今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

笑の大学 9

2004-10-30 01:51:57 | ノーヒットノーラン
「私はこんな巧妙な展開を考える作家の才能に嫉妬した」
劇中、そんなセリフを検閲官の役所広司が喜劇作家の稲垣メンバーに言った。まさにその通りの作品だ。

笑いの方程式をかなりのところまで掴んだ三谷脚本、2人舞台から映像化した監督、そして役所広司の緩急自在の演技。すごい!
何が良かったって「笑いのすばらしさ」「笑いへの愛」が全編に溢れているところ。最近流行りの「おバカ」(こんなに笑いを馬鹿にした言葉はないと思う)なんかじゃ決してなく、どんな過酷な状況でも人々の心の潤いになる笑い。稲垣メンバーに代弁させた台詞の中に、それを作る者の情熱や苦悩を大いに感じた。「笑の大学座」で観客が笑い転げるシーンはまるでニューシネマパラダイス。そして振り返るとスクリーンを見て同じように笑い転げる観客がいた。

あと1点何が足りないか?8年も前にこんなすごい作品を書いていながら、自分で監督した作品やその後の作品ではピリッとしない三谷さんへの期待値。そして映画館の巨大スクリーンではなくても楽しめる、DVDでいっぱい稼ぐつもり、そんな商魂の部分。でも俺も買ってしまうかもしれない。

ここのところ続いていた辛口批評が一転、大絶賛で面食らうかもしれないけど、彼みたいにテープ10本サービスしたり、金利手数料を負担したりはしないのでご安心を。

友達との会話の中で彼のアクセントのモノマネをしたことがある人はクリックして下さい!(映画風呂具ランキング)
コメント (15)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする