アカデミー作品賞ノミネート作「オデッセイ」。
リドリー・スコット監督作は最近パッとしないものが多いが、さすがにオスカー候補にまでになっているコレは秀作だろうと期待して二子玉のIMAX3Dへ。
その感想。
いやぁ〜長い。
とにかく長い長い長い長い(笑)。
映画の途中で「コレいつまで続くんだろう?」と何度も思ったので、相当長く感じる映画だ。
上映時間を調べてみたら2時間24分。
おいおい「フォースの覚醒」と8分しか変わらないじゃん。
いやそれにしちゃあ長く感じたなぁ。
だがそれがなぜなのか理由は明白だ。
※以下若干ネタバレを含みます。
火星に一人取り残された宇宙飛行士が、地球に帰れるかなっていうストーリー。
そのぐらいの予備知識は観客全員持っている中、もうなんていうか、見始めてすぐ分かるのよ……「あ、コレ帰れちゃうんだろうなぁ」〜って(笑)。
いや違うな。
うすうす帰れちゃうんだろうなぁ〜とみんな思っている中、案の定のトラブルがいいタイミングで次々と襲ってきて、なんていうか、萎えるの。
コレを僕は「逆ご都合主義」と名付けたい。
あの超駄作「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」みたいに、とにかく都合良く物事が運ぶストーリーが「ご都合主義」だとすれば、この「オデッセイ」はとにかく都合良くトラブルが次々起こるというね。
でもって、なぜか分からないけどそれらのトラブルがちっとも「ヤベェじゃん」って感じないの。
ぜんぶ「どうせ助かるんでしょ」というこの映画が持つ宿命的な独自の空気に負けちゃっていて、悲壮感とか絶望感とかをぜんぜん感じないの。
だから長く感じるのよ。
「いや、どうせ助かるんだから、もったいぶらずに助かりゃいいじゃん」みたいな感じになってくるの。
で、一切意表を突く展開とか、素晴らしい伏線の回収とか、そういうのがナッシングのまま、最後まで淡々と進んで、やっぱり助かるの(笑)。
なんだこれ(笑)。
星2つ半。★★1/2
要らないギャグや、やたら軽い人物描写など、せっかくの物語を陳腐にしてしまう余計なアイディアも満載。
なんというか、題材と描き方のバランスが悪い。
ちなみに驚くべきことに、人が1人も死なない。
(ちなみに去年の「ゼログラビティ」では何人も死んでいる)
星2つの理由はもうひとつあって、中国が出てくるのよ。
最近チャイナマネーに頼り切っているハリウッドだけど、こんなに露骨に「中国スゲー」が出てくると僕はダメ。
一気に萎えてしまう。
時代が時代だから中国を出すのはいいんだけど、もう少し上手くやって欲しい。
唐突に出てくるんだもの。
中国が。
要らん。
(ちなみに去年の「ゼログラビティ」は上手に中国を出していた)
昔ジャパンマネーがハリウッドを席巻していたころよくハリウッド映画に日本が出てきたけど、アレはアレでイヤだったからね。
露骨な「ヨイショ」は要らないよ、相手がどこの国だろうが。
分かったこと。
やはりリドリー・スコットはピークを越えている。
もう年齢的に無理なんだろう。
80年代ディスコ曲を入れてくるアイディアも、はっきりいって面白くない。
ピーク越えてるのよ。
うん、越えちゃってるのよ。
断言。
オスカーはない。
これだったら昨年ノミネートされていた「ゼログラビティ」のほうがはるかに上。
突き詰めるとただの「アメリカ万歳」映画なのよね。
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