音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■夏の舞茸スープ 自然耕房(じねんこうぼう)三夜沢きのこ園■

2009-08-03 01:08:25 | ■楽しいやら、悲しいやら色々なお話■
■夏の舞茸スープ 自然耕房(じねんこうぼう)三夜沢きのこ園■
                 09.8.2   中村洋子 


★9月は、13日に「シューベルト・即興曲のアナリーゼ講座」、

27日の「バッハ・インヴェンション講座」や、

私の作品「チェロ組曲」の、録音などで、

全力疾走と、なりそうです。


★気分転換に、萩原朔太郎の故郷・前橋に近い

赤城山の南麓へと、行ってまいりました。

山の木々の精気と、雨のように降る、

蜩(ひぐらし)の音で、

日本の夏を、実感しました。


★山の香りといいますと、私は、「自然耕房」の舞茸が、

以前から、大好きで、美味しく頂いています。

安全で、おいしいのはもとより、なによりも、

山の香りを、うっとりするぐらい、

発散させているからです。


★赤城山麓の、緑に囲まれた「自然耕房」の

舞茸栽培工場を、見学させていただきました。

工場は、舞茸の香りで満ち満ちており、

以前、スウェーデンを訪れた時にいただきました、

森の香りがプンプンする、地元の伝統食「キノコスープ」を、

急に、思い出しました。


★その「キノコスープ」は、山で採れた天然のキノコを、

大量に煮立て、ミキサーにかけ、クリーム状にしたものでした。

早速、今回、舞茸を使って、私流の「キノコスープ」を、

作ってみました。

①舞茸を、水、チキンスープとベーコン少々で、さっと煮る。

②煮たものを、煮汁と一緒にミキサーにかけ、ドロドロにする。

③牛乳、またはクリームと混ぜ、塩コショウで味を調える。

暖かくしても、冷たくしても美味しく、いただけます。

きょうは、大量に作り、小分けして冷凍しました。

夏の朝食に、ピッタリです。


★自然耕房の舞茸は、クロのほかに真っ白なものがあり、

さらに、ウスヒラ茸、タモギ茸、トキイロヒラ茸など、

色とりどりのキノコも作っています。

トキイロヒラ茸は鴇と同じ、美しいピンク、

タモギ茸は、鮮やかな黄色です。

スープの上に、一片のトキイロヒラ茸を、

載せますと、お洒落です。


★ウスヒラ茸は、蒸して、お醤油で頂きますと、

お肉を食べたような、充実感です。


★「自然耕房」は、美味しく安全なキノコを作るだけでなく、

いま、流行の「エコ」を、昔から徹底的に、実践している会社です。

シイタケを栽培した後に棄てられるホダ木を、細かく粉砕し、

そのチップに、おから、ビール粕を混ぜた「床」を作ります。

「床」は、1辺が20cmほどの立方体で、ビニールで密封。

そこに、舞茸菌を植え付け、絶妙な温度や湿度、照明の管理で、

2ヵ月後、やっと、写真のように、こんもりと盛り上がった、

それは見事な舞茸が、育ちます。


★舞茸を採り終わった、その同じ「床」に、

今度は、トキイロヒラ茸などの菌を植え、

計3回も、キノコを栽培します。

その後、「床」は、腐葉土と同じ働きをする「土」になります。

「自然耕房」は、その土で、美味しい野菜も作っています。


★つまり、シイタケ栽培に使った木が、回りまわって、

最後には、「土」になって、大地に帰るのです。

「床」を作るには、大量の蒸気で、

チップを殺菌する必要が、あります。

殺菌しないと、舞茸菌がうまく育たないからです。

蒸気をつくるには、通常、石油ボイラーを使いますが、

「自然耕房」は、木を燃やすボイラーを使います。


★周辺の山には、いくらでも棄てられた樹木があり、

腐るに、任せています。

それらを、このボイラーで、有効利用します。

遠く中近東から運ばれた石油を、使う必要はないのです。

地球温暖化防止にも、寄与します。

そのほか、工場の屋根には太陽光発電の、

パネルが、たくさん並べられています。

また、太陽光を工場内部に、

取り入れる装置も、付いています。

太陽の自然な光を、舞茸に浴びさせることが、

ここの舞茸のおいしさの秘密の一つのようです。


★見学してなにより、驚き、感動したことは、

工場で、障害をもった方や、高齢者がたくさん、

働いていらっしゃり、その方々が、

心から喜びをもって、無駄な動き一つなく、

キビキビと、動いているのを、見たことです。


★働くことが、こんなにうれしいことである、

という顔を、本当に、久しぶりに見ました。

東京では、見られない顔です。

障害をもった方々は、「自然耕房」に来て初めて、

健常者と、同等に評価され、

同じ待遇で、扱われたそうです。

それまで、いろいろと虐げられてきた方にとって、

どんなに、うれしいことか、想像するにあまりあります。

社長の佐藤さんを、“お父さん”のように慕っていました。

働きながら、自然にこぼれるその明るい笑顔が、

いつまでも、忘れられません。


■自然耕房(じねんこうぼう)
http://www.jinen.co.jp/index.html
http://www.jinen.co.jp/kigyou/nakamen.pdf
◎住所
 〒371-0247 群馬県前橋市三夜沢町21-7
 TEL 027-283-0531 FAX 027-283-0532
◎事業
 舞茸を中心にいろいろな「きのこ」と「土」を作っています。
 直営店 風の駅 やげんじ   前橋市鼻毛石町2490
     風の広場 おおまえだ 前橋市鼻毛石町1170-11


 (直径30㎝ほどのボール状に育った舞茸、佐川泰正さんの漆盆)
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