ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

変身する子供たち

2012年12月23日 | レッスンメモ
生徒のレッスンをしていて、つくづく思うのは可能性を信じる事の大切さです。

子供にはタイプがあって、ある程度タイプ別に分けることができるんですが、それぞれのタイプに応じて、ある段階で様変わりする時があります。最近、たて続けに様変わりしてくれた生徒が何人かいます。

Aさんはいつも真面目にきちんと練習してきてくれる生徒。なのに、なんとなく仕上がりが締まらない。気持ちがどうしても指からキーに伝わらない。音に伸びがなくて、音楽がどこにいっているのか分からないような弾き方になりがちでした。

この生徒にはずっとタッチのこと音質のこと、よく聴くことなどをしつこく指導し続けました。もう小学生になってだんだん大きくなってきたので、もっと踏み込んだ表現でそのことを言い続けて要求しました。そうしていたら、この1週間で、急に「あ!変わった!」と思えるようになりました。この調子で音の伸びを感じながら、その時どんな風に指や手首や腕を使っていたかを自分なりに、頭と身体で理解してくれたらもう大丈夫。明るい光が見えた瞬間です。レッスンをやっていると、こんなことがあるから嬉しいです。

一方、Bさんは、自分の好きな曲だと俄然張り切るけれど、気がのらないとなかなか練習してこないタイプの子。ムラがあるなと感じたので、出来るだけ好きそうな曲をこちらから提供して、その曲の中から色んなアプローチをする作戦に出ました。もちろん、与える曲はこちら側が、あの要素が入ってる、この要素が入ってるとあらかじめ考えた上で選んだものです。ここが足りないなというところも補えるように曲を選定します。その子が好きそうな曲というのは、ある程度やっているうちに分かってくるので、そういう曲の中から選んで与えるという作戦はうまくいきました。

先日のレッスンでは、最初の音からすごくいい音を出してくれました。「この曲、大好き!」と言わんばかりに弾いてくれて、思わず「Bちゃん、音が変わったね。きれいになったよ~」と肩を抱いてしまいました。彼女も嬉しそうな顔をして、次のレッスンの時には、あんまり気乗りしなかった曲までしっかり練習してきました。2年前を振り返ると、こんな風に変わってくれてほんとに嬉しいです。

ずーっといつも変わらない感じで教室に通い続けている生徒の中に、ある日、突然変わってくる生徒がいるものです。それは、いつやってくるかわかりません。ずっと続けていると突然そんな時があるのです。私はすべての生徒にその可能性があると信じています。徐々に徐々に、少しづつ、しかし確実に水位が上がっていくダムの水のように、それまでの静かな積み重ねが、ある日突然、あふれ出てきて、次の段階に飛躍する、そんな感じでしょうか。Aさんはコンクールでとても良い成績を収めることができました。本当に良かったね、おめでとう。さあ、次の段階に進みましょう!

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コメント
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