そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



クリード チャンプを継ぐ男 [Blu-ray]
クリエーター情報なし
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


ロッキーシリーズの最新作。
亡きアポロ・クリードの息子を、年老いたロッキー・バルボアが鍛え上げる……そんなあらすじを聞いただけですでに胸アツ。
その設定だけでヒットは間違いなしな映画なのだが、さらに映画としてよく出来ているという素晴らしさ。
星3つ半。★★★1/2
ボクシングを題材に大ヒット映画を成立させたという「ロッキー」の偉大な功績を引き継ぎつつ、物語にきちんと深みを出す様々な(分かりやすい)仕掛け。
そしてシルベスタ・スタローンの演じるロッキーの「そんな人物が現実に存在しているとしか思えない」不思議なリアリズム。
映像的な仕掛け、編集、脚本、見せ方など、あらゆる要素が実は繊細に計算されていて、まったく破綻のない映画。
一度見ただけだと「なにこの淡泊な感じ?」と思う部分も実は巧妙に計算されている。
いや、素晴らしいね。
こういうのを「佳作」というのだ。
とくに最後の終わり方が素晴らしいを通り越して、もはや叙情詩を観ているかのよう。

最後、あの有名な「ロッキーのテーマ」が流れる瞬間はもう鳥肌もの。
分かっていても音楽にやられちゃう。
ロッキーシリーズを見ていた方が楽しめるけど、見ていなくても楽しめます。

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勢いで2回目を観に行ってきた。
初回は3Dで見たのだが、今回は2D。
その感想。

何だこのつまんない映画 (笑)。
1回目の興奮がウソのように全然面白くなかった。
星は2つ半に修正する。★★1/2
ごく普通の出来のSF映画だ。
もう観に行かなくていいやと心の底から思った。

初回観賞では後半の興奮のあまり全て吹っ飛んでしまったが、全編を通してツッコミどころばかり目立つ。

以下ネタバレ。








まず誰もが認めることだろうけど、前半がクソつまんない。

冒頭からしてムチャクチャだ。
少女ジンが走って逃げる。
その上空を滑空してくる帝国軍の船。
もうあの時点で普通見つかってるだろジンは(笑)。
なのにジンを素通りして、さらに山の向こう側まで回り込んだのかどうか知らないが、着陸するのにやたら時間がかかる帝国軍の船。
いやそれ以上に、よくあれだけの距離走れたなってぐらいジンはあっという間に自宅に到着する。
さらに、ゲイレン家からそんなに遠くに停めなくてもいいのに、随分遠くにわざわざ船を停める帝国軍。
このように冒頭から「何だか都合がいい感じ」で始まるこの映画。
その後目まぐるしくいろいろな惑星で話が進むが、この映画、実はこれまでのスター・ウォーズシリーズの中で初めて惑星の名前を「字幕表記」している。
今までは一度も画面に惑星の名前を表記してこなかったスター・ウォーズシリーズの不文律をスピンオフだという理由で破ってきた。
その辺も2度目見たらふと気付いて「何だかなぁ」という気持ちになる(スター・ウォーズお馴染みのワイプも今回は使っていない)。

交易地とかなんとかいう場所でトルーパーから逃げ出す方法が壁を登るだけ……?
タコみたいなモンスターに記憶を探らせたらフヌケになるはずが、あっさりとまともに戻り……?
仲間が親父さんを暗殺する気配を察知してそのあとを追ったジンが、なぜかそいつを止めに行かず親父のいる場所までハシゴを登る……?
最新ハイテクの設計図倉庫のはずなのに、なぜか取り出す方法は手動……?
ジンが設計図を盗みに来るかどうか分からないのに父ゲイレンは「スターダスト」というコードネームで設計図を保管して、それを都合良く発見する展開。
そんなこといったらそもそもゲイレンの立場だったら設計図を盗んでパイロットに渡して脱出させれば良かったわけだし、生きているか死んでるか分からない娘に対してホログラムでメッセージを送るのもよく分からんと言えば分からん。
後半の戦闘シーンだって、あんなに強かった盲目の中国人が最後は突然の念仏頼り……?
あんなに強かったその相棒が最後はあっさりと爆死……?
あんなに必死に奪ったデス・スターの設計図を最後は手渡し……?
ターキンも最後思い切ったもんだ、帝国のあらゆる建物の設計図全部が納められた施設を施設ごと破壊……なぜ?(笑)
しかも仲間の帝国軍兵士がまだたくさん生き残っているのに、施設ごと破壊……なぜ?(笑)
などなど、細かい突っ込みポイントを挙げていったらキリがない。

初回観賞時は後半の戦いで誤魔化されてしまったが、2度目では誤魔化されない。
いちいち細かいところで破綻しているご都合主義SF映画だった。
人がガンガン死んでいくので純情な観客はダマされて感動してしまうのだろう。

