そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





IMAXで、3Dで、25年ぶりに「タイタニック」を観た。
品川の映画館は平日なのにほぼ満員。
20代に見える若い女の子の2人組が多かった。

まぁ、映画の中身に関してはいまさら言うことなんかない。
ただもうひたすら素晴らしくて、星5つ。★★★★★
名作中の名作なのはもちろん、映画館で観ると作品の持つオーラがより際立つ。
えげつないほど素晴らしい。
それだけだ。

そもそも2Dだった映画を3Dにデジタル処理で加工しているのだが、いくらか不自然さが残る場面も。
中でも『どう考えてもおかしい』のは、劇中でTVモニターに映っている映像までもが3Dで奥行きが付いちゃっている点。
そんなことは現実にはないわけで、なんでも全て3Dにすれば良いというものでもない。
こんな齟齬を見逃しているとは、ジェームズ・キャメロンめ、ちゃんと3Dで全編チェックしていないと見える。
アバターで忙しかったのは分かるが、少し手抜き仕事になってるね。
まぁ、気にならない人にはならないんだろうけど。

にしても、やはり映画は映画館の大スクリーンで観てナンボである。
どれだけ家庭のテレビが大画面になろうが、ホームシアターをこしらえようが、映画館にはかなわない。
25年ぶりに映画館で観た「タイタニック」は本当にすさまじくて、感動した。
そういう意味で、様々な名作映画も機会があれば出来るだけ映画館で観た方が良いと思う。
そんなとき、頼りになるのが「午前十時の映画祭」だ。
4月以降、今年も「午前十時の映画祭13」の開催が決定しているので(上映される映画はまだ未定)、興味のある方は是非、映画館で映画を観ることをオススメする。

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「セッション」「ラ・ラ・ランド」「ファースト・マン」と3作立て続けに大傑作を生み出してきた天才デイミアン・チャゼル監督。
その最新作「バビロン」が公開されたので、早速観賞。
3時間9分の大作。
その感想。

これは、過去3作に比べると明らかな後退。
やりたいことは分かるのだけれど、ぶっちゃけスベっている。
星は2つ。★★
なんとも勿体ないというか、「あれ?こういう方向の映画は苦手なのかな?」と感じた。
1920年代のハリウッド黄金時代をエログロナンセンスなんでもありのブラックコメディに仕立て上げたい意図は分かるのだけれど、スベっている。
めちゃくちゃハチャメチャなわけでも、めちゃくちゃエロいわけでも、めちゃくちゃブラックなわけでもなく、全てがどこかで見た過去の映画のエッセンスの縮小版みたいに見える前半。
後半、いよいよ物語がシリアスに、エモーショナルになってきて、ようやくデイミアン・チャゼルの本領発揮かと思いきや、主要登場人物が4人もいる群像劇なので、物語は分散、視線は拡散、どれ1つ大して盛り上がらず、後半も全てがどこかで見たことのある過去作のエッセンスの縮小版みたいに見えちゃった。
音楽は最高にイイ。
映像も最高にイイ。
ただし脚本なのか編集なのかが雑で、要するにとっ散らかっているのだ。
3時間の映画内にはときどき「おっ」と思うシークエンスや「おっ」と思うセリフや演出があるのだけれど、それも映画全体が猥雑で整理し切れていないので、サラリサラリと流れていく。
うーん、過去3作あんなに隙のない映画を作ってきたデイミアン・チャゼルにしては首をひねるような出来。
全部がフワフワしていて、なんかスベっている。
そういう映画だった。

それでもラストの数分は、泣いた。
だが、あれはズルイ。
あんなことをされれば、映画ファンは泣くに決まっている。
「雨に唄えば」と「ニューシネマ・パラダイス」。
その組み合わせはズルイだろ。

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米国アカデミー賞の授賞式が近づいている。
今年の作品賞の有力候補と言われているこちら「イニシェリン島の精霊」。
「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナー監督の作品で、これまでにもゴールデングローブ賞を始めいろんな映画賞を受賞してきているため、「スリー・ビルボード」では惜しくも逃したオスカー受賞が期待されている。
というわけで、映画館で観てきた。
その感想。

これは難しい。
「スリー・ビルボード」のような分かりやすさはなく、ただただ陰鬱な2時間。
ストーリーも説明が難しいというか、説明したところでなぁ〜みたいな話なので、なんともしがたい。
面白くはないのだが、かといってつまらないかというとつまらなくはなく、でも、また観たいかと言えばとくに観たくない。
ジャンル的にもなかなかカテゴライズすることも難しい作品で、とにかく首をひねるばかり。
評価は星2つ。★★
普通の人にはオススメ出来ん。
でもこういうのがオスカーを獲ったりするから、ハリウッドは分からない。
過去のオスカー作でいうと、個人的には「ムーンライト」とか「ノマドランド」に近い感覚。
これが獲るぐらいなら「スリー・ビルボード」で良かったじゃん、と思っちゃうけどね。
獲るのかな。

良い点が1つ。
映像がとにかく美しい。
これだけは凄い。
よくこんな風景をフィルムに収めたな、というとんでもない絶景がずっと続く。
もしオスカーを獲ったら、試しに見に行くといいんではないでしょうか?

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