そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





ティム・バートンの「ダンボ」に失望していたら、友人から「ミス・ペレグリン」は良いティム・バートン作だったと聞いた。
そこで見てみた2016年のこの映画。
その感想。

うん、これは間違いなく「いいティム・バートン映画」。
星は3つ。★★★
どんな話なのかまったく予備知識なしで見たのだが、相当面白かった。
調べたら原作小説は2011年の発行だとか。
まだまだ新しい人気小説シリーズで、すでに小説はパート3まで出ていて、さらに第6作まで発行が決まっているらしい。
なんだそれハリー・ポッターじゃないかと思ったら、中身もだいぶハリー・ポッターだ。
あっちは魔法使いの物語だが、こちらは「異能者」と呼ばれる子供たちの話。
ハリー・ポッターとX-MENの合体と言えば分かりやすいか。
そこにティム・バートンのあの毒っ気と無邪気さが合わさり、何とも味わい深い映画になっている。
映画もシリーズ化されるのかな?
日本ではこの映画、鳴かず飛ばずだったけど、世界的にはかなりヒットしたらしいので、第2弾に期待したい。

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実写版の「ダンボ」。
ティム・バートン監督作。
さてどんな出来か?
公開初日にIMAX2Dで見てきたその感想。

うーん。
ティム・バートンの映画は「いいティム・バートン作」と「ダメなティム・バートン作」がある。
「バットマン」「ビートル・ジュース」「シザー・ハンズ」「ビッグ・フィッシュ」などは「いいティム・バートン作」で、「マーズ・アタック!」「猿の惑星」「チャーリーとチョコレート工場」アリス・イン・ワンダーランド」とかは「ダメなティム・バートン作」なのだが、これはどうかというと、僕にとってはダメな方だった。
星は1つ半。★1/2

元々のアニメ版「ダンボ」の話は、映画の前半3分の1ぐらいでとっとと終わってしまい、オリジナルストーリーが映画の大半を占める。
その後半のオリジナルストーリーがまったくもって無茶苦茶。
古典的なよくある話なのに、登場人物たちの行動起因となるバックボーンや感情の起因起伏などがまるで描かれていないので、当然のことながら感情移入がまったく出来ず、絵空ごとの空虚な物語がストーリーテラーの都合良くひたすら進むというお寒い展開。
ティム・バートンのダメなところが完全に出ちゃっているのだ。
だからダンボもまるで可愛く思えないし、母と引き離された悲しみも伝わってこないし、そのダンボを助けようと頑張るサーカス団員たちの動機もよく分からないし、マイケル・キートン演じる悪役がなぜそこまであくどい奴なのかも分からないし、とにかく出てくる人物の全て「なぜあんたはそういう行動に出てるんすか?」が描ききれていないので、ただもう空虚なの。
まぁファンタジーだから(子像が大きな耳で空を飛ぶって時点でリアリティなんてない)きちんとした人間ドラマなんてなくてもいいのかも知れないから別に良いのだが、だとしてももっと僕は、引き離された母象と子象の悲哀で泣きたかったし、ダンボが空を飛んだときのカタルシスで拍手をしたかったのだが、そんな感動も興奮も何もない2時間で映画は終わったのだ。
でも、ある意味これがティム・バートンでもある。
ティム・バートンは激しく当たり外れがあるのだ。
ほぼ最近は外ればかりだから、きついけどね(笑)。

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仕方ないので見てきた。
アベンジャーズシリーズの最新作。
インフィニティ・ウォーと、今度のエンド・ゲームの間をつなぐ話。
その感想。

はい、いつものマーベルクオリティ。
星は2つ。★★
ひとことで言って、しょうもない(笑)。
まぁいつものことだけど。
そもそもなんのこっちゃ分からん異星人と異星人のモメ事がなぜか地球で展開され、なんだかテンポが悪くワチャワチャする前半。
そして猫ちゃんが登場し、その猫ちゃんの可愛さだけでなんとか見ていられる中盤。
そして呆気に取られるしかない驚愕の終盤はもうただただ「お前強すぎるやん」とツッコミ続ける始末。
このくだらなさが、ザ・マーベルクオリティ。
大満足です、想像通りのしょうもなさで。
一度見たら二度と見たくないのもいつものマーベルクオリティですな。

