ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ベーゼンドルファーのピアノ

2011年08月11日 | クラシック豆知識
8月20日に予定されている医大OBオケの定演で、コンチェルトのソリストとして出演します。
大分市コンパルホールでの開催ですが、そこのピアノを少しだけ試し弾きさせてもらいました。

このホールには、ベーゼンドルファーのフルコンとカワイのフルコンが入っています。ベーゼンの方は、以前何度か弾いたことがありますが、それから随分時間も経っているので、どんな状態か少し気になっていました。「状態によってはカワイを使う方がいいかも」という声もあり、ここのホールのカワイは弾いたことがなかったので、今回、両方とも少しだけ試弾させて頂きました。

使用していない時間帯に倉庫の中でという条件でしたが、快く対応していただけて感謝です。さてその結果は、やはり、私がしっくりくるのはベーゼンの方でした。久しぶりに弾くベーゼン、普通のピアノは88鍵なのに対して、ベーゼンのインペリアルは低音部にもう9鍵ついていて、全部で97鍵になります。それを足すと、このピアノの鍵盤は全体でちょうど8オクターヴということになります。追加の9鍵のところは写真のように黒塗りになっていて、一応区別できるようになっていますが、やはり、「ピアノの左端はラ」という感覚に慣れているので、気をつけないと間違いそうになることがあってドキッとします。



今回、私が弾くグリーグのコンチェルトは、冒頭のドラマチックな始まりで上から下まで下降し、普通のピアノの一番下のラからアルペジオでまた駆け上がるところがあります。そこを間違いそうになるのです。ここはピアノの一番端っこから、とインプットされているので、手元が狂いそうになります。気をつけないと恐ろしいことに・・・・。

というベーゼンですが、その名を世界に馳せたピアノですから、本来素晴らしいピアノです。ピアノは、メインテナンスと調律によって、その本来の持っている素晴らしさが発揮できるかどうか決まってくると思います。ベーゼンはそんなに弾く機会を私は持ちませんが、東京の自由が丘にある工房で試弾させていただいた時のベーゼンの素晴らしさは今でも忘れられません。

いろんな場所でいろんなピアノと出会い、仲良くなる。これが、自分の楽器を持ち運びできないピアノ弾きの喜びでもあり、苦労でもあります。

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コメント (2)
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