そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





以前から「良い」「良い」と噂に聞いていた広瀬すず主演の映画「ちはやふる」三部作。
年の瀬の夜、AppleTVで3本レンタルしてイッキ見した。
その感想。

うん。
確かに良かった。
三部作まとめて星4つ。★★★★
これは久々に(「桐島、部活やめるってよ」以来の)素晴らしい青春作。
脚本監督を務めた小泉徳広というまだ38歳の若き映画監督は日本映画界の至宝になると思う。
そのぐらい素晴らしいバランス感覚の良き映画だった。
ブラボーとしか言いようがない。

もちろん広瀬すずのアイドル映画ではあるのだ。
そして少女漫画が原作のコミック映画化作品でもあるのだ。
だとしても、だ。
アイドル映画の泥臭さになるギリギリ一歩手前で踏みとどまり、コミック原作映画の陳腐さになるギリギリ一歩手前で踏みとどまり、映画館で観る映画作品としての納得度をきっちり担保するこの手腕。
素晴らしいとしか言いようがない。
全てを描ききらずに余韻を持たせる脚本と演出の妙が冴えまくり、行間を観客に補完させて物語の奥行きを持たせるあたり、もう素晴らしいとしか言いようがなく、三部作を見終わったあとに、「うん、これは原作コミックを読まなくても大丈夫だ」「たぶん、これがこの物語の全てを描ききっているのだろう」と思わせる説得力を持ち、物語に完璧に輪を閉じることに成功しているという点で、非常に希有な傑作と言えると思う。
おそらく(他の出演映画をあまり見ていないので断言は出来ないが)広瀬すずという若き女優の人生を通じた最も大切な代表作となる映画がこの三部作なのだろう。
そう思わせるぐらい、まさに1ミリの隙もなく構築された素晴らしい物語だった。
あっぱれ。
ブラボー。
素晴らしい。
この監督の次の作品に大期待だ。
まだまだ伸びしろがあるかも知れない。
うん、2018年の年の瀬にいいものを見させて頂きました。
ありがとう。

コメント ( 0 ) | Trackback ( )




タクシー運転手 約束は海を越えて [Blu-ray]
クリエーター情報なし
TCエンタテインメント


2017年の韓国映画。
アカデミー外国語映画賞に韓国代表として出品された作品(選出はされなかったが)。
1980年に起きた光州事件をテーマに扱っている。
その感想。

これはね、事実をベースにしていると知らなかったので衝撃だった。
光州事件については調べてもらえばいいと思うので割愛するけど、なかなかのエグイ事件で、日本で言えばなんだろう、東大安田講堂事件とか、あさま山荘事件ぐらいの感じかな。
ただ死者が154人も出ているので、あさま山荘とも東大安田講堂とも比べものにはならない。
そのとんでもない大事件を、この映画、コメディであり、父娘ものであり、バディムービーであり、そしてなかなかのアクション映画になっていくという怒濤の展開を見せ、まぁ、凄い。
映画としてはイマイチなのだが(特に脚本の詰めが甘く……さらにいつものように韓国映画特有のギャグセンスに食傷してしまうのだが……)、ベースが実話だし、映画後半は激アツで、マッドマックス的展開を見せるあたりとか、なかなか面白かった。
星は3つ。★★★
前半異様にかったるいけど、見て損はしないです。

コメント ( 0 ) | Trackback ( )




お熱いのがお好き [Blu-ray]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


マリリン・モンローの映画をちゃんと観るのは初めてかも知れない。
勝手に「セクシーでバカ」みたいなイメージを持っていたけど、それが覆った。
トニー・カーティスとジャック・レモンとトリプル主演作。
その感想。

なんと言ってもモンローだ。
この女優さんの迫力というか、なんとも言えない色気というのは、時代が変わっても感じ取れる。
演技は上手いし、想像していたよりももっと肉感的というかムチムチしているし、目が若干ロンパリ気味なのも魅力なんだろう。
あとで調べたらこの映画の撮影中モンローはトラブル続きで、遅刻するわ、楽屋から出て来ないわで、大変だったらしい。
しかも撮影中に妊娠していたようで、どおりでお腹のあたりがポッコリしていたけど、可愛いのは間違いない。
時代を超えて語り継がれるスターって言うのはやはりそれなりに凄いんだなぁと思った。
映画としては無茶苦茶だ。
お話は無茶苦茶だし、大オチも無茶苦茶だし、モヤモヤしか残らない終わり方なんだけど、マリリン・モンローが出ているから観ていられるといった類の映画だった。
星は2つ半。★★1/2
他のマリリン・モンローの映画も観てみようっと。

コメント ( 0 ) | Trackback ( )






今度の米国アカデミー賞。
是枝監督の「万引き家族」と外国語映画賞を争うだろうと言われているのが、この「ROMA/ローマ」だ。
監督は「ゼログラビティ」のアルフォンソ・キュアロン。
Netflixで観られるので、観てみた。
その感想。

これはね、難しいよ。
全編モノクロの映画で淡々と日常の風景が描かれ、全てのシーンが絵画のように美しいんだけど、面白いか面白くないかで言えばまるで面白くない映画で、最後の最後まで(ある意味)なにも起こらないまま「えっ、コレで終わり?」って思う映画。
1970年代のメキシコが舞台のメキシコ映画で、白人の家族に雇われている住み込み家政婦のメキシコ人女性が主人公なんだけど、その彼女がいろいろと不平等なことや不条理なことや裏切りなどに遭いつつ、それでも折れることなく黙々と働き続け、そして最後にとんでもないワンカットの(ある場面)があって、そして初めて心の中を吐露するという……こうやって書くととても良い映画みたいだけど、とても良い映画の顔はしていない、淡々系日常映画だったりするという不思議な映画。
ベネチア映画祭で金獅子賞を獲ってます。
うん、凄いんだけど、凄い顔をしていないという、退屈な映画でした。
星は難しい。
僕は2つ半。★★1/2
でもこういうのがアカデミー賞獲りそうだなぁ。
「万引き家族」は負けちゃうかも。





コメント ( 0 ) | Trackback ( )