そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



インサイド・ヘッド MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
クリエーター情報なし
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社


ピクサー最新作。
自宅地下4KホームシアターにてBlu-ray鑑賞。

素晴らしいアイディア、なのだろう。
ヒトの頭の中を視覚化し、「喜び」「悲しみ」「怒り」「イライラ」「ビビリ」の5人のキャラクターがその人の感情をコントロールし、彼らがそのヒトの人生を、思い出を、司っているという設定。
田舎町で育った少女が都会に引っ越してさまざまな苦難とぶつかり、大人へと成長していく過程を「頭の中(インサイド・ヘッド)」で描くというストーリー。
素晴らしいアイディアだと、本当に思うし、感心する。
……だけどひとことで言うと、僕はノレなかった。
なんというか、ノレなかったのだ。
少し理屈っぽすぎるのだろう。
この舞台設定にノレる観客にはとても面白い映画だろうが、ノレない観客はとことんノレないと思う。
僕は後者だった。
なので星2つ半。★★1/2

オモチャがしゃべり出すという「トイ・ストーリー」の設定にノレるのに、これにはノレないのはなぜだろう?
自分でもよく分からない。
なにかが決定的に違うんだと思う。

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ピープルVSジョージ・ルーカス コレクターズ・エディション [Blu-ray]
クリエーター情報なし
ファインフィルムズ


表題の件に関して。

たとえはこの映画「ピープルVSジョージ・ルーカス」。
世界中のスター・ウォーズファンたちが、エピソード1&2&3、いわゆる「新三部作」や、CGでオリジナルを改悪したいわゆる「特別編」について、不平不満と文句をひたすらぶちまけるだけの劇場公開映画。
こんな映画が作られて公開されたという事実に裏打ちされるように、はっきり言って世界中のスター・ウォーズファンの大半は(間違いなく大半)エピソード1&2&3をクソだと思っている。
ある意味「なかったこと」になっている。
最近発売されたPS4のゲームソフト「バトルフロント」では、ゲームの舞台はエピソード4&5&6だけだったりする。
それぐらい4&5&6は良くて、1&2&3は世界的にクソなのだ。

「エピソード1のダース・モールは格好いい」とか「エピソード2のヨーダは格好いい」とか「エピソード3のオープニングは格好いい」とか「エピソード3の最後のアナキンとオビ=ワンの戦いはいい」とか、映画の一部の場面をあげて擁護する人も中にはいる。
その気持ちは分からなくもない。
だが彼らは、クソ溜めの中にガマガエルが住んでいるのを見て「美しい」と言っているようなものなのだ。
全体が映画としてあまりにひどいため、場面場面のアクション性でなんとかあの3本のクソ映画を「ちょっとはいいところあった作品だよね。だってスター・ウォーズだもんね」と思い込もうとしているに過ぎない。
コスプレをしたり、オモチャに大金はたいたりと、人生の長い時間と金を浪費して愛し続けたスター・ウォーズというものが、クソであることを認めたくない……傷つけられるのがこわい……そんな自己防衛本能から、「あそこは良かった」と思い込みたいのだろう。
ある意味被害者だ。
もうこの際だからはっきり言っておこう。
いいか!
エピソード1と2と3は、何から何まで完全にクソなのだ!!


どこがクソなのか?
あげればキリがない。
だって全部クソなのだから(笑)。
俳優への演出・演技指導がなってないとか、旧三部作とのストーリー的・設定的・時代考証的つじつまがまるで合っていないとか、キャラクターたちの行動原理・モチベーションの描き方が弱いとか、アクションシーンの全てがただアクションしたいがためだけのアクションで物語的意味が完全に欠如しているとか、伏線を張って回収するという世界の映画人が100%考えるシナリオワークの基礎を分かっていないとか……
もう話し出すとキリがないのだよ、だって全てクソなんだから。

百聞は一見にしかず。
今、エピソード1&2&3のDVDを観てみるといい。
あまりにひどくて10分と観ていられないはずだ。

最近神話学の巨匠ジョーゼフ・キャンベル博士の対談「神話の力」を読んだ。
1987年になくなったキャンベル博士は生前「スター・ウォーズ」を大変評価していた人物だ。
ルーカスもキャンベル博士の神話学に影響を受けて「スター・ウォーズ」を作ったと述べていた。
そんなキャンベル博士は1985年ごろに行われたこの対談の中で(ちょうどエピソード6が公開されたあとの時期だ)、スター・ウォーズをベタ褒めしている。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が作り出したそれぞれの神話体系は、民族や地域が限定された枠組みの中での神話体系であり、それは現代のグローバル社会では対立や戦争(他者の排除)を生んでしまう。
キャンベル博士は、このグローバル化した現代には、それに変わる「全地球的な神話」が必要で、その神話が全人類に行き渡れば、新たな秩序が生まれると考えていた。
つまり、自然を敵とみなし、自分の宗派以外の他者を敵とみなすキリスト教などには否定的だったのだ。
そして、その新しい時代の神話に一番近い神話体系を持つのは、キャンベル博士によると「仏教」だった。
すなわち、自然との調和、敵を作らず、全ての生き物が等価値の生を持ち、万物流転、諸行無常という考え方。
ガイア理論(地球が1つの生命体であるという考え方)にも近い、そのような神話体系。
そんな仏教的ガイア理論的な新たな時代の新たな神話がどこかで生まれることが、人類を次なるステージに進めるとキャンベル博士は考えていた。
だからこそキャンベル博士は、映画「スター・ウォーズ」の中で描かれた「フォース」と「ジェダイ」の高い神話性を評価していたのだ。

