名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

内田樹氏のエッセイ

2014-08-17 21:43:53 | Weblog
2014.8.17(日)
 週刊誌アエラ最新号の巻頭エッセイで、神戸女学院大学名誉教授で思想家の内田樹氏がアメリカについて書いている。
 アメリカは8月8日、イラク北部で「イスラム国」への「限定的な」空爆を開始した。これを内田氏は、過去70年間休むことなく他国に軍事介入してきたアメリカもイラク北部での介入では「及び腰」になっていると評価している。
 内田氏は、これまでのアメリカの軍事介入をインディアンと騎兵隊との戦いにたとえて次のように比喩した。
 『アメリカは軍事介入においてつねに「悪いインディアン」に襲われた「幌馬車隊」の救援に駆けつける「騎兵隊」というセルフイメージを抱いてきた。そのシンプルな物語がついにアメリカ人自身にとってさえ説得力を失ってきたようだ。
 どの国でも、戦闘が一段落すると、感謝してくれるはずの「幌馬車隊」が「騎兵隊」を迷惑がり、追い出しにかかり、ひどいときは「インディアン」に変貌して「騎兵隊」を襲い始めた。
 「いったい私たちは何のために血を流してきたのか?」アメリカはようやく立ち止まって、この根源的な問いに向き合おうとしている。そして、答えが見いだせないでいる。』
 こうした事態を見て、内田氏は日本の現政権をアメリカがどう見ているのか、次のように表現している。
 『かつて10万人のアメリカ人青年の血を流してようやく「民主化」を達成したはずの同盟国の政府が「アメリカの与えた憲法秩序」を棄てて、アメリカの国是である「自由と民主主義」を否定しようとしている様子をアメリカは今ぼんやりと眺めている。自分たちがほんとうは何を守るために戦ってきたのか、アメリカ人自身にももうわからなくなってきているのだろう』
 哲学者でもある氏の痛烈な安倍政権批判である。

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