僕は、SFだったりアニメ作品だったら普通の映画よりなおさら「なぜこの登場人物はこの行動を取るのか」とか「なぜこの時代にこれはこのような仕組みなのか」といったリアリティの担保を、現代を舞台にした映画なんかよりいっそう注意深く粗がないように計算しなければならないと思うタチなので、筋の通らない脚本や設定に違和感を感じるのだ。

最後に抱き合って死ぬ男女。
安いよな。
ホント安いドラマだよ。
「エイリアン2」のラスト近く、手榴弾で自爆する男女の描写の方が100倍泣ける。
なぜか?
あの2人があそこで死ぬ……そこに至るまでの感情の流れがきちんと作れていないからだよ。
脚本の基本すらなってない。

残念。
何度も見れるほどのレベルには全然達していない凡作だということで、僕の中では結論付きました。

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ディズニーにスター・ウォーズは売却された。
そしてディズニー主導によるスピンオフ作品がガンガン作られていく。
そのガンガンスピンオフの第1弾。
正直言うと「もうどうでもいいや」という気分だった。
これ以上スター・ウォーズをレイプされてもなぁ〜という気持ちだった。
一応1回ぐらい映画館で観てみるかぐらいの気持ち。
その感想。

いかーん!
激アツじゃないかっ!
これは激アツとしか言いようがないっ!
一般の観客がどう思うかはまーーーったく分からない(笑)。
だが僕のようなエピソード456こそ神映画(逆に言えば456以外は全部クソ)として崇めている生粋のオールド&ディープなスター・ウォーズファンにしてみると、今回の映画はあまりにもアツイ!
映画としては星3つ。★★★
前半があまりにも退屈だし、ストーリーには中身なんて何もないから。
だがクライマックスの戦いだけを切り取って、そこへのファン目線だけで採点すれば、もう星5つ。★★★★★
激アツだっ!
久々に映画館で「おおおっ!」と身を乗り出したぞ。
「うおおおぉぉぉっっ!こう来たかぁ〜!」となり、「うぉぉぉぉっ、この監督良くわかってんなぁスター・ウォーズがっ!」と大興奮だ。
とにかく20年ぶりにちゃんとしたスター・ウォーズを観た気がする。
最高だ。
ファンとしてだ。
ファンのための激アツムービーだ!

ふと冷静になる。
これ一般の観客は大丈夫なのだろうか?
軽く昔スター・ウォーズを見たことがあるぐらいの観客は、ポカーンではないのか?
ましてやスター・ウォーズは今回が初めてという観客がこれをどう思うのかは全くわからない。
少なくとも、エピソード4「新たなる希望」だけでも観ていないと、分からないことだらけだろう。
いやそんなこと言ったらエピソード6「ジェダイの帰還」も観ておかないとダメだ。
いや待て、と言うことはエピソード5「帝国の逆襲」も観ないと意味が分からない。
というわけで、観に行くならエピソード456を観賞してからのほうがいいのだが、そんな映画もキツイ。
今回初めてスター・ウォーズを観たという観客の皆さんに感想を聞きたい。
ありなのかコレは?
なしだろうな(笑)。
そこそこ楽しめる普通のSF娯楽映画だろう。
まぁそれでいいと言えばいいのだが。

ディープファンの間にも賛否はあると思う。
これがスター・ウォーズだという人と、こんなのスター・ウォーズじゃないという人がいる。
実は僕にも不満なところはたくさんある。
でもクライマックスのバトルがそれらの不満を全て吹き飛ばしてしまうのだ。
これはつまり、僕があまりにも熱烈な旧三部作ファンだからだろう。
逆に冷静なファンは「何じゃコリャ」とさめた目で見てしまうかも知れない。


以下ネタバレ。






モフ・ターキン。
素晴らしかった。
ターキンが出てきたところで「おおっ」という興奮が静かに始まる。
そしてクライマックスの宇宙戦。
反乱軍大艦隊がやってきたところで完全にスイッチが入った。
昔「ジェダイの復讐」(当時の邦題)で観たエンドア上空の宇宙戦と同じような興奮が、今の最新CGで甦った。
しかもこのギャレス・エドワーズ監督は相当なスター・ウォーズオタクなのか、戦闘機の飛ぶスピード、カメラワーク、攻撃方法など、いちいちスター・ウォーズしているのだ。
「エピソード7」のXウイングは飛ぶスピードが速すぎてペラペラの紙飛行機にしか見えなかったが、今回のXウイングはまさに昔見たスター・ウォーズのXウイングにしか見えない。
そしてゴールド・リーダー、レッド・リーダーの昔の映像をコックピットにはめ込むファンサービス。
一般の観客には絶対分からないだろう。
あれは1977年の映画に登場した人物を合成しているのだ。
さらに宇宙戦と平行して描かれる地上戦のあの感じ。
カットバックのテンポも「ジェダイの復讐」を忠実になぞっている。
いやもう素晴らしすぎて前のめりだったよ。
「これこれ、コレが観たかったんだー〜〜〜〜っ」と心の中で叫んでたわ。
そのぐらい激アツだ。