宇宙を1つに結びつけ、どこにでも、石と石の間にも、「わしとお前の間にもある」見えない力、それがフォース。
エピソード5でヨーダはそう語っていたのだ。
その万物の間に宿る力「フォース」を操る「ジェダイ」が、世界を平和に導く。
この神話的な要素が根底にあったからこそ、スター・ウォーズはここまで世界中で愛されたのだと思う。

ところが、「エピソード1」である。
キャンベル博士が死んでしまったあとの1999年にルーカスが作った「エピソード1」。
そこで描かれた「フォース」にルーカスは、処女懐胎という古くさいキリスト教のモチーフを今さら持ち出した。
さらに、細胞の中にミディ=クロリアンという生物が共生していて、その数が多いほどフォースが強いという生物学的&科学的な根拠をフォースに与え、旧三部作でフォースという概念が勝ち得ていた「神秘性」や「神話性」を根こそぎ奪い取って否定するという始末。
天国でキャンベル博士が泣いているだろう。
「ジョージ、お前なんにも分かってねーな」と。

この「処女懐胎」という古くさいモチーフの導入、そしてミディ=クロリアンという生物学的な設定の導入……この2つを僕は「スター・ウォーズが致命的に陳腐になった最大の要因」だと思っている。
なぜか?
2つとも「パクリ」だからだ。
前者はキリスト教のパクリ。
後者はミトコンドリアのパクリ。
つまり、今現在この地球上にあるモチーフをルーカスは小学生のガキのように完全にパクってスター・ウォーズの世界に導入してしまったのだ。
バカ以外の何者でもない。
これがスター・ウォーズの世界観を一気に陳腐化させた原因なんだよ。
おいルーカス、お前が戦犯なんだよ。

まだまだ言いたいことはいっぱいあって、いくらでも書ける。
だって全部がクソなんだから。
でも今日はこの辺にしておこう。

本当にこんなことは書きたくないのだが、ジョージ・ルーカスには早く消えてもらって、エピソード456のオリジナル版Blu-rayを発売して欲しい。
これが僕のダーク・サイドだ。




追記
最近、なりすましによるネット炎上を機に一部のアンチが僕のブログの過去記事を漁っていて、この記事がランキング上位になっています。
確かに、今読むとどうかと思う過激な表現が多かったので、一部修正させて頂きました。
2020年7月21日

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エピソード7の公開が迫っているので立場上最近いろいろ取材の申込があるのだが、この際僕の立ち位置をはっきりさせておきたい。
エピソード4=別格。
エピソード5=最高。
エピソード6=合格点。
エピソード1&2&3=全部クソ。
これが僕の立場。
これは絶対にブレない信念に基づく評価。
あしからず。

エピソード1と2と3がいかにクソ映画なのかは、説明を求められば何時間でも理論的にしゃべれます。
もっと言うならば、あの3本の映画を認めている人とは(同じスター・ウォーズファンと言えども)根本的に相容れません。
言葉は悪いけれど「軽蔑」に近い感情すら覚えます。
言葉は悪いけれど「完全なバカ」だとすら思えてきます。
それが僕の立場です。
あしからず。

思えば1999年……エピソード1をマスコミ試写に招待され、六本木にある20世紀FOXの試写室で一般公開前に初めて観たときも、担当者に感想を聞かれて「これはちょっとひどい出来ですね」と答えたほどです。
スター・ウォーズに関してはどんな立場だろうとおべんちゃらは使いません。
あしからず。

エピソード7のJ.J.エイブラムス監督に期待はしています。
G・ルーカスよりは確実にいい映画を作るでしょう。
しかしJ.J.がこれまでに作ってきた作品を観る限り、実はさほど期待出来ないのも事実。
感覚的には50点〜80点の間のどこかに収まると思います。
80点を出してくれれば最高ですが。

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ターミネーター:新起動/ジェニシス ブルーレイ+DVDセット(2枚組) [Blu-ray]
クリエーター情報なし
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


ターミネーターシリーズの劇場映画の都合5作目。
ホームシアターにてBlu-ray鑑賞。

惜しい。
いやぁ惜しいなぁ。
大ヒット作の続編って大抵こうなるよね。
前作を越えようと頑張りすぎて無理が出たパターン。
観客の意表を突こうと頑張りすぎてこねくり回しすぎて映画単体としてイマイチになっちゃう。
実に惜しい、惜しすぎる。
星はせいぜい2つ半。★★1/2

