ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

ノヴェッロ・ジュレッペ2006

2006年10月31日 | ワインの話

Photo_106 来月10日過ぎには、イタリアの新酒=ノヴェッロがクアトロに入荷する。昔のノヴェッロは出来が悪く、ただボージョレ・ヌーヴォーより早く出荷できることだけが取り柄のようなところがあった。そんな常識を覆したのがバッディア・ディ・モローナ社の「ノヴェッロ・ジュレッペ」。果実味が実にしっかりしていて、濃厚さがあります。新しいうちだけでなく、年を越しても充分堪能できます。
このモローナ社の「キアンティ・イ・ソディ・デル・パレタイオ」はクアトロ不動の定番メニューですが、お客様の評判もとても良いようです。モローナ社はトスカーナのピサ地区にあり、ボルゲリと並んで注目の地区と云えます。そして何よりそのワイン造りの信念が素晴らしい。良いワインは良いブドウから、良いブドウは良い土作りからという考え方だ。そのブドウの旨みを大事にするために「ノン・フィルター」という作り方にもこだわっている。必然、ワインに澱は多く残るが、クアトロでは予めこの点をお客様に説明させていただく。この澱も美味しさの一部なのです。
また、イタリアの新酒はフランスのように法律にあまり縛られません。その点は利点にもなります。自由な発想で美味しい新酒を造れる訳です。「ノヴェッロ・ジュレッペ」は、メルロー種とチリエジオーロ種とで造られます。ボージョレのガメイ種とは違った美味しさで勝負できます。15日深夜からの「ボージョレ・ヌーヴォー・カウントダウン」の前座も務めますが、ボージョレと違う良さをきっと味わっていただけると思います。

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レ・マッキオーレ/ボルゲリ・ロッソ2004

2006年10月30日 | ワインの話

Photo_105 今年飲んだワインで特に印象に残ったのが、クアトロ開店後すぐの4月に入荷したレ・マッキオーレ/ボルゲリ・ロッソ2004だ。メルロー40%、カベルネフラン30%、サンジョヴェーゼ30%、8ヶ月のバリック熟成というワイン。この素晴らしさは飲んで頂けば解るのだが、味わいの複雑さとエレガントな個性が良い。クアトロの父はメルロー好きだが、メルローの個性というよりも、これぞボルゲリのワインだという個性。ボルゲリは今イタリアで一番注目されている地域。サシカイヤ、オルネライアに始まってスーパートスカーナのメッカになった。その2本にこのマッキオーレが作るパレオというワインを加えてボルゲリの三大ワインという。このボルゲリ三大ワインを同じビンテージで飲み比べをしたことがあるが、その時はパレオが一番評判が良かった。そのマッキオーレのワインはどれも素晴らしいが、このボルゲリ・ロッソは今年一番のお気に入りだ。4月に少し売って、残り数本はストックしている。来年あたりの方がまだ美味しくなる気がする。先日、このワインが飲みたいというお客様のお申し出があり、半年ぶりに一本開けてみた。予想通り味わいは増している。4月頃の酸味が消え味わいに丸みが出てきた。少しまだ渋みが堅い気もする。やはり残りは来年開けようと思う。もう半年、寝かせてあげようと思います。

