そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





スーパーで見つけた。
サントリーのお酒「ほろよい」とNetflixのコラボ。
4種類あるうちの1つがなんと「あいの里シーズン2」だ。

そういえば数ヵ月前、「あいの里」の会議のときにプロデューサーから「ほろよいとコラボする」と聞いたことを思い出した。
すっかり忘れていたが、本当にコラボしていたのだ。
しかも、「あいの里」以外の3作品は「イカゲーム2」「極悪女王」「トークサバイバー」という豪華布陣。
このラインナップに並ぶだけで大変光栄なのだが、なんとNetflixのデイリーランキングで「あいの里シーズン2」が今日現在(11月8日)早速1位に躍り出た。
シーズン1は1位になるまで結構時間がかかった記憶があるが、今回は3日目でもう1位だ。
ありがたい話である。

というわけで、「あいの里シーズン2」面白いのでぜひ見てください。
9話以降もいろいろ面白いことが次から次へと起こりますので。

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宣伝です。

唯一無二。
オンリーワンの恋愛リアリティショー再び。
Netflixオリジナル「あいの里」。
シーズン2の配信が始まりました。

シーズン1に続き、大好評。
早くもランキング5位に入ったようで。
ありがたいです。
「あいのり」を作ったスタッフたちと共に作った「あいの里」。
シーズン2も渾身の出来となっています。

35歳以上60歳までの参加者による「人生最後の恋」、全20話。
その顛末をぜひご覧下さい。

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いよいよシーズン2が配信された。
3年前の2021年、Netflixで見つけた韓国ドラマ「地獄が呼んでいる」だ。
「地獄」が「呼んでいる」のだ。
タイトルだけでめちゃくちゃ面白そうではないか。

で、実際、めちゃくちゃ面白いのだ。
シーズン1の第1話を見ただけで、「なんじゃそりゃ?」の現象が起こるので、もうこのドラマに釘付けだ。
よくこんなの思いついたものだ。
原作は韓国のウェブトゥーン。
そういえばDisney+の大傑作「ムービング」もウェブトゥーンが原作だった。
韓国のウェブトゥーン作家、今、脂が乗りに乗ってるに違いない。

このドラマ、2021年当時、シーズン1を2周したほど好きだった。
設定がとにかく素晴らしい。
見れば分かる。
無宗教の日本とは違い、割とキリスト教が根付いている韓国だからかも知れない。
神と地獄に関するお話だ。
にしても、世界観が特殊でその異質感が圧倒的に面白い。

シーズン1で主演を務めたユ・アインという俳優が、麻薬か何かで捕まってしまったので、シーズン2では代役が立てられている。
そこだけが勿体ない。
新しい俳優より、前の俳優の方が圧倒的に役柄に似合っていたからだ。
こんな傑作が、俳優の個人的な問題でいらん邪念が入る結果になるなんて。

ただし、シーズン2も最初から飛ばしまくる。
ここ数年、グルメばかりで壊滅的につまらない地上波ゴールデンのテレビ番組の代わりに見るソフトは、この「地獄が呼んでいるシーズン2」で決まりだな。

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子猫が1匹、不治の病になった。
写真の真ん中のさび猫の子。
病名はFIP(猫伝染性腹膜炎)。

ある頃から元気がなくなった。
しんどいのか、おもちゃで遊ばなくなった。
片方の目が開かなくなった。
獣医さんに連れていくと、体温が40度を超えている。
脱水症状もあり、点滴などで対処治療。
でもなかなか良くならない。
その後、血液検査でFIPの可能性が浮上。
吉祥寺のFIPに強い獣医さんに連れて行き、FIPだと判明した。

この病気、数年前まで致死率100%だった。
「だった」と書いたのは、今では治る病気だからだ。
未だに「FIPの治療は不可能」みたいなネット記事も多い。
だが、治る可能性が高い。
その理由は、コロナ渦にあった。

このFIPという病気。
原因はコロナウイルスの一種。
で、コロナウイルスといえば皆さんご存じの通り、コロナ渦があった。
2019年からの数年間、コロナで酷い目に遭った人類。
人類はあの数年の間にさまざまな薬を開発した。
そしてなんとその薬が猫のFIPに効くことが判明したのだ。
今ではFIPは不治の病ではなく、治る病気になった。

FIP治療は、薬を84日間、つまり12週に渡って飲ませる。
使う薬には2種類あり、中国産の即効性の高い薬は治療に使うと100万円コース。
もうひとつの薬は20万円コース。
動物病院は保険がないので、こういう感じになる。

うちの子は20万円コースにしたが、1週間飲んだぐらいで、ケロッと元気になった。
もう84週も飲ませなくていいんじゃないかとも思えるが、その辺は獣医さんと相談だ。
だって、今のところ2万円ぐらいで済んでるんだもん(笑)。

ということで、猫の病気の話でした。

2024年。
FIPは、治ります。


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槍ヶ岳。

北アルプスの名峰。
日本で5番目の高さ、標高3180メートル。
9月の上旬に1人で登ってきた。

上高地から入山。
槍沢ロッジと槍ヶ岳山荘に泊まる2泊3日のゆるい行程。
しかし、初日から右足かかとの靴擦れに悩まされたので、なかなかハードな山行だった。

槍ヶ岳山荘までの道がとにかく急登でツライ。
ここを登り切ってしまえば、あとは荷物を置いて、槍ヶ岳ピークにアタックするだけ。

槍ヶ岳山荘の肩から3130メートルの頂きへのアタックルートは片道20分程度。
岩登りと鎖とハシゴが待っている。
下を見ると目もくらむような高さでぞっとする。
とはいえ、10歳の少年や80歳越えたおばあちゃんも平気で登ってくるので、難易度的には大したことはない。
要は、度胸の問題。

写真は槍ヶ岳山荘から見た3日目の朝、ご来光直前の様子。
左のシルエットが槍ヶ岳。
頂上付近にポツポツ光っているのはヘッドランプ。
頂上でご来光を見ようと、血気盛んな若者たちがまだ暗いうちからヘッドランプ頼りに頂上に登っているのだ。

僕も10代の高校山岳部の頃だったら平気でひょいひょい登っていたと思う。
だが、56歳になった今、真っ暗な岩壁をヘッドランプで登ろうとは思わない。
ああいうのは若者に任せておけば良いのだ。

下山途中、雷鳥がいた。
今年の初雷鳥。



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https://amzn.to/4dHlKcK

昨年公開され話題になっていたヨーロッパ企画上田誠氏による作品。
Amazonプライムで配信が始まったので、地下ホームシアターで鑑賞。
タイムループものだということだけ知った状態だったが……

これは傑作。
星4つ。★★★★
途中、映画の4分の3ぐらいまで、これは星5つだなという勢いでずっと爆笑して見ていた。
とにかく冒頭から中盤に掛けてがメチャクチャ面白い。
「なるほど、タイムループものでこういうやり口があったか」と感心した。
ただ、最後の最後、タイムループの種明かしと解決が行われるのだが、そこで突然、小劇場の演劇感が出てしまった。
ここの謎解き部分がもっと映画らしく格調高い何かになっていれば、間違いなく5点満点だっただろう。
まぁ、ヨーロッパ企画らしいといえばらしいのだが、この大オチの部分がなんだか残念だった。
贅沢言うなって言われそうだけど、ここがなぁ〜!もう少しなぁ〜!なんか他のアイディアなかったかなぁ〜!笑
なのでマイナス1点して星4つ。
でも、とんでもなく面白いのは間違いない。

僕個人的にはこの映画、どこか既視感があった。
で、よく考えたら、あ、そっかと思い当たった。
理由は僕のキャリアにあったのだ。

僕はかつてジャルジャル主演の「営業100万回」という映画の脚本を書いた。
その映画のオマージュ元は「恋はデジャ・ブ」という昔から大好きだったハリウッド映画で、1人の天気予報士(演じるのはビル・マーレー)が雪に閉ざされたある町で同じ1日のタイムループを無限に繰り返すというものだ。
そこから着想を得た僕の「営業100万回」は、田舎のひなびた温泉宿に漫才の営業に来た漫才師が、謎の殺人鬼に殺されては元の時間に戻るというタイムループを無限に繰り返すというものだった。
そしてこの「リバー、流れないでよ」は、タイムループの舞台が京都・貴船の「温泉宿」で、しかも季節は冬、「雪」なのだ。
ほら、まさに「恋はデジャ・ブ」と「営業100万回」が合わさったような設定なので、僕は既視感を覚えたというわけ。

……とはいえ、映画の出来としては「リバー、流れないでよ」の方がそれこそ100万倍良い(笑)。
ここからはネタバレになるので、未見の方は読まないで欲しい。











「恋はデジャ・ブ」でも「営業100万回」でも、タイムループを自覚しているのは主人公の男性1人だけだ。
ところがこの「リバー、流れないでよ」では、登場人物全員がタイムループを最初から明確に自覚している。
何度も何度も同じ時間を繰り返しつつ、前の記憶は全て残っている。
この発明がなによりすごいし、そこから上田誠氏の筆が走ること、走ること(笑)。
しかも、だ。
そのタイムループの時間がたったの2分。
すごくないか?
2分経つと元の状態に戻るという高速タイムループ。
そんなの初めて見た。
で、そんな異常な高速タイムループの中、温泉宿の従業員や泊まり客たちが、ああだこうだ右往左往するという素晴らしいアイディアで上田誠氏の脚本は進む。
かつて「サマータイムマシンブルース」という超絶傑作映画を産んだ上田誠氏。
今回の映画も、もう「さすが」というほかない。
「タイムループが2分でしかも全員が完全に自覚している」というこの設定のアイディア一発で激走する脚本は、もうアッパレとしかいいようがない。

