ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ベルガマスク組曲

2012年09月08日 | クラシック豆知識
今年はドビュッシー生誕150周年のドビュッシーイヤー。私はドビュッシーが大好きです。最近は、ベルガマスク組曲に取り組んでいます。

この曲は1890年から1894年の間に書かれたものですが、何度も手を加えられ、出版は1905年になっているようです。題名の「ベルガマスク」というのは、ドビュッシーがイタリア留学中に訪れたベルガモの町に由来しているといわれています。ベルガモの町伝統の仮面をつけた踊り手たちが登場する舞曲からインスピレーションを得たともいわれています。この組曲のもつ魅力的な雰囲気、静けさなどから、この町がどんなに美しい町だったかが想像できます。


イタリアの北部、スイスと国境を接するロンバルディア州に位置する現在のベルガモの街並み。州都ミランからは北東へ40キロのところ。町の北側からはアルプスの山すそが始まる。wikipedia

この組曲は、「プレリュード」「メヌエット」「月の光」「パスピエ」の4つの小曲からなります。中でも「月の光」は有名でこの曲は単独でもよく演奏されます。

ベルガマスク組曲は、和声的な色彩が豊かで7の和音が多く使われ、全音階的旋法などの作風は、不思議の世界、あるいは夢の世界へ誘われているような感じがします。美しい旋律と色彩豊かな和音、それに面白いリズムの変化などを用いて、とても美しい世界をつくっていて、いわゆるドビュッシーの世界というものがこの4曲それぞれに繰り広げられています。

ドビュッシーをずっと弾いていると、彼がどれだけピアノのことを理解していたかが分かるような気がします。ピアノの性能をうまく活かした曲作りをしているなあと実感します。しかも魅力的なフレーズも弾きにくくないようにしながら効果を出すという、弾き手のことをよく理解した作曲のテクニックが随所にみられます。私のように手が小さい弾き手にはとても有難い作曲家といえます。もしかすると、ドビュッシーも手が小さかったのかしらと思わせるような作曲技法です。うまく右手と左手を組み合わせて、豊かな音づくりを可能にしています。

9月は、月が美しい頃。これにちなんで、今月はベルガマスク組曲をプログラムの中に取り入れています。


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