個人的な不満点は、3点。
まずは音楽。
もう少し印象に残るような音楽を作ってくれ。
今回作曲された曲はなにひとつ印象的なものがない。
悲壮、かつメロディアスな泣けるテーマ曲をローグ・ワンのメンバーたちに捧げて欲しかった。
ジョン・ウイリアムズを継ぐものは現れないのか?
スター・ウォーズは音楽が5割ぐらい占めている。
ジョン・ウイリアムズ級の天才作曲家が出て来ないと、この先も期待出来ない。

2点目は、人が順序よく死にすぎなところ。
個人的に「順に1人ずつ死んでいく感じ」は好きじゃない。
なぜなら「死」が軽くなっていくから。
1人1人の死が軽すぎてどんどん泣けなくなっていくから。
ギャレス・エドワーズ監督は「七人の侍」に影響を受けたとインタビューに答えていたが、「七人の侍」に習うなら、最後男女2人だけで海岸で抱き合って死ぬのは違う。
満身創痍の20人ぐらいのローグ・ワンの仲間たちが覚悟を決めて死んだ方が僕は泣けた。
あるいはジンが一人ぼっちで死んだ方が僕は泣けた。
どうしてもハリウッド映画は最後の最後に男女の話をやりたがる。
「かの国は……」と「シン・ゴジラ」の大杉漣みたいにため息つきたくなるわ(笑)。

そして最後の不満はなんと言っても「レイア問題」。
最後に出てくるレイアだが、まず第一に、あんな戦闘のさなかに反乱軍旗艦の下部ドックにブロッケードランナー(船の愛称)を停泊させてデス・スターの設計図を受け取るだなんて、あまりに危険すぎる作戦で現実味なさ過ぎ。
というか馬鹿すぎ。
実際ヴェイダーがギリギリまで迫っていたわけで、脱出出来たのはただ運が良かったとしか思えないあの描写は根本的にダメ。
さらに言うなら、レイアはあのあと「エピソード4」冒頭でヴェイダーの船にブロッケードランナーを拿捕され、ヴェイダーに対して「これは外国使節団の船であり、私は大使としてオルデラーンに向かっている」としらを切るが、今回の映画のラストであそこまでヴェイダーにバッチリ船影を目撃されていてはレイアのウソが白々しすぎてバカのようである。
逆に言えば、ヴェイダーの追求も弱腰に見えてしまう。
「私はお前の船を見た」ぐらいの台詞が欲しくなってしまうので、キツイ。
つまり、レイア(と彼女を乗せたブロッケードランナー)はあの戦闘域ではなく、遠く離れた場所で待機していて、旗艦からのデータ送信を受けてオビ=ワンの待つタトゥイーンに向かうべきだったのだ。
最後の最後で今回の映画は、辻褄が合わないレイアの描写をしでかしてしまった。
実にもったいない。

まぁ他にもいろいろ不満点だらけなのだが、Blu-rayを買っても一度も観ていないエピソード123&7と違い、これに関しては最後の宇宙戦だけは何度もBlu-rayを観ることだろう。
それだけで僕にとっては十分嬉しいことなのだ。

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めまい [Blu-ray]
アルフレッド・ヒッチコック
ジェネオン・ユニバーサル


ヒッチコックの名作。
おそらく35年ぶりぐらいに観た。
まったく内容は忘れていた。
その感想。

僕が生まれる10年も前の映画とはまるで思えない。
すごくよく出来ているし、斬新にすら感じるし、画がいちいち美しい。
そう、とにかく映像がずっと美しいので嬉しくなってしまう。
陰影をきちんと強調して映す昔のカメラマンと照明さん。
いいぞ、ブラボー!と叫びたくなるほど。
それに加えて主演女優キム・ノヴァクの美しさたるや!
謎解きに関してはあまりにも古典的なトリックなので早々に見抜けてしまうのだが、キム・ノヴァクのとんでもない魅力が全てを凌駕していて、最後の最後まで目が離せなかった。
星3つ半。★★★1/2
さすが2012年の英国映画協会発表『世界の批評家が選ぶ偉大な映画50選』の第1位に選ばれただけの作品である。

出来ればハッピーエンドで終わって欲しかったが、まぁこのストーリーでは無理だな。
それにしてもキム・ノヴァクよ。
美しかった。
ちなみに今年83歳になる彼女は整形のしすぎで化け物のようになっている。
現在の御姿は見ない方が賢明です。

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