音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ Mozart Klaviersonate の源泉も Bach - その2 ■

2011-10-24 23:27:41 | ■私のアナリーゼ講座■

■ Mozart ピアノソナタ の源泉も Bach - その2 ■

                         2011.10.24   中村洋子

 

 

★「 Invention インヴェンション 6番 」 の、右手上声は、

e2→ dis2→ d2→ cis2  ( ホ→ 嬰ニ→ ニ→ 嬰ハ ) という、

半音階進行で、始まっています。

E-Dur の 「主音 」 から、始まる半音階です。


★この半音階に、 Edwin Fischer  エドウィン・フィッシャー  は、

二通りの Fingering を、記入しています。

一つは ≪ 「 4 3 1 3 」 ≫ で、もう一つは、

≪ 冒頭の e にのみ 「 5 」 を付し、

e2→ dis2→ d2→ cis2→ h の 「 h 」 に 「 1 」 ≫

 という、指定です。      


★最初の ≪ 「 4 3 1 3 」 ≫ を、注意深く弾いてみますと、

 「 e - dis 」 と 「 d - cis 」 の二つに、この半音階が、

分解できることが、分かります。

和声進行の内容に、ぴったりと合っています


★他方の、 「 5 」 と 「 1 」 のみ書かれているものは

当然 「 5  4  3  2  1 」 と、なりますので、

≪ 大きく、一つにとらえる ≫ ということに、なります。

このどちらで弾いても、尽きない魅力があります。

≪Bach は、こう弾かなければいけない≫ 

ということは、ないのです

 

 


★カワイ名古屋での 「 アナリーゼ講座 」 では、 

 Mozart モーツァルト ピアノソナタ ハ長調

Klaviersonate  C-Dur KV 545 の、

いかにも、 Mozart 的な半音階である、

13、14小節目の左手で奏される  「 cis1  c1  h 」  が、

Bach の半音階と、どう違うのかを、お話いたします。


★さらに、 Mozart がいかに深く、 Bach を勉強していたか・・・、

それを、よく示す例として、

KV 545 の、有名な Sequenz ( 反復進行 ) が、

Bach の Invention Nr.6 、Nr.14

インヴェンション 6番や 14番、

Französische Suite Nr.5 フランス組曲 5番などの中に、

そのままの形で、見つけることができます。

この点につきましても、講座でご説明いたします。

 


                ※copyright © Yoko Nakamura
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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