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Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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米国神経学会年次総会(AAN2025)参加報告会

2025年04月20日 | 医学と医療
当科では,入局1年目の目標として,症例報告の経験を積むことと,米国神経学会(AAN)での発表に挑戦することを掲げています.AANでの発表はハードルが高いものの,私自身が入局1年目に初めて海外学会に参加し,大きな感動と刺激を受けた経験があるため,その機会を若手にも提供したいと考え,航空券代をサポートしています.

今年は,司馬康先生と安藤知秀先生が入局1年目に経験した症例を基に文献レビューを行い,それぞれポスター演題として採択されました.また,大学院生の大野陽哉先生はご自身の臨床研究をもとにポスター発表を行いました.



学会参加報告会を開催しましたが,三者三様の視点からの発表は非常に楽しく,内容も充実していました.「臨床レベルは日本も決して負けていない」「英語の壁の高さを実感した」「日本の学会とは異なりリラックスできる工夫が随所にあった(ハンモックがあった!)」「神経生理や神経眼科のハンズオンに挑戦した」「バーンアウトやリーダーシップに関する講義にも参加した」「学会における政治的活動の重要性を学んだ」などなど,多くの気づきと学びがあったようです.
今年の入局1年目の4人も,ぜひこの挑戦に向けて頑張ってください.以下,今回の演題を簡単にご紹介いたします.

Clinical Presentation and Pathological Findings of Cerebral Amyloid Angiopathy-Related Inflammation Caused by COVID-19 Infection: A Case Report and Literature Review
COVID-19感染後にパーキンソニズムを伴うCAA-riを発症した症例を報告し,免疫療法により改善を認めた.本症は典型的CAA-riと類似した病理像を呈し,COVID-19による神経炎症が誘因となる可能性が示唆された.(司馬康先生)



Autoimmune Cerebellar Ataxia Associated with TNF-Alpha Blocking Therapy in a Patient with Rheumatoid Arthritis: A Case Report and Literature Review
TNF-α阻害薬ゴリムマブ投与後に発症した関節リウマチ患者の自己免疫性小脳失調症例を経験し,ステロイド治療により改善を認めた.TNF-α阻害薬は運動失調を誘発しうるため,慎重な経過観察が必要である.(安藤知秀先生)



Anti-Central Nervous System Autoantibodies in the Cerebrospinal Fluid of Patients with Atypical Parkinsonism
非定型パーキンソニズム患者の約5〜10%で中枢神経標的の自己抗体が検出され,神経細胞,アストロサイト,ミエリンに反応していた.抗体の病理的意義は不明であり,今後の検討が必要である.(大野陽哉先生)






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