僕は今、NHK大河ドラマ『真田丸』にハマっている。
毎週の楽しみは、『真田丸』と『ブラタモリ』の2番組を観ることだ。
その『真田丸』の序盤で、不思議な存在感を見発揮していた女優、黒木華。
決して美人とはいえないクラシックな顔立ちで異彩を放っていた彼女に興味を持ち、彼女が第64回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞(銀熊賞)を獲った本作『小さなおうち』を観ることにした。
その感想。
実に素晴らしい映画だった。
これは素晴らしい。
星4つ。★★★★
黒木華はもちろん、主演の松たか子も、倍賞千恵子も、重要な役割をになう吉岡秀隆も素晴らしい。
名優たちの名演技に安心して身を任せられる2時間。
この辺はさすが山田洋次監督といったところだ。
原作は直木賞受賞作の小説。
戦前から戦中、東京にある赤い屋根の小さなおうちを舞台に、この家に奉公に来た黒木華演じる女中の目線でその一家の妻に起きたちょっとした不倫事件を描く。
人の描き方が繊細なのは、おそらく元の原作小説が素晴らしいのだと思う(読んでいないが分かる)。
戦前から戦中の時代の描き方がとても自然で抑圧されていて、そしてもの悲しくて、素晴らしい。
この辺もおそらく原作小説が素晴らしいのだと思う(繰り返すが読んでなくてもなんとなく分かる・笑)
つまり、とても小説的な映画なのだ。
素晴らしい原作小説を上手に映画化したのだろう。
とにかく素晴らしかった。
惜しいのは、若手俳優二人の演技だ。
妻夫木聡と木村文乃。
これだけの名優の中に入ると、この2人の演技がわざとらしくて、観ていられない。
若い俳優に多いのだが、ぜんぜん自然じゃないのだ。
演技が漫画的というか、テレビドラマ的すぎる。
表情を作りすぎている。
これ、日本の俳優のクセらしい。
世界基準でいうと、日本の俳優は演技が過剰で、歌舞伎みたいらしいのだ。
それが、この映画を観ると、妻夫木聡と木村文乃で顕著。
とくに木村文乃の演技がひどい。
彼女は(この映画の時点では)ぜんぜん上手くない。
数年経っているから、今はもう少し上手くなっているかな。
木村文乃のせいで映画の後半、少ししらける。
それがなければ星5つあげたのに。
山田洋次監督も優しいから、彼女にダメ出ししなかったんだろうな。
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