♪ピンポーン
今朝、家のチャイムが鳴った。
また宅配便が届いたのかと思い、僕はインターホンに出た。
だがそれは意外な訪問者だった。
「植木屋ですけど、駐車場の木、切りませんか?」
なるほど、植木屋さんか。
我が家の駐車場には大きな樫の木が植えられている。
2台分の駐車スペースの真ん中にドーン。
新築以来、ほとんど手入れしていない樫の木は伸び放題。
2階のベランダからの景色(といっても大した景色ではないが)を遮るぐらい、緑のワサワサは色濃く生い茂っていた。
こんな感じで。
前々から切りたかったのだが、いかんせん僕に植木屋の知り合いなんていない。
まぁ植木屋はもちろん、配管工も、左官屋も、畳職人も、そんなガテンな知り合いはいないのだが。
だから今日まで樫の木は伸び放題だったのだ。
突然訪問した植木屋さん。
これはいい機会だ。
値段を聞けば、2万円。
適正価格なのかどうかなんて分からない。
だが想像していたよりは安かった。
即決。
「じゃあ、お願いします」
なぜか群馬から来ていた若い2人組の植木屋さんは、早速作業に取りかかった。
実は今日、この樫の木を切ることには少しばかり意味がある。
この樫の木は曰く付きなのだ。
あれはちょうど1年前の夏だった。
ワサワサと生い茂ったこの樫の木を巡るある事件から、僕は元妻と大ゲンカになったのだ。
そして、そのケンカがきっかけで結果的に離婚を決意した。
詳しいことはここには当然書かないが。
離婚の引き金となった樫の木。
それからちょうど1年。
何の因果か植木屋さんがやってきた。
これも何かの巡り合わせなんだろう。
過去との決別のサイン(予兆)
そして、
何かが変わり、何かが始まるサインかも知れない。
曰く付きの樫の木は、バサバサと切られていった。
植木屋さんは非情だ。
そんなに切らなくてもというぐらい刈っていく。
約1時間後。
樫の木は、生まれ変わった。
そして僕も生まれ変わるのだろう。
さて、ちゃんと恋でもしようか。
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