■■ お能の関根祥人さんが急逝されました ■■
2010・6・25 中村洋子
★訃報:
関根祥人さん50歳=能楽師シテ方観世流
関根祥人さん50歳(せきね・よしと=能楽師シテ方観世流)22日、
急性大動脈解離のため死去。葬儀は7月3日午後1時、
東京都文京区大塚5の40の1の護国寺桂昌殿。
葬儀委員長は観世流宗家・観世清和さん。喪主は妻治美(はるみ)さん。
同流シテ方の重鎮、関根祥六さんの長男に生まれ、
将来を期待されていた。
1961年初舞台。98年に「道成寺」で芸術祭新人賞。
05年に松尾芸能賞優秀賞受賞。
主演映画に「能楽師」(田中千世子監督)がある。
12日に上海万博の上海芸術祭に招かれ、
「船弁慶」のシテの知盛の霊を舞った。
長男の祥丸さんも能楽師で、親子3代で活躍していた。
毎日新聞 2010年6月23日 12時56分
★「 関根祥人 」さんは、これからの、
能楽界を背負っていくべき方でした。
お忙し過ぎた、のかもしれません。
心より、お悔やみ申し上げますとともに、
とても、残念です。
★私は、祥人さんの舞台は、それほど拝見していませんが、
お父様である名人、「 関根祥六 」さんのシテを支える
「 後見 」としての、祥人さんに、よく接し、
その後見としての姿に、感動していました。
★祥人さんの、後見としての所作は、
隙がなく、目立たず、無駄がなく、
そして、とても美しいのです。
お能は、指揮者のいないオーケストラですが、
見えない指揮者は、「 後見 」である、
と言っていいのかもしれません。
★演目のお能の、すべてを知り、
シテが演じやすいよう、準備し、送り出す。
シテより先輩が「 後見 」をすることが多い、といわれるのも、
そういう理由から、でしょう。
舞台上でシテが突然、急病などで、演じられなくなった場合、
後見が、直ちに、シテを演じることもあるそうです。
★祥人さんは7月3日、「 観世能楽堂 」での 「 花祥会 」の演目として、
親子三代 「 祥六、祥人、祥丸 」 で、「 石橋 」を演じられる予定でした。
その日が、不幸にして葬儀の日となってしまいました。
★昨年 2009年 10月 31日の、このブログ で書きました
≪ お能 「 定家 」 を、関根祥六のシテで観る ≫
の「 定家 」でも、「 祥人 」さんが、後見をなさっていました。
http://blog.goo.ne.jp/nybach-yoko/e/1627fe81ddfbcd45f637d500a98b744b
★「 祥人 」さんが「 地謡 」として参加されている若き日の姿を、
「 DVD 」で、拝見することができます。
これは、観世寿夫さんの三十三回忌と、雅雪さんの二十三回忌を、
追善して、NHKが企画しました CD+DVD集
≪ 心に伝える花の芸 ~観世銕之丞家 名吟・名演集~ ≫に、
収録されています。
★「 祥人さん 」は、DVD 「 三 山」 に、
「 地謡 」 として、参加されています。
★なお、この「 CD+DVD 」集には、
観世寿夫さんの、歴史的名演といえる
「 熊野 ( ゆや ) 」 が、CDで、収録されています。
シテ: 観世寿夫 ツレ: 浅見真州
ワキ: 宝生弥一 ワキツレ: 宝生閑
笛 : 一噌幸政 小鼓: 北村治
太鼓: 亀井忠雄
という、夢のような配役です。
★この ≪ 心に伝える花の芸 ~観世銕之丞家 名吟・名演集~ ≫は、
近く発売されますが、詳細は、
≪ 檜書店 ≫ のホームページで、ご覧ください。
http://www.hinoki-shoten.co.jp/
電話 03-3291-2488 ファックス 3295-3554
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町2-1
( 露草の花 )
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
2010・6・25 中村洋子
★訃報:
関根祥人さん50歳=能楽師シテ方観世流
関根祥人さん50歳(せきね・よしと=能楽師シテ方観世流)22日、
急性大動脈解離のため死去。葬儀は7月3日午後1時、
東京都文京区大塚5の40の1の護国寺桂昌殿。
葬儀委員長は観世流宗家・観世清和さん。喪主は妻治美(はるみ)さん。
同流シテ方の重鎮、関根祥六さんの長男に生まれ、
将来を期待されていた。
1961年初舞台。98年に「道成寺」で芸術祭新人賞。
05年に松尾芸能賞優秀賞受賞。
主演映画に「能楽師」(田中千世子監督)がある。
12日に上海万博の上海芸術祭に招かれ、
「船弁慶」のシテの知盛の霊を舞った。
長男の祥丸さんも能楽師で、親子3代で活躍していた。
毎日新聞 2010年6月23日 12時56分
★「 関根祥人 」さんは、これからの、
能楽界を背負っていくべき方でした。
お忙し過ぎた、のかもしれません。
心より、お悔やみ申し上げますとともに、
とても、残念です。
★私は、祥人さんの舞台は、それほど拝見していませんが、
お父様である名人、「 関根祥六 」さんのシテを支える
「 後見 」としての、祥人さんに、よく接し、
その後見としての姿に、感動していました。
★祥人さんの、後見としての所作は、
隙がなく、目立たず、無駄がなく、
そして、とても美しいのです。
お能は、指揮者のいないオーケストラですが、
見えない指揮者は、「 後見 」である、
と言っていいのかもしれません。
★演目のお能の、すべてを知り、
シテが演じやすいよう、準備し、送り出す。
シテより先輩が「 後見 」をすることが多い、といわれるのも、
そういう理由から、でしょう。
舞台上でシテが突然、急病などで、演じられなくなった場合、
後見が、直ちに、シテを演じることもあるそうです。
★祥人さんは7月3日、「 観世能楽堂 」での 「 花祥会 」の演目として、
親子三代 「 祥六、祥人、祥丸 」 で、「 石橋 」を演じられる予定でした。
その日が、不幸にして葬儀の日となってしまいました。
★昨年 2009年 10月 31日の、このブログ で書きました
≪ お能 「 定家 」 を、関根祥六のシテで観る ≫
の「 定家 」でも、「 祥人 」さんが、後見をなさっていました。
http://blog.goo.ne.jp/nybach-yoko/e/1627fe81ddfbcd45f637d500a98b744b
★「 祥人 」さんが「 地謡 」として参加されている若き日の姿を、
「 DVD 」で、拝見することができます。
これは、観世寿夫さんの三十三回忌と、雅雪さんの二十三回忌を、
追善して、NHKが企画しました CD+DVD集
≪ 心に伝える花の芸 ~観世銕之丞家 名吟・名演集~ ≫に、
収録されています。
★「 祥人さん 」は、DVD 「 三 山」 に、
「 地謡 」 として、参加されています。
★なお、この「 CD+DVD 」集には、
観世寿夫さんの、歴史的名演といえる
「 熊野 ( ゆや ) 」 が、CDで、収録されています。
シテ: 観世寿夫 ツレ: 浅見真州
ワキ: 宝生弥一 ワキツレ: 宝生閑
笛 : 一噌幸政 小鼓: 北村治
太鼓: 亀井忠雄
という、夢のような配役です。
★この ≪ 心に伝える花の芸 ~観世銕之丞家 名吟・名演集~ ≫は、
近く発売されますが、詳細は、
≪ 檜書店 ≫ のホームページで、ご覧ください。
http://www.hinoki-shoten.co.jp/
電話 03-3291-2488 ファックス 3295-3554
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町2-1
( 露草の花 )
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