べる。少ないおかずでご飯を食べるにはもってこいのおかずだった。子供心に、シラスは庶民の食べ物だと認識していた。
ゴルデンウィークになると登場するクアトロのおすすめは、「シラスのペペロンチーニ¥1000」である。釜揚げのシラスをニンニクと唐辛子でシンプルに仕上げたものだ。昔のシラス乗せご飯のようなものである。
世の中は変わった。このシラスがたいへんなご馳走の時代になったようだ。
シラスの名産地駿河湾のシラス漁が解禁になった。陸揚げされたシラスはすぐに釜揚げにされる。シラスの洗浄と釜揚げには海洋深層水が使われる。釜揚げされたシラスは冷凍せずに、すぐに運ばれて市場を通ってクアトロにやってきた。もちろん、日持ちのしない商品である。
その味わいは、クアトロの父が子供の頃に食べたものとはかなり違う。もちろん干してあるかどうかの違いもあるが、あまりにも上品な味わいである。
旬のものを鮮度を保って食べられる。これはこれでたいへんに幸せなことだと思う中高年のクアトロの父である。

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フェーズ4のパン屋

2009年04月29日 | 食べ歩きの話

Photo 今日は祝日だがクアトロは水曜定休ということでお休みをいただいた。クアトロ夫婦は守谷にあるベーカーズ・レストランを予約して出かけた。
昔は柏の片隅で小さなパン屋さんをやっていたのだが、二代目の若いご夫婦が守谷の自然の中に店を移したのが、今日伺ったお店である。
ショップカードにある店主の挨拶を転記してみる。
『当店は、大人の方が非日常的な空間で、心地よい時間を過ごしていただけるような店づくりをめざし、オーナー自ら、建築、設計に携わり、2000年12月にオープンさせたお店です。様々な意味で小粋なスパイスを少々効かせた温かみのあるお店を心がけております。緑に囲まれて、自家製の焼きたてパンと共に、南仏料理をベースとした素材、鮮度にこだわったお食事をお楽しみください』
この挨拶文通りのお店である。
しかしとても解りづらい場所にお店がある。
利根川沿いの田園地帯を取り囲む山林の中、平将門の血縁が今だひっそりと住んでいそうな所に店がある。幹線道路からお店までの案内看板もまったく無い。
一度このお店に足を運び、よっぽど気に入ったら次はお友達を誘導して連れてこないとこの場所は伝わらないだろう。
現在は予約のみで営業をしている。そうしないと、遠くまで来て満席だと申し訳ないからだという。それほどに繁盛しているのだ。
開店時間より早めに到着したクアトロ夫婦。開店時間が近づくとぞくぞくとお客様の車がやってくる。予約なしで来て返されるお客様もちらほら。
クアトロ夫婦は庭の席を取らせて貰い、日だまりの中で食事を楽しんだ。南フランスにやって来た気分である。
お料理はどれも満足のいくものだが、特に数種類出される焼きたてのパンの美味しさは感動的である。
本当に美味しいお店は人から人へと確実に伝播するものだと納得するのだった。

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続マゴチのつぶやき

2009年04月28日 | 魚の話

Photo 昨日の話につづく
「わたしたちマゴチはね、35センチくらいのときは男なのよ、それより大きくなるとみんな女に変身しちゃうのよ、すごいでしょ」
「でもね、もっとすごいのが牡蠣の奴よ」
「名前にわざわざ牡って書いてあるのに、男になったり女になったりしてるのよ、ビックリよ」
「女になって放卵している頃は、味が落ちて毒を出すのよ、だから夏場はカキを食べるなっていうのよね」
「でもね、千葉県はやっぱり凄いのよ」
「銚子の名物、磯ガキは夏でも美味しいのよ、て云うか夏の方が美味しいのよ」
「太平洋の荒波が、カキの毒なんて洗い流しちゃうから、よく太った夏の磯ガキが美味しいのよ、それで夏ガキと云うんだけどね」
「7、8年も経った年増の磯ガキが特に人気らしいわ、すごいわよね」
「俺は男だと叫んでみたり、完全無所属さといったり、岩場で居座ったり、さらば波だと言おうと毒を洗ったり、銚子の磯ガキは凄いのよ」

※クアトロに年増の銚子産磯ガキ入荷しました。
 千葉県の味わいです。
 白ワインと一緒にどうぞ。

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マゴチのつぶやき

2009年04月27日 | 魚の話

Photo 「あたし、マゴチと云います」
「海の底で静かに暮らしていたのにね、こんな変な店に連れてこられてとっても迷惑してるの」
「あたしのこと、見てくれの悪い奴だなとか、頭でっかいとか云い人もいるけどねほっといてよという感じ」
「でもね、今頃の季節はあたし美味しいのよ、春が旬なのよ」
「それからね知ってると思うけど、あたしこないだまでは男だったのよ」
「でもね、今は女なのよ」
「ええ、きもいって」
「いいわよ別に食べてくれなくても」
「わたしのこと好きな人は好きなんだから」
「でもね、このお店変わってるわよね、イタリアンなのにお刺身と一緒に日本酒仕込みの梅酒を勧めてたわ」
「利根川をずーっと遡っていくと川場村に着くんだって、その村で採れる梅をね、その村で作っている日本酒に漬けて作ったのが美味しいって云うのよ」
「あたしの魅力に便乗して売るつもりなのね」
「でも変よね、このお店ってイタリアンじゃないのかしら」
「どうも都合の良い時だけ完全無所属ですとか云っているみたいよ」
「千葉県らしいわよね」

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甘夏のマーマレード

2009年04月26日 | デザートの話

Photo 季節は巡り、樹木に新芽がほころび、やがて花を咲かせ、実を付ける。自然の営みを凝縮させた果実でマーマレードを作りガラスのビンに詰める。出来上がったそのマーマレードのビンを眺めていると、それをもたらした者はきっと魔女なのだろうと思える。
「西の魔女が死んだ」クアトロの父は映画はまだ見ていないが、原作は読んだ。
主人公の少女まいは、魔女と呼んでいるおばあちゃんと自然に接しながら暮らし、生きるということの意味、死ぬということの意味を学んでいくという物語だ。
まいは、おばあちゃんに命じられてワイルドストロベリーのジャムを作る手伝いをする。せっせと小さな果実を集め、ジャムを作り、丁寧に煮沸殺菌したガラスのビンに出来上がったジャムを詰める。いつしか、その作業の中に魔女の修行を見いだすまいだった。まいは誇らしげに出来上がったジャムをママにプレゼントする。
クアトロにも、クアトロのママの友人が作った魔法の甘夏のマーマレードが届いた。そのマーマレードをクアトロのママはパンナコッタに添えた。クアトロの父は、甘夏のチーズケーキを作ってみた。それぞれぜひご賞味あれ。

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