のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

さあ今日は大師様だ(のらやま通信246/1505)

2016年04月28日 | 散歩漫歩

毎年5月1日から5日まで、地域最大の民俗行事“送り大師”が行われます。四国八十八ヶ所巡りに習い、地元に札所を置いて5日間で巡ってきます。柏市を中心に白井市、鎌ヶ谷市、松戸市域まで及び三十数集落が講中に参加。今年は柏市逆井区が結願区となって行事全体を仕切ります。泉区の講中役員として初日の1日、17km 余り歩いてきました。今年の結願区逆井の観音寺で出発式。700人あまりが集まりました。かつては野良道を歩いたのでしょうが、今では大師道を鉄道が横切り、札所をマンションが取り囲みます。JR常磐線柏駅すぐ近くを歩くときはやはり少し恥ずかしい。参加者の中には異国出身の方や子供たちも。もちろん、般若心経を一緒に唱えています。
2日目はわが地区の札所でお接待。「もてなし」「もてなされ」のお互いさま。

5日は結願の祭礼の行われる日。最後の5km余りを歩きます。数百メートル手前で隊列を組みなおし、稚児行列も加わります。会場となった逆井観音寺正面に建てられた御柱の白布がとられて祭礼は最高潮。観客も含め1000人近くが集まったようです。来年は松戸市金ケ作区が結願区。その先は未定とのこと。

かつてはこんな農繁期にやってと苦々しく感じていたものですが、今回、初めて行事に参加し、イメージが変わりました。農作業や田植えで忙しいといっても、これから農作業や田植えをやる人は限られた人だけになるでしょうし、ほとんどの人は大型連休何しようかしらと思うはず。
爽やかな緑の風の中、普段は車であっという間に通り過ぎるまちの裏道を旧知の人や友人たちと何を話すとはなくだべりながら一日歩く。地域の再発見の機会になります。かつては婚活の場となったり、地域紛争解決のきっかけとなったこともあったようです。宗派を問わず、参加したいものを受け入れる寛容さ。今日もてなされたなら明日はもてなす方に回るお互い様という関係性。実にジャパネスクです。

各札所での般若心経は頭の体操とともに呼吸健康法かも。全行程で百回以上唱えます。毎日歩くと「スリーデイマーチ」ならぬ「ファイブデイマーチ」健康づくりイベントのようです。今年も五日間歩けたからまだまだ元気だなんて、若さ具合を測るバロメーターになっているようなことも。
実情にあった運営方法を模索しているようですが、これからはムラ単位の講中による運営は難しいかもしれません。新しい時代には新しい価値を見つけられる気がします。“健康都市かしわ”あるいは“健康都市東葛印旛”を象徴する地域の文化遺産としても継承していきたいと強く感じました。

(2015年5月)

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