今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

ディア・ウェンディ 7

2006-01-22 02:09:07 | 逆転サヨナラHR
ああいえば上佑…懐かしいなぁ。

この作品の場合、ストーリー自体は隠喩になっており、そこに現実感はない。
簡単に流れを説明すると、(1)社会的弱者が自分の居場所を見つけようと、それまで生活していたコミュニティーを飛び出し、社会とは隔離された場所で自分の生きやすい小さな楽園を作る。(2)そのうち同じような仲間が集まってきて、その集団内だけの決まりごとを作ったり、集団内に閉じこもることを正当化する理論武装を始めたりする。(3)しかし結局社会とは融合しようがなく、時間や人間関係を原因にほころびが生まれ、集団は破滅の道をたどる。そんな流れを銃に魅せられた若者たちをモチーフに見せた物語だ。

この作品を見ながら登場人物の行動が誰かに似てるよなと思い続けていた。初めは萌え~!とか言ってるアキバ系や2ちゃんねらー、次に学生運動の人たち、最後に思いついたのはオウムに代表されるようなカルトの信者たちだった。
現実世界の矛盾に敏感すぎるため、我慢ができなくなり虚構や想像上の理想郷に逃げ込んでしまう。そういう人たちはいつの時代にもいたんだと思う。ひとつのパターンでしかないとはいえ、そんな彼らの思考の流れがわかりやすく描かれていてfunというより、かなりinteresting!寄りな作品だった。

繊細さとか敏感さとか純粋さってすごくポジティブな捉え方をされるけど、人間ある程度愚鈍で適度に汚れてた方が、結局は幸せに生きられるかもしれない。ちょっとそんなことも感じた。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« プライドと偏見 4 | トップ | 博士の愛した数式 7 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (後藤)
2006-02-21 00:03:50
TBさせていただきました。



2ちゃんねらーに似てる、というところは共感します…。
返信する

コメントを投稿

逆転サヨナラHR」カテゴリの最新記事