高ホモシスチン血症に伴う脳梗塞のリスクについては,以前よりnon-prospective cohort studyの結果,指摘されてきたが,十分なエビデンスには乏しい状態であった.
今回,血漿中のホモシスチン値の上昇が,白人及びヒスパニックにおいて脳梗塞のリスクを有意に増加させることがprospective study(Northern Manhattan Study)の結果,明らかになった.方法はpopulation-based cohort studyで,2939人に対し,総ホモシスチン値を測定.基礎値は黒人が白人・ヒスパニックと比べ高く,男性が女性より高い傾向を示した.また65歳以上で高値の傾向を示した.追跡調査では,5年間の経過観察において103の脳梗塞が生じ,血漿ホモシスチン値が15nol/L以上の群では,10未満の群と比較し,血管障害に伴う死亡(脳梗塞+心筋梗塞)に関するハザード比は6.04(95%信頼区間3.44-10.60)であった.脳梗塞の発生に関してはハザード比は2.01(95%信頼区間1.00-4.05)であった.総ホモシスチン値と脳梗塞に関しては,白人,ヒスパニックでは有意な相関を認めたが,黒人では有意差を認めなかった.この相関は年齢・性別にも関係はなかった.
いつものことながら日本人におけるデータはない訳で,このような論文を読んでおきながらデータを使用できないのは何とももどかしい.
Stroke 35;2263-2269, 2004
今回,血漿中のホモシスチン値の上昇が,白人及びヒスパニックにおいて脳梗塞のリスクを有意に増加させることがprospective study(Northern Manhattan Study)の結果,明らかになった.方法はpopulation-based cohort studyで,2939人に対し,総ホモシスチン値を測定.基礎値は黒人が白人・ヒスパニックと比べ高く,男性が女性より高い傾向を示した.また65歳以上で高値の傾向を示した.追跡調査では,5年間の経過観察において103の脳梗塞が生じ,血漿ホモシスチン値が15nol/L以上の群では,10未満の群と比較し,血管障害に伴う死亡(脳梗塞+心筋梗塞)に関するハザード比は6.04(95%信頼区間3.44-10.60)であった.脳梗塞の発生に関してはハザード比は2.01(95%信頼区間1.00-4.05)であった.総ホモシスチン値と脳梗塞に関しては,白人,ヒスパニックでは有意な相関を認めたが,黒人では有意差を認めなかった.この相関は年齢・性別にも関係はなかった.
いつものことながら日本人におけるデータはない訳で,このような論文を読んでおきながらデータを使用できないのは何とももどかしい.
Stroke 35;2263-2269, 2004