名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

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朗読劇「月光の夏」を観る

2015-07-17 23:20:52 | Weblog
2015.7.17(金)
 『月光の夏』は、毛利恒之が実話などを元に創作したドキュメンタリーである。
太平洋戦争末期、主人公の吉岡公子が先生をしていた小学校に二人の特攻隊員がやってきた。そのうちの一人が、今生の思い出にピアノを弾かせてほしいと言い、公子の持っていた楽譜・ベートーベンのピアノソナタ第14番「月光」を演奏し、去って行ったところから物語は始まる。
 特攻の悲劇を、ベートーベンの「月光」をもとに描き出した反戦ドキュメンタリーである。
 この上演は、名古屋の「Wa音の会」の第10回記念講演で、筆者の高校時代の同級生が参加しており、観る機会を得ることができたものである。
 二人の特攻隊員のうち、一人は戦死したが、もう一人の特攻隊員は飛行機の故障で生き延びることができた。
 戦後、この二人が誰であったのかが話題となり、ピアノを弾いたと思われる元少尉が存命であることが判明した。少尉が生き延びたのは出撃した特攻機が故障で帰還したことによるものであった。少尉はその罪深さになにも語ろうとしなかったが∼∼∼∼。
 この物語を朗読劇として上演したのが特色であろうか。20年ほど前に映画化もされており、かすかに記憶が読み返った。旧特攻兵士の心の葛藤を静かに表現していながら鋭い反戦劇となっている。
 70年に及ぶ平和憲法を、突然出現した政権が与論を無視してぶち壊してしまう時代に、あらためて戦争の恐ろしさ、悲惨さを突きつけてくれた劇であった。





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