「ラ・ラ・ランド」がオマージュしたミュージカル。
今回は1964年フランスのミュージカル「シェルブールの雨傘」。
有名な主題歌はもちろん聴いたことあったけれど、初鑑賞。
その感想。
さすがカンヌ映画祭グランプリ。
素晴らしい。
50年以上前の作品とは思えない。
星4つ半。★★★★1/2
全編歌だけで進み、セリフがひとつもないという思い切った形式にまず驚嘆。
まぁ歌と言うよりはメロディにセリフを載せているという感じの部分も多いのだが、90分ずっと歌う。
最初はもちろん違和感があるのだが、だんだん気持ちよくなってくるから不思議。
この「全編ずっと歌うミュージカル」という部分でもう星3つ。
さらにストーリーのなんとも言えないスタンダード感と寓話感、強烈なラストシーンでさらに加点がグングン伸びる。
まさに「ラ・ラ・ランド」のラストシーンと同じく、ハッピーエンドでありアンハッピーエンドである大人の結末が涙を誘う。
人生とは、ままならぬものであり、後戻りが出来ないものなのだよ……そのひとことに尽きる。
まだ20歳ぐらいでデビューし立てみたいなカトリーヌ・ドヌーブが大女優の貫禄で魅せる。
こんな名作でドーンと世に出たら、そりゃ大スターになるよ。
素晴らしい。
こうして「ラ・ラ・ランド」をきっかけに過去のミュージカルの名作をいろいろ見てきたが、あらためて2016年に過去の名作ミュージカルへのオマージュを外連味なくやってのけた「ラ・ラ・ランド」の素晴らしさが際立ってきた。
デイミアン・チャゼルおそるべしである。
| Trackback ( )
|