そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



サニー 永遠の仲間たち デラックス・エディション Blu-ray
クリエーター情報なし
TCエンタテインメント


だいぶ前に一度観ているのだが、ここに感想を書いていなかったので。
韓国の大ヒット映画「サニー」。
現在、日本でリメイクされた映画が上映中。
そちらは観ていないが、まぁオリジナルを観ておけばこういう場合だいたい事足りる。

「サニー」といえば往年の名曲で、いろんなアーティストにカバーされ、とくにボニーM版が有名だと思うんだけど、その名曲「サニー」をベースに韓国の現在と80年代の女子高生時代を平行で描いたガールズフッドものがこれ。
ガールズということでシンディ・ローパーの曲を上手に使い、こうなんというか80年代を生きた者たちの共感を呼ぶ映画になっている。
とんでもない名作だし、韓国映画の懐の深さを知れる。
星は3つ。★★★
なんというか甘酸っぱいし、ほろ苦いわけですよ。

個人的な不満は(少しネタバレになるけど)、顔に傷を受けてしまった美少女スジがその後どうなったかが一切分からないところかな。
まぁ、脚本上あえて伏せている部分なんだろうけど、気になりますよ。
そこにもうひとドラマ盛り込んでいてくれたら、満点でした。

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ショーン・オブ・ザ・デッド [Blu-ray]
クリエーター情報なし
KADOKAWA / 角川書店


まだまだ日本では「カメラを止めるな!」ブームが続く秋だが、当初から「カメラを止めるな!」と並ぶゾンビ映画の傑作として各所から名前が挙がっていた2004年のイギリス映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」。
そんなに面白いのかと、ようやくBlu-rayで観賞。
その感想。

うーん。
僕はこの感じの映画が合わない。
星は1つ半。★1/2

映画の前半、建て込みの部分はとても良い。
イギリスの日常の中、忍び寄るパンデミックの影。
主人公たちはそんなことに気付かず、コメディタッチで伏線が次々と張られていく。
観ていると伏線回収への期待値がどんどん上がっていく。
登場人物は主人公を含めてよくいる欧米のハチャメチャ馬鹿野郎パリピキャラ設定ばかりなのだが、それも良い。
そう、ゾンビが実際に主人公たちを襲い始めるまでは良かったのだ。
ところが、である。
実際にゾンビの襲撃が始まると、案外それがマジのゾンビで、噛まれると死んでゾンビになって生き返るという設定はロメロのゾンビそのままだし、頭を切断するか脳みそを吹き飛ばす以外にゾンビは止まらないというのもいわゆるゾンビものの定番。
それはそれでいいのだけど、ゾンビの襲撃が始まっても主人公たちは相変わらずバカで、馬鹿な行動をしたせいでゾンビに食われるといういつものパターンが踏襲され、韓国映画「新感染」で感じたのと同じイライラにさいなまれて、「とてもじゃないけど観てられんなこのバカたち!」って気持ちに中盤以降なってしまった。
こういういわゆるバカな登場人物が出てきて、足を引っ張る映画を良しとするか嫌いなのかは人それぞれだろう。
僕はバカが出てくると途端に醒めるタイプなので、この映画は後半だいぶキツかった。
だってみんなバカなんだもん。
相手はゾンビだっつーの。
なんで素手で普通に立ち向かうのか?
噛まれたら終わりなのになぜそんなに無防備でいられるのか?
意味が分からない。
リアリティがない。
ゾンビ映画にリアリティを求めるのはどうかという意見もあると思うが、「ゾンビという大ウソ」を付いているからこそ、それ以外の部分ではリアリティにリアリティを重ねないと観ていられない絵空ごとになっちまうよ、と僕は常々思っているし、このブログでも言及してきた。
同じことがこの映画には起こっている。
「カメラを止めるな!」は、あくまでリアルにゾンビの発生した世界ではないという設定だし、その上登場人物に馬鹿は1人もいないので、あれほどの傑作になったのだとも思う。

うん、とにかく、この作風が僕は嫌い。
よく考えたらサイモン・ペッグの映画、基本的にあんまり面白いと思わないんだよね。
感性が合わないんだと思う。
これがすごく好きだという人の気持ちはまったく分からないけど、そういう人がいるのも世の中だと思っています。
人の感性は多様だからね。

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ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 ブルーレイ+DVDセット[Blu-ray]
クリエーター情報なし
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン


スピルバーグが「レディ・プレイヤー1」の製作途中に、反トランプ政権の思いに駆られ、ふと思い立って急ピッチで作ったという映画。
メリル・ストリープとトム・ハンクスの共演。
AppleTVのレンタルで鑑賞。

いやぁ素晴らしかった。
名優2人の安定感たるや。
そりゃアカデミー賞の作品賞にノミネートされるわけだ。
今これを作らなきゃ、ということでなんとスピルバーグ、この映画を撮影開始から仕上げまで半年以内で作っている。
スピルバーグ史上、最短で作られた映画だ。
まずその仕事の凄さに驚くし、映画としては水準以上の出来だし、アメリカの闇が浮き彫りになるし、なによりこの映画を観て思うのは、今の安倍政権と日本のマスコミ(新聞社・テレビ・雑誌等)との向き合い方に対する問題定義として実に時代性があるということ。
まさに報道の自由とは何か、報道する権利、報道の意義を問うものになっている。
報道に携わるマスコミ人はこの映画、全員見るべきだろう。
星3つ。★★★

