ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

豊四季番外地

2008年05月31日 | 魚の話

S 春に春に追われし花も散る
酒ひけ酒ひけ酒暮れて
どうせ俺らの行く先は
その名も豊四季番外地

魚市場で朝締めされた石カレイは、春だと云うのに肌寒い、豊四季の原野を、車に揺られクアトロへと移送されるのだった。
「おめえ、なにをやらかしたんだい」
クアトロの牢名主天然ヒラメは問いかける。
「てめえ、無口で気味悪い奴だな」
ヒラメは自分に似た野郎だとは思うが目つきが違う石カレイが気にくわない。
「不器用ですから」石カレイはめったに口を開かないのだ。
石カレイの活き締めは絶品である。クアトロにはそれぞれ名うての魚ばかりが集まっているが、その魚たちにも一目を置かれる石カレイであった。
今晩の予約で、クアトロの魚達は、大暴れするらしい。石カレイもその騒動に巻き込まれる運命であった。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

緋牡丹ブリッロ

2008年05月30日 | チーズの話

Photo ご当家の親分さん、そしてご一統さん、さっそくおひかえくださってありがとうござんす。
わたくし生国は、欧州、イタリア・トスカーナ、
姓はペコリーノ、名はヴィーノ、人呼んで・・・緋牡丹のブリッロとはっします。
よろしゅう、おたの申し上げます。

♪娘盛りを渡世にかけて、張った体に緋牡丹燃える♪

欧州はイタリア・トスカーナからはるばるとやってきた緋牡丹のブリッロ。ブリッロはペコリーノ一家の娘である。ペコリーノ一家といえば羊乳のチーズじゃ天下に知られた逸品である。その娘が、トスカーナの名酒キャンティに身を染めること一ヶ月、見事な緋牡丹を背中にしょって、クアトロにやってきた。
そこには、何やら訳がありそうでござんす。
「さあ、はったはった、緋牡丹のブリッロさんが、今宵は賽を振りやすぜ」

※新着チーズ、ペコリーノ・ディ・ヴィーノ“ブリッロ”
ブリッロとはほろ酔いのことで、ペコリーノ(羊乳チーズ)をキャンティ・ワインに一ヶ月ほど漬け込んだもの。独特の深い味わいは、それは見事でござんす。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

傷だらけの魚生

2008年05月29日 | 魚の話

Photo 古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ新しいものを欲しがるもんでございます。どこに新しいものがございましょう。生まれた土地は荒れ放題、今の世の中、右も左も真暗闇じゃござんせんか。
「ブリの旦那、ここはあっしに任せてくんなせえ」
「香川の平政は男でござんす」
平政は、鰤と一緒に回遊していた。鰤には一宿一飯の義理があるというものだ。クアトロへの出入りに平政は鰤に代わって暴れてやろうと決心するのだった。
「平政よ、相手は手強いぜ」
「青森の天然鮃に、静岡の飛び魚、長崎の伊佐木と数えたらキリがないぜ」
「鰤の旦那、伊達に買ってでた喧嘩じゃござんせんぜ」
「クアトロの出入りはあっしに任せてもらいましょう」
「平政といやあ、そんじょそこらの魚には負けませんぜ」
「おお、良く云った、平政任せたぜ」
なんだかんだとお説教じみたことを申して参りましたがそういう私も日陰育ちのひねくれ者、お天道様に背中を向けて泳ぐ・・・馬鹿な魚でございます。
※香川産平政のカルパッチョ(¥1400)はおすすめでござんす。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クアトロウ、暗号を解く。

2008年05月28日 | ワインの話

Photo クアトロウはソムリエが使う暗号の解読に着手している。そして、いくつかは、解けた謎がある。
1.「親しみやすいワインですよ」=安いワインだが、料理には合わせやすいでしょうという意味だ。
2.「アロマに優れたワインですよ」=若いワインのことを云うようだ。熟成したものはブーケが優れたワインと云う。
3.「深みのあるワインですよ」「凝縮感のあるワインですよ」=ライトボディ・ミディアムボディ・フルボディに関わらず高級感のある良いワインの時に使うようだ。
4.「土のような香りを持つワインですよ」=新鮮さと強烈な香りを持つワインのことのようだ。
5.「ふくよかなワインですよ」=ブドウにとって天候の良い年のものは、糖度が上がり酸が控えめになるため褒め言葉としてこの表現を使う。しかし、過ぎたるものはたるんだと云うべきだが、ソムリエさんはたるんだとは中々云わない。
6.「花のような香りのワインですよ」=白ワインで、リースリングやミュスカの時に使うようだが、それ以外のブドウでこの表現にかなうようだったら良いワインかもしれない。
7.「荒々しいワインですよ」=ワインの香りや味わいが開かないもののようだ。褒め言葉ではないと心得るべきである。
8.「草っぽいワインですよ」=ハーブのような香りを持ったワインのことだから、料理にも合わせやすいし選んでよいワインのようだ。
まだ、まだ解かなくてはならない暗号があるようだ。せめて、褒め言葉か否かはチェックしておきたいと考えるクアトロウだ。
「このワインは荒々しくて親しみやすい、草っぽいアロマとブーケを持ったふくよかな土の香りのワインですよ」と云うようなワインは、決して飲んではいけない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

極上裏メニュー

2008年05月27日 | パスタの話

Photo このところウニのクリームソースを注文するお客様が多い。このパスタは通年クアトロの人気メニューだが、今頃から7月ぐらいまでは特にウニが美味しい季節なのだから、お客様も心得たものである。クアトロのウニは寿司ネタのウニを贅沢に使っているから、自信を持ってお奨めできる。
ウニは臭くて好きではないと云う人も多い。美味しいウニに出会っていないだけなのだ。ウニ料理だけは、ウニの鮮度が大事で、その点クアトロは信頼して良いと思う。
さて、これから気温が上がってくると冷たいパスタも食べたくなるものだ。そこで、これからが旬のウニを冷たいスパゲッティにしてみよう。先日、試作をしたが、これは実に旨い。しかし、ウニを大量に使わないと美味しくならない。
極上のウニに余裕がある時だけのお楽しみ裏メニューである。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする