■第 2回 「 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻・アナリーゼ講座 」
第 2番 c-Moll BWV 871 prelude & fuga
~ Binary form の 2番 prelude 、圧倒的な密度の 2番 fuga ~
2013.5.24 中村洋子
★前回の講座では、 「 平均律 第 2巻 1番 」 が 「 平均律 第 1巻 24番 」 と、
どれだけ深く、結びついているかをお話しました。
そして、 「 第 2巻 2番 」 は、 「 1番 」 と表裏一体の関係にあります。
第 2巻 全 24曲の大河が、この1、2番から滔々と流れ始めたといえます。
★ 「 2番 prelude 」 は、 「 第 1巻 24番 」 と密接に関連しているとはいえ、
「 平均律 2巻 」 に特徴的な ≪ Binary form 2部構成 ≫ をとっています。
★また、 「 2番 fuga 」 は、28小節という短いなかで、
どれだけテーマを展開できうるか、逆にいえば、
28小節という短さを忘れさせるほど、圧倒的な密度です。
しかし、力が満ち過ぎて人を跳ね飛ばすような音楽では、
決して、ありません。
(花梨)
★Bach の平均律クラヴィーア曲集第 2巻の ≪ 最終稿 ≫ は、
残っていません。
自筆譜として唯一、現存するのが
「 ロンドン写本 ( London original manuscript
1739~1742 in The British Library ) 」 です。
現在、広く流布している実用譜の 平均律 第2巻は、
Bach の女婿 Christoph Altnickol アルトニコル (1719~1759) が、
1744年に、Bach のオリジナルを写したものです。
★「 ロンドン写本 ( London original manuscript ) 」 には、
妻 アンナ・マグダレーナAnna Magdalena Bach (1701~ 1760) の写本も、
含まれています。
「 ロンドン写本 」 の 「 第 2番 c-Moll 」 を、書き写したのは、
Anna Magdalena Bach です。
夫の原稿を ≪ 忠実に ≫ に、書き写したと思われますので、
この 「 第 2番 c-Moll 」 も、当然、Bach の意向に沿ったものとして、
学ぶことができます。
★大譜表で書かれた謎の多い 「 第 1番 」 は、Bach 本人の自筆です。
Bach と Anna Magdalena との筆写を比べますと、
何が異なり、そして、そこから何が分かるのでしょうか。
この点につきまして、講座で詳しくご説明します。
★この 「 ロンドン写本 ( London original manuscript ) 」 は、
残念ながら、24曲すべては、残っていません。
写本が存在する曲については、それを基に、
私の講座を進めていきたいと、思います。
★Bach の平均律クラヴィーア曲集を、
本当に読み解き、校訂できるのは、
Bartók Béla バルトーク (1881~1945) のような、
大作曲家のみ、といえるかもしれません。
Bartók の平均律校訂版は、かなり古いものですが、
その内容は、Bach の天才に迫るようなものといえます。
併せて、講座でご説明いたします。
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■第 2回 「 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻・アナリーゼ講座 」
第2番 C-Moll BWV870 prelude & fuga
■日 時 : 2013年 6月13日(木) 午前 10時 ~ 12時 30分
■会 場 : KAWAI 表参道 2F コンサートサロン・パウゼ
■ 要予約 : Tel. 03-3409-1958
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■ 講師:作曲家 中村 洋子
東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。
2003年~ 05年:アリオン音楽財団 ≪ 東京の夏音楽祭 ≫ で新作を発表。
07年:自作品 「 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
W.ベッチャー氏が演奏した CD 『 w.ベッチャー日本を弾く 』 を発表。
08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
CD ソプラノとギターの 『 星の林に月の船 』 を発表。
08~09年: 「 バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座」 全 15回を開催。
09年 10月: 「 無伴奏チェロ組曲第 2番 」 が、W.ベッチャー氏により
ドイツ・マンハイムで 初演される。
10~12年: BACH平均律クラヴィーア曲集第 1巻の全曲アナリーゼ講座
(24回) を、カワイ表参道で開催。
10年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲第 1番 」 が、
「 Ries & Erler Berlin 」 ベルリン・リース&エアラー社から
出版される。
CD 『 無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』 W.ベッチャー演奏を発表。
「 Regenbogen-Cellotrios レーゲンボーゲン・チェロトリオス
( 虹のチェロ三重奏曲集 )」 が、ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
Musikverlag Hauke Hack 社から出版される。
11年 4月: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
チェロ二重奏のための10の曲集 」
が、「 Ries & Erler Berlin 」 ベルリン・リース&エアラー社から
出版される。
12年12月:「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
チェロ4重奏のための10のファンタジー(第 1巻、1~5番)」が、
ドイツ・ドルトムント Musicverlag Hauke Hack社から
出版される。
・ スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
自作品が演奏される。
★上記の 楽譜 と CD は、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/
「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で、
販売中。
★第 3回 7月 9日(火) 午前 10時 ~ 12時 30分 第 3番 嬰ハ長調
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