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ブルネロ・ディ・モンタルチーノ1988

2006年10月29日 | ワインの話

Photo_104 藤岡琢也さんのご冥福をお祈りしたいと思います。とても良い役者さんで、お歳を召してから味の出る役者さんも少なく、その中のお一人だと思います。少し前にDVDで「死に花」を観た。藤岡さん演じる老人の死から話は発展する。その葬式シーンも映画の中の重要なポイントだった。ご本人もこの映画の中のようなお葬式を望んでいたのではと思ってしまう。失礼だが、藤岡さんが楽しそうに演じていた葬式シーンだった。
話は変わって、お歳を召して味の出るものに高級赤ワインがある。先日、白ワインを大事にとっておいて失敗されたお客様は、ブルネロ・ディ・モンタルチーノ1988も大事に保管されていた。同じ失敗をしないよう、クアトロにお持ち込みになるよう促した。結果、クアトロの父の危惧は大はずれ、何とも素晴らしい味わいでした。古酒の風格を持ったややオレンジ色のかかった色合いも素晴らしい。香りは注いだ瞬間から立ち上り、味わいはまだまだ力強かった。「丁度飲み頃だったと思いますよ」と、申し上げながらも、脅かして申し訳なかった気がしました。作り手は、ブルネロの本家ビオンディ・サンティなのだから心配いらなかったのかも知れない。特に88は当たり年だ。このワインは、こちらのお客様と一緒にイタリアへ10年ほど前に旅行したとき、帰りにミラノの空港の免税店で買った。僕が始めにみつけ「ティニャネロ」とともに購入した。残り7~8本あったワインは、同じツアーの方々への僕の報告で、あっという間に売り切れた。僕は帰ってすぐに飲んでしまったが、その時はさほどの感動はなかった。高級ワインはやはり歳をとってから味わいが出るものだと再認識した。そう、藤岡琢也さんのように。

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ボージョレ・ヌーヴォー・カウントダウン

2006年10月28日 | クアトロ・スタジオーネの話

Photo_103 来る11月第三木曜は、ボージョレ・ヌーヴォー解禁の日。一年の豊作と健康を祝ってのお祭りです。毎年、素晴らしい出来映えという美辞麗句に飾られるワインだが、味わうよりお祭りとして楽しむワインかもしれない。
お祭り好きのクアトロは、その前日15日の水曜日午後11時より、ボージョレ・ヌーヴォー・カウントダウンのイベントを開催します。参加費5,000円定員14名になりま す。すでに先行予約を承っており、残り5席になってしまいましたが、このブログをご覧になった方ぜひお早めにお申し込みください。お電話(04-7142-7444)での受付となります。
12時までは、イタリアの新酒・ノベッロでお楽しみいただき、カウントダウン後のボージョレ・ヌーヴォーは、クアトロ厳選のものとなります。ボージョレでも、イタリアでも、いかに量を作れるかの時代から品質を求められる時代となり、いかに良いブドウを造るかという原点に戻っていると云えそうです。そんな新酒の果実味を楽しんで、合わせる肴もシェフが色々工夫しております。
問題は、解散が深夜となります。自力で安全にご帰宅いただける方の参加お待ちしております。

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泳ぐコラーゲン

2006年10月27日 | クアトロ・スタジオーネの話

Photo_101 市場に並ぶ店舗。半分はシャッターが降りている。ひとつのシャッターの前に足を止めた。そうだ、昔はここに乾物店の倉庫があった。高校生の時、この市場で使い走りのアルバイトをしていた記憶が蘇った。この倉庫で、品物を探しているとズボンのチャックが壊れているのに気が付き、一生懸命直していると、何をやって居るんだと店の人が探しにきたっけ。まだ多感な時だったのだ。当時は、この市場も賑わっていた。あの活気はどこへいったのだろう。映画なら、こんな場面からストーリーに入っていくのだろうか。
いやいや、昔を懐かしんでばかりいられません。今日は、なんとクアトロ家族総出で買い出しに来ました。来月の看板メニュー「カキの味噌クリーム」の味噌を見立てなくてはいけません。しかし、市場とはいえ、品揃えは薄い。さほどの収穫はなかった。
魚の方も、海が荒れていてあまり品物は豊富ではなかった。そんな中、今日はアンコウを仕入れた。市場では、アンコウは裏返しで並べてある。目が合うと哀れにになるからかもしれない。コラーゲンとビタミンAたっぷりのアンコウは美容に良いとか。さてシェフはクアトロでどういうメニューにするのか、楽しみです。
チョウチンアンコウの行列よろしく、クアトロの家族もぞろぞろと市場の中を泳ぐようにして帰りました。

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