というわけで、「リバー、流れないでよ」。
Amazonプライムに加入している人は、今なら見れる。
ぜひ観た方が良いです。
感服いたしました。


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現在大ヒット中の“第2のカメ止め!”こと「侍タイムスリッパー」に触発されたのか……
あるいはエミー賞を獲った「SHOGUN」の西岡徳馬の切腹シーンの凄さが心のどこかに残っていたのか……
今日になって突然、かねてから名作だと聞き及んでいた1962年の時代劇「切腹」を地下ホームシアターで鑑賞。
その感想。

この時代の映画といえば黒澤と小津ぐらいしか熱心には見てこなかったが、この映画、傑作である。
星4つ。★★★★
途中、見ていられないほど悲惨で痛くて不幸で、それでいて最後救われるかといえば全然そんなことない、日本版のアメリカンニューシネマみたいな感じなのだが、とにかくまずは、主演を務める仲代達矢の眼力と説得力がスゴすぎて、もうこんな役者は日本の芸能界には現れないのだろうなぁと悲しくなってくるほど圧巻の演技。
そして、忘れてはならない三國連太郎の存在感。
さらに脇を固める丹波哲郎と岩下志麻の眼福。
脚本はご存じ、黒澤明の数々の名作の脚本を手掛けた天才・橋本忍。
ストーリー自体はかなり好き嫌いが分かれそうだけど(先が読めるし途中も結末もあまりにも悲惨すぎて僕はやや引いた・笑)、演出、脚本、撮影、編集、そして役者たちの演技、どれも超一級品で、日本映画の黄金期をまさに感じる作品になっている。
江戸時代初期の侍たちの所作のひとつひとつ、その正確さ、そして言葉や殺陣の優雅さと美しさ、カメラの画角がバシッと決まった見事な撮影、実際の歴史を背景とした納得感しかない美術や衣装セットの数々、これらが時代劇として全て完璧に素晴らしくて、この日本映画の尊い文化は果たして今どこに行ってしまったのだろうと、見終わったあとに悲しくなるほどだった。
皮肉めいたラストも最高。
史実はどうだったのかと福島正則と井伊家のことを思わずWikipediaで調べてしまった。
ホント、江戸時代に比べれば今の日本人は幸せだよね。
「侍タイムスリッパー」の主人公が、塩むすびやショートケーキで涙するシーンの補完としても、この映画はオススメです。

で、「切腹」のWikipediaを読んだら「侍タイムスリッパー」のネタバレに繋がる重大事実を知った。



なんと、最後の仲代達矢と丹波哲郎の一騎打ちのシーンは撮影に真剣を使ったそうだ。
……なんだよ、「侍タイムスリッパー」とこんなところで繋がりやがった。
マジかよ。笑

だが、真剣を使ってやり合ってると思ってもう一度見ると、本当に凄い。
仲代達矢も丹波哲郎もマジでビビりながら剣を振り回しているのが見て取れる。
真剣での撮影という意味では、勝新太郎の映画「座頭市」での死亡事故が想起されるけど、昭和の時代劇では撮影に真剣を使うケースがこれ以外にもあったのだろうか?
分からない。
黒澤明が「蜘蛛の巣城」で三船敏郎に向かって本当に弓を撃って撮影したエピソードは知ってるが、黒澤も真剣を使ったシーンとかあるのかな?


あと、三池崇史監督が市川海老蔵主演で「一命」というリメイクを作っているそうです。
見る気はしないけど、そっちはそっちでまぁまぁ面白いみたいです。


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今、第2の「カメラを止めるな!」だと話題の映画を観てきた。
8月に池袋のたった1館の上映から始まったのに、そこから面白いとクチコミが広がり、今の時点で100館以上の全国拡大公開になってきたこちらの映画「侍タイムスリッパー」。
侍が現代にタイムスリップしてくる話、との前情報しか知らない状態で、品川で観てきた。
その感想。

