音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■第3回インヴェンション講座は、9月30日、規範フーガ■

2008-09-25 11:47:09 | ■私のアナリーゼ講座■
■第3回インヴェンション講座は、9月30日、
             規範フーガについてです■
                    08.9.25日 中村洋子

★インヴェンションとシンフォニアの1番は、

3度と4度のモティーフの展開。

2番は、使われる音程を、6度、7度に広げて展開しています。

1番、2番は、一組としてみることが必要です。

このモティーフの展開という手法が、全30曲の根底にあります。


★このような視点からみますと、

3番、4番も一組として設計されています。

特に、シンフォニアの3番と4番は、

「フーガ」という形式を学ぶための導入として、最高の曲です。

これ以上の曲はありません。

この講座では、3番のシンフォニアの形式と、

「規範フーガ」との関係についてもお話いたします。


★「規範フーガ」(student's fugue   fugue d'ecole)という形式は、

バッハが自分で、命名したものではありません。

日本では、「学習フーガ」ともいわれます。

バッハ以降、この形式に則って、フーガを書く訓練をすることが、

作曲を学ぶ上で、基本中の基本、イロハとなっていきました。

いつごろから、そうなったか、という記録は定かではありませんが、

フランスでは、ガブリエル・フォーレがこの形式によって、

「フーガ」というものを学び尽くしました。

そのフォーレが、コンセルバトワールの試験で、

出題したテーマも現存しています。


★今回の講座は、その意味で、大変に重要な位置づけとなります。

平均律クラヴィーア曲集を学ぶうえでも、必要不可欠な内容です。


▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする