そこそこの放送作家・堀田 延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこの映画のブログ。
人生そこそこでいいじゃない



バンド・ワゴン [Blu-ray]
フレッド・アステア
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


「ラ・ラ・ランド」がオマージュした過去のミュージカル作品。
続いてはフレッド・アステアの最高傑作と名高い「バンド・ワゴン」。
もちろん初めて観た。
その感想。

うーん、評価は「巴里のアメリカ人」と一緒ぐらい。
いや、ちょっと落ちるかなぁ。
星2つ半。★★1/2

「ラ・ラ・ランド」のLAの夜景をバックにした2人のダンスシーンは、この「バンド・ワゴン」のNYセントラルパークでのダンスが元になっているらしいんだけど、そこは素晴らしい。
でも物語全体について言うと、大筋があまりにザックリしすぎていて、何が面白いのか分からない展開も多く、ギャグもスベり気味で(というか現代の日本人には分からないギャグが多いのかも知れない)、なんとも見ていて苦痛な映画だった。
いや、苦痛は言い過ぎかな。
何をやっているのかよく分からない、という感じだ。
おそらく当時の観客たちと今の僕では映画に求めるもの、映画の方程式、公式、基本、定石、などなどが異なっているのだろう。
違う時代のものを観ているのだ、という感じがものすごく強い。
古語で書かれた夏目漱石の「吾輩は猫である」がイマイチ入ってこない、みたいな感じか。
ただし踊りのキレはすごい。
マイケル・ジャクソンが「スムーズクリミナル」の元ネタにした最後のダンスシーンとかすごいぞ。

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シェルブールの雨傘 [Blu-ray]
ジャック・ドゥミ
Happinet(SB)(D)


「ラ・ラ・ランド」がオマージュしたミュージカル。
今回は1964年フランスのミュージカル「シェルブールの雨傘」。
有名な主題歌はもちろん聴いたことあったけれど、初鑑賞。
その感想。

さすがカンヌ映画祭グランプリ。
素晴らしい。
50年以上前の作品とは思えない。
星4つ半。★★★★1/2

全編歌だけで進み、セリフがひとつもないという思い切った形式にまず驚嘆。
まぁ歌と言うよりはメロディにセリフを載せているという感じの部分も多いのだが、90分ずっと歌う。
最初はもちろん違和感があるのだが、だんだん気持ちよくなってくるから不思議。
この「全編ずっと歌うミュージカル」という部分でもう星3つ。
さらにストーリーのなんとも言えないスタンダード感と寓話感、強烈なラストシーンでさらに加点がグングン伸びる。
まさに「ラ・ラ・ランド」のラストシーンと同じく、ハッピーエンドでありアンハッピーエンドである大人の結末が涙を誘う。
人生とは、ままならぬものであり、後戻りが出来ないものなのだよ……そのひとことに尽きる。

まだ20歳ぐらいでデビューし立てみたいなカトリーヌ・ドヌーブが大女優の貫禄で魅せる。
こんな名作でドーンと世に出たら、そりゃ大スターになるよ。
素晴らしい。

こうして「ラ・ラ・ランド」をきっかけに過去のミュージカルの名作をいろいろ見てきたが、あらためて2016年に過去の名作ミュージカルへのオマージュを外連味なくやってのけた「ラ・ラ・ランド」の素晴らしさが際立ってきた。
デイミアン・チャゼルおそるべしである。

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ニューヨーク・ニューヨーク [Blu-ray]
マーティン・スコセッシ
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


映画評論家の町田智浩氏によると「ラ・ラ・ランド」の元ネタである本作。
主題歌はとても有名なので誰もが聴いたことがあるはず。
映画は初見。
その感想。

たしかに「ラ・ラ・ランド」の下敷きになっているのだろう。
ニューヨークを舞台にしたジャズマンと歌姫の恋。
しかし「ラ・ラ・ランド」とは明確に違い、甘くないことこの上ない。
「ラ・ラ・ランド」が甘い恋の夢を見せてくれるお話だとしたら、こちらはシビアな現実をどんどん突きつけてくる。
ロバート・デ・ニーロ演じる主人公のジャズピアニストが短気で横柄で性格が破綻していてまるで感情移入出来ない。
ライザ・ミネリ演じる主人公の歌姫がいかにもバカ男に引っかかってしまったバカ女丸出しでまるで感情移入出来ない。
そんな感情移入出来ない2人が激しく愛し合い、激しくケンカし、別れていく。
その過程が観ていてまーーーっっったく面白くない。
不愉快でしかない。
そんな映画だった。
星2つ。★★

ただしマーティン・スコセッシの狙いは分かる。
そういうムチャクチャな男女の現実を描いたのだろう。
現実の世の中に「ラ・ラ・ランド」のような素敵な恋愛はない。
もっといろいろな現実や虚構が渦巻いているのだ。
そういう意味で、この映画のラストシーンだけは(構造は「ラ・ラ・ランド」と同じだが)「ラ・ラ・ランド」を遥かに越えると思う。
これがシビアでリアルな現実の恋の終わりだという意味に於いて。
すごく重いラストシーン。
興味ある人は観て確かめて下さい。

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雨月物語 4Kデジタル復元版 [Blu-ray]
溝口健二
KADOKAWA / 角川書店


溝口健二の代表作。
ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞。
初めて観た。

うーん。
星2つ。★★
これのどこにマーティン・スコセッシがやられたのか。
これのどこが史上最高の映画100本の第16位なのか。
これのどこが「オールタイムベスト100日本映画編」の第10位なのか。
まーーーーーーっったく、分からない(笑)。

ひとことで言えば「とっ散らかっている」。
そして「期待していたのと違う」。
よほどの名作だと思っていたので、観終わったときに「こんなものか」という思いしかない。
いや「こんなものか」どころか「超駄作じゃん」って感じ。
ところどころ芸術的な感じは出してくるのだが(撮影とか照明とか)、それだけでしかない。
黒澤明の作品の方が映画としてはよほど素晴らしい傑作だらけなのだが。
溝口健二って、どうなの?
そんなにすごいか?

