■世界で大人気の映画「 最強のふたり Intouchables 」は、“仏版寅さん” その3■
2012.12.6 中村洋子
★さて、映画はここから面白くなります。
Driss は邸宅を去り、新たに職安に行きます。
面接の女性に、 Philippe 邸で仕入れたばかりの踏韻や、
サルバトール・ダリについて、知ったかぶりをひけらかします。
まるで、寅さんです。
★ Philippe は、また、介護士を新規募集します。
仏頂面の男を嫌々、雇います。
しかし、死ぬほどつまらなく退屈、どこにも心の触れ合いがありません。
髭も剃らせず、無精ひげに。
遂に深夜、また発作が起きます。
Driss に緊急電話、飛んで駆けつける Driss 。
そこで、冒頭のスポーツカーの疾走シーンが、再び登場します。
Driss が運転免許を持っていないことも、ばらされます。
音楽の再現部のようです。
★清々しいお昼、海辺の美しいレストランへと、 Philippe を連れ出します。
Driss は、消えます。
美しく母性溢れる女性が、 Philippe のテーブルの前に姿を見せます。
ダンケルクの、あの文通友達でした。
Driss の、見事なおせっかいです。
窓の外から、Driss がニコニコ手を振っています。
このシーンも、寅さんではお馴染み、いつも出てきます。
自分はガラスの向こうの世界にまた、戻るという象徴です。
かくして、二人のハッピーエンドを仄めかし、めでたしで終わります。
★寅さんで必ず出てきます ≪ マドンナ ≫ はどうでしょうか。
Driss は Philippe の美人秘書に、チョッカイを出し続けます。
彼女は、からかうだけで、はなから相手にしません。
残酷にも、彼女は最後に “ 恋人 ” を紹介します。
レスビアンだったのです。
これが、ヨーロッパの現実かもしれません。
監督も二人です。 ( 続 )
(goo ブログが変調のようで、一気掲載できません)
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