ひとつ言いたい!
このキャプテン・マーベル、強すぎるだろ。
マイティ・ソーをも上回る強さになっている。
あれだけ強かったら、そりゃサノスも勝てんだろーよ。
エンド・ゲーム、キャプテン・マーベルの強さでサノスに勝つような話だとしたら、これはヤバイ。
DC陣営がスーパーマンの強さでインフレ&破綻が起きちゃったのと同じく、マーベルはキャプテン・マーベルでとどめ刺されるかも。
スーパーマンには弱点のクリプトナイトが存在するが、キャプテン・マーベルには今のところ弱点ないしね。
なにか弱点を設定しないと、このインフレは収まらんぞ。
キャプテン・マーベル、強すぎ問題はマーベル陣営の大きな課題となるだろう。
面白いからいいんだけど。
僕は映画の終盤ずっと「なんじゃこの強さ」と呆気に取られながら見てたもの。

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今年度アカデミー作品賞受賞作。
早めに見なきゃと思い、見てきた。
その感想。

うん、絵に描いたような良い映画。
素晴らしい役者の演技と、隅々まで考えつくされた脚本。
コメディでありバディ物のロードムービーであり、差別とLGBTなどテーマも強くてマイナス部分がない。
ただし、小粒と言えば小粒。
星は3つ半。★★★1/2
これなら「ボヘミアン・ラプソディ」が獲っても良かったような気がするし、もちろん「ROMA」でも良かったし、もはや「女王陛下のお気に入り」の方が映画の格では上のような気すらしてきて、今年のアカデミー賞は全体的に低調だったのかも、と思い始めた。
それも全て、不可解な「ファースト・マン」のノミネート落ちのせいなのだ。
あれこそアカデミー作品賞にふさわしい風格と中身を兼ね備えた傑作だったのに。
デイミアン・チャゼル、ツイてないな。
星条旗立てるシーン、つけ足せば良かったのにw

この「グリーンブック」に関して言うと、いやもう素晴らしく良い映画だし、基本的に文句はない。
だけどなんというか、「どこかで見た感じ」がするのよ。
こういう映画、たぶん過去に何十本もあるんじゃないかなぁって思っちゃうほどベタベタの良い映画なの。
つまり「うわぁそう来たか」とか「おいおい、深くえぐりすぎだろ」など感情を揺さぶられるところが殆どなくて、「うんうんそうだよね」「うん、そんな感じになるよね」という、予定調和的なもうひたすら可愛らしい小粒な黒人と白人のよくあるロードムービーなのよ。
これだったら「ボヘミアン・ラプソディ」で最後流した涙の方が僕は良かった。
まぁアレは映画の力じゃなくてクイーンの音楽の力で泣いているので作品賞獲れないってのも分かるんだけど。
なんかもうそういう意味では「女王陛下のお気に入り」の方が作品賞っぽかったかもなぁって思ってきたし。
「ROMA」はめちゃくちゃ淡々としていてぶっちゃけつまんないんだけど、あの映像の美しさと、実は画面内で起こっていることは本当に凄まじくって(凄いことを淡々と描いているので凄く見えない)、やっぱり「ROMA」にこそ作品賞をあげといて、外国語映画賞は「万引き家族」が獲れば良かったのになぁ〜とか思っちゃうんだよなぁ。

で、しつこいかもしれんが。
「ファースト・マン」なのだよ。
あれが2018年でいちばん素晴らしい映画だよ!
でも僕の友達の賛否は半々で、中には「寝た」って奴までいて「ウソだろ馬鹿」って思ってるんだけど(笑)、実際、ぜんぜん日本でもヒットしてなくて、もう打ち切り寸前になってるみたいなんだけど、あの映画こそ映画館で観て体感しないと駄目な映画で、「グリーンブック」はテレビで見ても全然問題のない愛すべき小品なの。
「女王陛下のお気に入り」と「グリーンブック」はテレビで見ても十分。
「ROMA」はもともとテレビ用だけど、これは逆に大きなスクリーンで見た方がいい奴。
で「ボヘミアン・ラプソディ」と「ファースト・マン」は映画館で観なきゃダメな奴なのよ。

まぁでも「グリーンブック」は観に行って絶対損しない、安心して楽しめるハートフルコメディです。
激しいバイオレンス描写とかもないし、ホント、可愛らしい小品って感じ。
オススメです。

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