そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



クラウド アトラス [Blu-ray]
トム・ハンクス
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


トム・ハンクスが『マトリックス』のウォシャウスキー姉弟と組んだ2012年のSF大作。
日本では劇場公開されたのかな?
まったく話題に上った記憶がないので劇場公開されていないかも知れない。
でもトム・ハンクスのSF映画って珍しいし、彼は脚本をしっかり読んで見極めてから映画に出演するタイプだと思うので、もしかしたらそこそこの良作かも。
実際、「実はとても良い」という評判も聞いたので、Blu-rayにて観賞。
その感想。

これはねー、好き嫌い分かれる奴だ。
ものすごくトラップがたくさんあって、頭を使って見ないと「なんだこのとっ散らかった話」で終わっちゃうんだろう。
僕はそのトラップに割と早めに気付いたので、最後まで集中力を切らさずに見られたし、なんならもう一度見てもいい。
ていうか、二度目のほうが楽しめるような気もする。
3時間近くある長い映画なのだが、うん、もう一度見てもいい。
個人的には星3つ。★★★。
もう一度見たらさらに評価が上がるかも。

コレ、中身の説明がものすごく難しい映画で、人によっては見てもよく分からないと思う。
一応説明しておくと、1849年、1931年、1973年、2012年、2144年、2321年の6つの時代の物語が同時並行で進んでいく映画だ。
で、トム・ハンクス始め、主要キャストの多くが、6つの時代でそれぞれ別の人物を演じている。
簡単なメイクによる演じわけはもちろん、特殊メイキャップで人種を変えたり、女装したり男装したりと、役者たちが6つの時代で別々の顔で登場する(中には誰が誰だか気付かないぐらいのもある)。
ここがこの映画の最大のトラップだ。
同じトム・ハンクスが6つの時代でいろいろな役で出てくるので、思わず『この6人になにか関係性があるのでは?」と思ってしまうのだ。
だが、まったく関係はない。
ここがトラップ。
それに気付かず、この6つの時代の物語がどういう風にひとつに収束していくんだろう、って期待しちゃうと失敗する。
そんな収束はしないのだ。
6つの物語は最後まで、6つの別々の物語なのだ。
だが、もちろん一貫したテーマは存在する。
それは見てのお楽しみ。
さらに、6つの時代を貫き通していく人物もどうやら1人だけ存在する(最後にああそういうコトかと分かる)。
これは一度目の観賞では絶対に分からない。
だから二度目を見たくなるのだ。

なかなかの良作。
映画見ながら頭を使うのが好きな人にはオススメです。

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バケモノの子 (スタンダード・エディション) [Blu-ray]
細田守
バップ


細田守監督最新作。
この人の映画はハズレがない。
その感想。

今回は星3つ。★★★
物語前半から中盤にかけては最高にイイ。
文句なしの素晴らしいオリジナルストーリーと世界観、そしてアニメーション。
ところが中盤から後半にかけて少しばかり焦点がぼやけてきて、まぁ分からなくはないのだが、いまいちなエンディング。
この辺はもう好みの問題だと思われる。
僕は星3つぐらいの読後感だった。

細田守監督作ではやはり『サマーウォーズ』がダントツに素晴らしい。
継いで『時をかける少女』『おおかみこどもの雨と雪』。
で、この『バケモノの子』という順列になってしまった。
でもこれも好みの問題だと思う。
中には『サマーウォーズ』が全然ダメって人もいるだろうし、『バケモノの子」がいちばんイイという人もいるだろう。
なにより素晴らしいことは、ハズレがないということだ。
そういう意味で宮崎駿に匹敵する才能だと思う。

次回作楽しみだな。
今度はちゃんと映画館に観に行こう。

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マイ・インターン ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
クリエーター情報なし
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


