音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■独・ヴィッテンで、私の「 チェロ組曲第 3番 」が、初演されました■

2010-04-02 17:10:17 | ■私の作品について■
■独・ヴィッテンで、私の「 チェロ組曲第 3番 」が、初演されました■
                   10.4.2     中村洋子


★ 3月 22日、ドイツ西部、ルール地方にあります

「 ヴィッテン 」市の Emmaus-Kirche 教会で、

私の作品 「 無伴奏チェロ組曲第 3番 」 と、小品「 冬の庭 」が、

ヴォルフガング・ベッチャー先生により、初演されました。


★コンサートの翌日、ベッチャー先生から、Fax が入りました。

「 会場は超満員で、コンサートは大成功でした。

ポスターを、郵送します。

6月 12日、あなたの作品 ≪ ピアノとチェロのための 二重奏曲 ≫ を、

ベルリンで、姉と初演します 」


★届きましたポスターは、オレンジの地色に、

曲目、演奏家、作曲家などが、黒々と書かれています。

伝えたい情報のみです。

センスが良く、簡素です。

芸能人と見まごうような、けばけばしい写真を載せた、

日本の豪華なポスターとは、大違いです。


★演奏会での曲目は、

バッハ「 無伴奏チェロ組曲 」第 5番 ハ短調、

私の 「 無伴奏チェロ組曲 」第 3番と「 冬の庭 」、最後に、

バッハ「 無伴奏チェロ組曲 」第 3番 ハ長調 、という順でした。


★バッハは、6曲のチェロ組曲を書いていますが、

私は、5番が、その頂点であり、1番から 5番に向け、

上りつめていくと、思います。
  
この考え方は、私自身がチェロ組曲を 3曲書いたことと、

インヴェンションや、平均律のアナリーゼ講座を、

続けているからこそ、言えることです。

バッハがチェロ組曲全 6曲を、一つの作品として構想して、

作曲したことは、間違いないと思います。


★先生が、「 5番 」 からコンサートを始められたことに、

驚きましたが、私の組曲 3番が、C音から始まり、C音で終わりますので、

コンサート全体を、 “ Cの調 ” で束ねたいという、

先生の意図が、強く、迫ってきます。

私の作品の後、明るく喜ばしいバッハの 「 組曲 3番 ハ長調 」で、

プログラムが、閉じられました。


★3月21日は、バッハのお誕生日でした。

その翌日に、バッハと私の作品でコンサートを開いていただく、

これほどの喜びは、ありません。

その2日前には、チューリヒで、室内楽作品が初演され、うれしい1週間でした。


★ヴィッテンでのこの演奏会を、ドルトムントの楽譜出版社の方が、

聴きに、行かれました。

ヴィッテンまでは、10キロ足らずだそうです。


★彼からのメールによりますと、

「 補助椅子を出すほど、たくさんの聴衆でした。

バッハの組曲は、『繰り返し』 のところが、信じられないほど

創造的なファンタジーに、満ちていました。

聴衆は、あなたの曲を、大変に気に入り、

ベッチャー先生は、アンコールをせざると得ませんでした。

それは、中村さんの 「 第 1チェロ組曲 」 の最終楽章でした。

いい音楽でした、本当に! 」


★彼は、休憩時間に、ベッチャー先生とほんの少しお会いし、

彼が近く出版する、私の ≪ チェロトリオ ≫ のテスト印刷楽譜を、

お見せしたそうです。


★私の推測ですが、バッハの 「 繰り返し 」 のところで、

先生は、ピッチカートを使われたのだと、思います。

先生の研究によりますと、バッハの時代も、ピッチカートは、

現在考えられている以上に、多用されていた、ということです。

ご自身の勉強、研究に基づいて演奏される、

その信念に敬意を表したいと、思います。


★先日の「 第 3回平均律アナリーゼ講座 」 で、

参加者の方と、お話したのですが、

ご自身で勉強して、自分なりの表現で、バッハを 演奏したとき、

「 その弾き方は、おかしい。どの楽譜にそう書いてあるの!!!」 と、

「 先生 」 から、批判されたそうです。

「 “ 権威 ” のある楽譜に書いてあること以外は、してはいけない 」

という考え方は、本当の意味で ≪ 権威 ≫ であるバッハとその音楽、

その世界 から、最もほど遠く、バッハを否定してしまうものです。


★演奏者が、真摯に追求した表現であれば、そのすべてが、

第一級の芸術作品、演奏になりうる、というのが、

バッハの音楽の真髄です。

それほどバッハの音楽は、豊穣で、おおらかな世界なのです。


★この 「 チェロ組曲 3番 」と「 冬の庭 」などを含む、

私の新しい CDが、4月末に発表予定です。

皆さまに、先生の芸術を是非、聴いていただきたいと思います。

                    
                        ( 演奏会のプログラム )
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