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映画館で観てきました。
くまのプーさんの実写版。
その感想。

この映画、オープニングの数分がいちばん泣けます。
子供時代のクリストファー・ロビンとプーたちの別れの場面から始まるんだけど、とにかくそこで泣いた泣いた、泣きはらしたね。
これはね、もう仕方ない。
卑怯だけれど、仕方ない。
いいものは、いい。
純粋なものは純粋にいい。
そういう映画でした。

そのあとの本編では大人になったクリストファー・ロビンとプーたちの物語がまぁ展開されるんだけれど、これがもう想定内中の想定内。
大人になってからのストーリーは正直言ってそんなに泣けない。
なぜなら本当の意味での純粋無垢なものを大人になったクリストファーは失ってしまっているから。
それが大人になった観客の自分自身がいちばんよく分かっていて、!00%子供の頃の自分に戻れないという悲しさで泣ききれない。
それをプーもどこかで分かっていて、プーすら大人になったクリストファーに忖度し始めるあたりでもう違う悲しさがこみ上げてきて、泣く前に虚しく切なくなるという映画。
星2つ半。★★1/2

あと、プーさんはそもそもクリストファーの脳内にだけ存在する「動くぬいぐるみ」だったはずなのに、他の大人たちにも普通に見えてしまう後半は、全くもって余計。
設定が完全に崩れている。
それではもうプーさんではなく、テディベアが動く映画と一緒だ。

つまり、オープニングの数分が珠玉。
プーさんの原作本を早速Amazonで注文しました。
答えはあの原作の中にあるんでしょう。

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マーベル最新作。
劇場で観てきました。
その感想。

はい、マーベルさんは通常営業。
退屈せずに楽しめる娯楽映画。
それ以上でも以下でもなく(笑)。
大きくなったり小さくなったり、量子の世界まで極限的に小さくなったりと、もう何でもありの荒唐無稽祭り。
前作「アントマン」と「アベンジャーズ/シビルウォー」の設定を引き継いでいるので、この2作はあらかじめ観ておいたほうが吉。
僕は観ていなかったので忘れていることが多く、映画の前半とくに「この人なんだっけ?」「これ何の話してるんだっけ?」が頻発した。
まぁでも、フラッと見ても損はしないまさにポップコーンムービー。
最後に「インフィニティ・ウォー」への伏線も。
星2つ半。★★1/2

上映前に「エンドクレジット後にも映像が流れます。最後までお楽しみ下さい」って字幕が出るんだけど、あれ必要か?
その結果、観客誰1人立つことなくエンドクレジットを最後まで見続けていたが、その結果、見られた映像が「アレ」だけよ(笑)。
帰っても良かったわい。
そこだけ最後の最後に「なんじゃそりゃ」と思ったね。

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三谷幸喜「大空港2013」
クリエーター情報なし
メーカー情報なし


「カメラを止めるな!」の余波で、三谷幸喜のワンカットドラマを2本観た。
Amazonプライムに入ってる人はただで観られるのでぜひ観て欲しい。
「Short cut」という中井貴一と鈴木京香のほぼ2人だけで山道ワンカット110分のドラマと、「大空港2013」という竹内結子主演のワンカット群像劇100分の2本だ。

「Short cut」は山道を2人で進んでいくワンカットで凄いのだが、いかんせん長いし、途中ダレる。
登場人物が全部で3人だけなのが原因で、脚本に無理矢理感が生まれていて、とても惜しい。
ただし、最後の最後でクレーンカットになるのは「カメラを止めるな!」の元ネタだと思う。
このとんでもないワンカットドラマを成立させている役者陣とカメラマン始めとするスタッフに敬意を払いたい。

そしてもう1本の「大空港2013」。
こちらは素晴らしかった。
松本空港を舞台に、ワンカット100分のコメディ群像劇が展開するのだが、主要登場人物が10人ぐらいいるかな。
エキストラを入れたらもっと多いのだが、これが全て狂い泣く、スタッフの見切れもなく、ワンカットで芝居を続けるという奇跡的な1本。
「カメラを止めるな!」の冒頭37分も素晴らしいが、こちらもむ負けていない。
むしろプロのスゴ技という意味では、こちらが上だろう。
竹内結子や香川照之の芝居に加え、その他全員が100分ワンカットの緊張感の中、完璧に全てを演じきると言う感動(2ヶ所噛んじゃう役者さんがいたけどそこはご愛敬w)。
これは必見の作品だと思う。
「大空港2013」、星3つ。★★★
竹内結子、見直した。
そして香川照之はやはり凄い。
生瀬勝久とオダギリジョーも頑張っている。
三谷幸喜作品では安定の梶原善。
懐かしの青木さやかとか。
うん、すごいワンカットだった。

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