最近もう気になって気になって仕方ないのだ。
日本人の……それも若者たちの言葉、「のが」である。
例えば「あっちのがいい」と書いたりする。
正しくは「あっちがいい」か「あっちのほうがいい」だ。
なのにそう書かず「のがいい」ときたもんだ。
これが僕は気持ち悪くて仕方ない。
たまにナレーション原稿やテロップでこの「のが」に出会う場合がある。
そういう場合は全力で叩きつぶす。
「シュミレーション」を「シミュレーション」に直すのと同じぐらい、全力で叩きつぶす。
そのぐらい腹が立つ存在なのだ。
「あっちのがいい」とか「こっちのが悪い」とかが。
これ、勘違いしてもらっては困るのだが、「のが」が全てダメなわけではない。
「のが」を使う場合もある。
例えば古くは映画のタイトルで「お熱いのがお好き」がある。
この場合は、「お熱いの」が「お好き」であって、「お熱い」ほうが「お好き」ではないので、コレで正しい。
「熱い」などの形容詞には「の」をつけることで名詞化するという用法があるからだ。
つまり「熱いの」は「熱い」を名詞化したものだから、「熱いのが好き」で良いのである。
しかし、ここに「あっち」や「こっち」といった代名詞や、「犬」などの名詞がそもそも入った場合は、「の」をつけて名詞化する必要がそもそもないので、「あっちが好き」か「あっちのほうが好き」、「犬が好き」「犬のほうが好き」だけが正しく、「あっちのが好き」「犬のが好き」は成立しないのだ。
こんな単純な日本語の文法がなぜわからないのだろう。
ああ、書けば書くほど腹が立ってきた。
「寒いのが好き」は正しい。
「あっちのが好き」は間違い。
「夏が好き」「夏のほうが好き」は正しい。
「夏のが好き」は間違い。
「大げさなのが好き」は正しい。
「大げさのが好き」は間違い。
ふぅ。
この間違った「のが」用法を1日に二、三度は目にするのだから、たまったものじゃないのだ。
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