……疲れたので寝る。
ヌーベルバーグってやっぱりよく分からないわ。

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巴里のアメリカ人 [Blu-ray]
ジーン・ケリー
ワーナー・ホーム・ビデオ


昨夜に引き続き1950年代ミュージカル。
アカデミー作品賞も獲ったという「巴里のアメリカ人」。
その感想。

なるほどこれが「ラ・ラ・ランド」の最後の8分間の元ネタか。
ラスト20分ぐらいに渡って「ラ・ラ・ランド」と同じ構造のダンスが展開される。
正直言って「雨に唄えば」の方が脚本も演出も洗練されていて、こちらは映画としては脚本も演出もイマイチだし、ストーリーには大きな欠陥があるのだが、最後の20分間の見せ場でその全てが吹っ飛び、その直後に描かれるハッピーエンドが(「ラ・ラ・ランド」とは違い)一点の曇りもないハッピーエンドなので思わず感動してしまった。
最後の20分間で星3つ。★★★

ジーン・ケリーの神懸かったダンスのキレに対し、相手役の女優さんレスリー・キャロンがどうにも固い。
踊っているときの身体、表情、どちらも固くて、ジーン・ケリーの凄さをある意味引き立てる。
調べたら、バレリーナだったときにジーン・ケリーに見出されて、この映画でデビューらしい。
そりゃ固くもなるわな(笑)。
その後もいろいろな映画で活躍しているようなので、次第に固さは取れたんだろう。


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雨に唄えば 製作60周年記念リマスター版 [Blu-ray]
ジーン・ケリー
ワーナー・ホーム・ビデオ


「ラ・ラ・ランド」にすっかりやられてしまったので、オマージュ作品のひとつ、ハリウッドミュージカルの代名詞「雨に唄えば」を鑑賞。
実はこの映画、今までちゃんと見たことがなかった。

素晴らしい。
星4つ半。★★★★1/2
こんなにすごいミュージカル映画が僕が生まれる遥か前の1952年に作られていたとは……
主演のジーン・ケリーの歌と踊りのド迫力がすごい。
ライアン・ゴズリングなんか足もとにも及ばない本物のプロのダンス。
デビー・レイノルズの歌と踊りも、エマ・ストーンなんか足もとにも及ばないレベル。
あまりに素晴らしくて、泣けた。
うん、とにかく超一流の踊りとダンスのキレが最高。

ストーリーが浅くて、後半よく分からないところがあったりするので、星5つにはしなかったが、ある意味「ラ・ラ・ランド」を凌駕している。
これがいわゆる「名作」というヤツなんだな、と妙に納得。
いやぁ、素晴らしいよ。
「雨に唄えば」ってこんなにいい映画だったんだな。
もっと早く観ておけば良かった。

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騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編
村上春樹
新潮社


村上春樹は全部読んできた。
今回の新刊も発売されてから3日後ぐらいには入手した。
時間のあるときに少しずつ読み進め、ようやく読破。
その感想。

今回のは……うーん……微妙。
前半はまぁまぁ面白いんだけど、後半が過去作の焼き直しだらけで、イマイチ乗りきれなかった。
「ねじ巻き鳥クロニクル」の井戸、「海辺のカフカ」のジョニー・ウォーカー殺し、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の地下迷宮、「1Q84」のリトルピープル……そういった過去作に出てきたモチーフにそっくりなものばかりが次から次へと出てきて、確かに村上春樹ワールドなんだけど、既視感が強くてつまらない。
さらに舞台設定はどことなく「グレート・ギャツビー」。
うん、まったくもってつまらない。
ノーベル文学賞、こんな感じで獲れるのだろうか?

次作ではまったく新しいモチーフを展開して欲しいなぁ。
なんだかんだ言って村上春樹は最初の羊シリーズ3作が好き。

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FAKE ディレクターズ・カット版 [DVD]
クリエーター情報なし
Happinet


DVDが出たのでようやく観た。
盲目のベートーヴェン詐欺で批判を浴びた佐村河内氏のドキュメント。
その感想。

僕の感想はひとこと。
佐村河内氏ってホントに耳が(ある程度)聞こえないんだな、と思った。
そこに嘘偽りは実はないのではないか、と。
そして佐村河内氏は新垣隆氏と共同で作曲していたと言っていたが、それでいいのではないかな、と。
むしろ新垣隆氏に疑義が生まれた。
いろいろ裏がありそう。
なぜ新垣氏は記者会見で「耳が聞こえないと思ったことは一度もない」などと発言したのか?
とにかく、いろいろ裏がありそう。
少なくとも佐村河内氏はそんなに悪い人ではないのではないかという印象を持った。

こればかりは観た人がそれぞれ感じることだろう。
僕はそう感じたというだけの話ではある。
星3つ半。★★★1/2
単純にドキュメンタリーとしてそこそこ面白いです。

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