導入部分は最高なのよ。
僕なんかちょっと涙が出た。
サラ・コナーの息子・人類の救世主ジョン・コナーが、カイルが過去で死ぬと分かっているのに、人類を救うために自分より若き部下のカイル(自分の父)を過去に送り出すシーン。
第1作第2作に思い入れのあるオールドファンにはたまらないスタートだ。
この導入部分だけで、星2つ半。
そのあとは実はもうどーでもよかったりする(笑)。

必死にストーリーを意外なものにしよう、どんでん返しのあるものにしようと頑張るあまり、説明が複雑になり設定がハチャメチャになり、無理がでて結果的に映画自体がひどい出来になってしまうという、典型的なもったいないパターン。
着眼点はいいんだよなぁ。
Aが過去でBを変えたから、Bが未来でCを変え、その結果Cが過去へDを送り、Dは結果Eを呼び……というタイムトラベルを使った連鎖のストーリーは面白いのよ。
だけども、ちょっとやり過ぎなわけ。
惜しいなぁ、実に惜しい。

エンドロールの途中で次回作への伏線を出していたので、まだこのシリーズ作る気まんまんらしい。
いや、もういいでしょ。
第1作の大事なヒロイズムがもう失われちゃってるのに、これを続ける意味あるのかね?

機械になったとはいえ、ジョンの父母に対する情、またカイルとサラの息子への情、その辺をストーリーに反映していないのは映画制作者としてちと片手落ちすぎるかなと思いますな。
あとイ・ビョンホンの使い方も雑すぎるし、「セッション」の鬼教師のジジイの使い方もまったくなってない。
とにかく、後半になればなるほど詰めが甘すぎてお話にならないという映画でした。

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セッション コレクターズ・エディション [Blu-ray]
クリエーター情報なし
ギャガ


アカデミー作品賞にノミネートされていた作品。
自宅地下ホームシアターにてBlu-ray鑑賞。

笑えた。
もう後半はずっと爆笑だ。
言うなれば「スーパーパワハラ爆笑熱血ムービー」。
禿げジジイの素晴らしいパワハラが終始炸裂しまくり、そのパワハラに翻弄された主人公のダメ学生が手を血みどろにしながらドラムを叩くというキチガイぶり。
禿げジジイのキャラクター造形が素晴らしいので最後まで観賞出来るが、あの禿げジジイが面白くなってくると途端に爆笑ギャグムービーに変貌する。
……あんな奴ぁいねぇよ!
ひとことで済ますなら、そういう映画だ。
星は3つ半。★★★1/2
相当いい!
笑える。

なんというか、パワハラって面白いね。
あんなパワハラをまともに受けている人は、その人自身に問題があるんだなぁ。
……と思いました。
つまりこの映画は、ファンタジーです。

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アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
クリエーター情報なし
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社


アヴェンジャーズの続編。
自宅地下ホームシアターにてBlu-ray観賞。

ひどい。
こんなに呆気に取られるほどひどい映画もなかなかない。
金をかけたウンコ。
金をかけたクソ溜め。
これだけ金をかけてよくこんな酷い映画が作れるものだと逆に感心する。
アメリカ映画界はすごい。
こんな映画なのにヒットするんだから。
星1つ。★
数年後、地球上の誰1人としてこの映画のストーリーを覚えていないだろう。

これだったらジョージ・ミラーにマッドマックスを5本撮らせたほうがいい。
金と時間の無駄だ。

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マッドマックス 怒りのデス・ロード ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
ジョージ・ミラー
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


結局映画館で7回観た。
Blu-rayでは4回観ている。
そしておそらくまだまだ観る。
そうなのだ。
間違いない。
この映画は、まさに『神』に匹敵する存在なのだ。
なにしろ無駄なカットがひとつもない。
全てのカットに意味がある。
すごい、すごい、すごすぎる。
どんな映画監督も一生に一度とんでもない映画を作るチャンスがあると言われるが、ジョージ・ミラーに関しては71歳のときにそれは起きた。
映画史上にその名を刻む大傑作、その名は『マッドマックス/怒りのデス・ロード』。
歴史が、時間が、いつか必ず証明する。
この映画がいかに偉大だったかということを。
最初はただの面白いアクション映画だと思うかもしれない。
最初はバカバカしいシンプルなストーリーだと思うかもしれない。
でも、その奥底に流れる『気』のようなものが他の映画とはまったく違う。
唯一無二の『芸術性』と『エネルギー』のようなものが他の映画とは一線を画している。
はっきりいってレベルが違うといっていい。
分からない人は、何度も、何度も、何度も繰り返して観ていくと、だんだん分かってくるはずだ。
この映画のすさまじさを。
唯一無二のとてつもない完成度を。

星5つ。★★★★★。
いや、星10個あげる。★★★★★★★★★★。
別格。

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