アン・ハサウェイとロバート・デ・ニーロの最新作。
その感想。

ロバート・デ・ニーロ演じる引退した70歳の元会社員が、アン・ハサウェイ演じるやり手女社長のネット通販会社にインターン(見習い)採用されるというお話。
引退した人生経験豊かな男が、若者だらけの職場にやってきて、さぁどうなるでしょう?という導入部分は、もう最高に面白い。
この先いったいデ・ニーロがどんな活躍を見せてくれるのか期待することしきりなのだ。
だが、いかんせん物語が進むにつれて、その中身は次第にトーンダウン。
たいして面白いことが起こらず、まぁそりゃそうかもね的な小さな話に収束していき、最後なんてずいぶんとまぁご都合主義的なまとめ方。
入り口の設定がいいだけに、実に惜しい。
星2つ。★★
最初の30分ぐらいはとってもいいんだけどなぁ。
結果的にずいぶん小粒な映画なってしまうのだ。
もったいない。

演技達者な主演2人の迫力だけでなんとか最後まで観ていられる映画でした。

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アカデミー作品賞ノミネート作「オデッセイ」。
リドリー・スコット監督作は最近パッとしないものが多いが、さすがにオスカー候補にまでになっているコレは秀作だろうと期待して二子玉のIMAX3Dへ。
その感想。

いやぁ〜長い。
とにかく長い長い長い長い(笑)。
映画の途中で「コレいつまで続くんだろう?」と何度も思ったので、相当長く感じる映画だ。
上映時間を調べてみたら2時間24分。
おいおい「フォースの覚醒」と8分しか変わらないじゃん。
いやそれにしちゃあ長く感じたなぁ。
だがそれがなぜなのか理由は明白だ。


※以下若干ネタバレを含みます。






火星に一人取り残された宇宙飛行士が、地球に帰れるかなっていうストーリー。
そのぐらいの予備知識は観客全員持っている中、もうなんていうか、見始めてすぐ分かるのよ……「あ、コレ帰れちゃうんだろうなぁ」〜って(笑)。
いや違うな。
うすうす帰れちゃうんだろうなぁ〜とみんな思っている中、案の定のトラブルがいいタイミングで次々と襲ってきて、なんていうか、萎えるの。
コレを僕は「逆ご都合主義」と名付けたい。
あの超駄作「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」みたいに、とにかく都合良く物事が運ぶストーリーが「ご都合主義」だとすれば、この「オデッセイ」はとにかく都合良くトラブルが次々起こるというね。
でもって、なぜか分からないけどそれらのトラブルがちっとも「ヤベェじゃん」って感じないの。
ぜんぶ「どうせ助かるんでしょ」というこの映画が持つ宿命的な独自の空気に負けちゃっていて、悲壮感とか絶望感とかをぜんぜん感じないの。
だから長く感じるのよ。
「いや、どうせ助かるんだから、もったいぶらずに助かりゃいいじゃん」みたいな感じになってくるの。
で、一切意表を突く展開とか、素晴らしい伏線の回収とか、そういうのがナッシングのまま、最後まで淡々と進んで、やっぱり助かるの(笑)。
なんだこれ(笑)。
星2つ半。★★1/2

要らないギャグや、やたら軽い人物描写など、せっかくの物語を陳腐にしてしまう余計なアイディアも満載。
なんというか、題材と描き方のバランスが悪い。
ちなみに驚くべきことに、人が1人も死なない。
(ちなみに去年の「ゼログラビティ」では何人も死んでいる)

星2つの理由はもうひとつあって、中国が出てくるのよ。
最近チャイナマネーに頼り切っているハリウッドだけど、こんなに露骨に「中国スゲー」が出てくると僕はダメ。
一気に萎えてしまう。
時代が時代だから中国を出すのはいいんだけど、もう少し上手くやって欲しい。
唐突に出てくるんだもの。
中国が。
要らん。
(ちなみに去年の「ゼログラビティ」は上手に中国を出していた)
昔ジャパンマネーがハリウッドを席巻していたころよくハリウッド映画に日本が出てきたけど、アレはアレでイヤだったからね。
露骨な「ヨイショ」は要らないよ、相手がどこの国だろうが。

分かったこと。
やはりリドリー・スコットはピークを越えている。
もう年齢的に無理なんだろう。
80年代ディスコ曲を入れてくるアイディアも、はっきりいって面白くない。
ピーク越えてるのよ。
うん、越えちゃってるのよ。

断言。
オスカーはない。
これだったら昨年ノミネートされていた「ゼログラビティ」のほうがはるかに上。
突き詰めるとただの「アメリカ万歳」映画なのよね。

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