のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

長物を遺産に替える眼の高さ

2012年11月01日 | 散歩漫歩
             

訳あって群馬県の旧富岡製糸場を見学する機会がありました

明治政府の殖産興業模範工場だったことぐらいは知っていたのですが
国内で初めてレンガを焼きながら一年であれだけの施設を作り上げてしまったこと
瓦屋根の「木骨(もっこつ)煉瓦造(れんがぞう)」や
レンガはセメントでなく漆喰で固めるなど
日本と西洋の建築技術を見事に融合させていること
初代場長は娘を「工女一号」にまでして全国から士族の娘を集め
製糸技術の指導者を育てたこと  など
現地で改めて教えていただきました

なかでも感嘆したのは
昭和14年から62年まで操業していた片倉製糸紡績株式会社が
操業停止以降 平成13年に富岡市に寄贈するまでの間
無償で管理を続けていたこと

あれだけのまとまった土地です
いくらでも他の産業用地として使えたはずです
それがなければ いま世界遺産へ推薦というような運動は起こりえません

いまではショッピングセンターの運営等の不動産業が中心のようですが
140年もつづく旧財閥系の会社の器の大きさというか胆力というか
3.11以降の我々にもぜひ必要なものです

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