超傑作です。
面白い!
面白いです!
星4つ半。★★★★1/2
これは大ヒットするといいなぁ。
「カメラを止めるな!」みたいに日本アカデミー賞にも絡んで欲しい。
正直「カメ止め」ほどの衝撃は感じなかったけど、良く出来ているのは間違いない。
製作者の熱い思いは「カメ止め」同様に伝わってくる。
なんでも監督は愛車を売り、銀行残高7000円になるまで、この映画に自費をつぎ込んだらしい。
元を取るどころか、大もうけして欲しいねぇ。
だからどんどん観客が入るといいなぁ。
僕が観た平日昼間の回でも、お年寄り中心に映画館は半分ぐらい埋まっていたので、この調子でいけば大ヒットするんじゃないかな。
ほとんど見たことない役者さんしか出ていないんだけど、その分説得力があるし、“映画を作る映画”という意味では「カメラを止めるな!」と一緒なんだよね。
そして過去の名作映画はもちろん、映画だけではない様々なものへのオマージュや監督の強い思いがスクリーンの端々に散りばめられていて、いろいろ日本人の琴線に触れる映画だと思う。

なんにしろ面白いです。
それが全て。
ラスト20分が白眉。
是非映画館に観に行って、破産寸前まで行ったという安田淳一監督を助けましょう!

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今年一番楽しみにしていた映画がついに公開された。
「怒りのデス・ロード」から待つこと9年。
ついに「マッドマックス:フュリオサ」がやってきた。
公開3日目の日曜日、二子玉のIMAXで観てきた。
その感想を述べる。

素晴らしい。
星は4つ。★★★★
ひとことで言えば、スゴい。
そして、すさまじい。
「スゴい」「すさまじい」としか言いようがない異常な熱量で、異常な世界観に狂気と暴力がこれでもかと詰め込まれ、2時間半にわたってひたすら濃厚な映像体験。
スクリーンに映し出されている映像の密度があまりにも濃すぎて、映画が始まってしばらくの間は呆気に取られ、放心状態に陥った。
そして、その後、今度は自然に涙が出てきて止まらなくなるという状態に陥った。
涙を拭ったあと、ふと冷静になり、物語を浴びていったのだが、そこで「あれ?」となった。
だから、前作「マッドマックス/怒りのデス・ロード」では星10点満点という破格の高評価だったのに対して、今回は星4つとなったわけだ。
その辺の理由はこのあとネタバレ全開で記す。
しかし、とはいえ星4つと言えば、このブログ内で評価してきた映画の中でも相当高得点の部類に入る。
スゴい!
すさまじい!
でも文句なしとは言えない!
個人的にはそんな感じの、もどかしい、いや、もどかしすぎる大傑作となった。
でも絶対映画館で観るべき映画である。
それだけは間違いない。

以下、ネタバレでの詳細な感想。












映画の批評を5点満点ルールとしたこのブログで、5点からマイナス1点せざるを得なかった理由は、ひとことで言えば「思ってたのとなんか違った」からだろう。
結局のところ、星5つどころか10点満点だった前作「怒りのデス・ロード」が偉大すぎるのだ。
あれと比べてしまったら、そりゃあ「なんか違った」が浮かび上がってきてしまう。

では、何が「なんか違った」のか?
まずは、主演女優さんだ。
今回の主演女優アニャ・テイラー=ジョイは、頑張っているし、そもそも才能豊かだし、目力もスゴい。
だが、だが、である。
「怒りのデス・ロード」でフュリオサを演じたシャーリーズ・セロンとどうしても比較しちゃう。
そうすると、あまりにもアニャ・テイラー=ジョイは線が細い。
線が細すぎてフュリオサという役が持っていた肉体的な説得力に欠けるのだ。
そこが大問題で、「なんだかフュリオサがフュリオサに見えない」という大欠点となり、この映画は前作「怒りのデス・ロード」をどうあがいても越えられないのだ。
これはつまり、シャーリーズ・セロンが演じた前作のフュリオサがあまりにも偉大すぎるということだと思う。

2点目。
イモータン・ジョーが、いいヤツになってしまっている。
前作「怒りのデス・ロード」のラストで、フュリオサはジョーに対して「私を覚えている?」と決めゼリフを吐いて復讐を果たしたはずだ。
それなのに、今回の前日譚で描かれるイモータン・ジョーは、フュリオサにとって復讐相手というより協力者みたいになってしまっているのだ。
これは言いたくはないが、あの「スター・ウォーズ/エピソード3」や「スター・ウォーズ/ローグ・ワン」と同じで、「ちゃんと繋がってないじゃん」なのだ(僕の「エピソード3」及び「ローグ・ワン」批判の中身は該当ブログを参照してください)。
イモータン・ジョーとの確執だけはきっちり丁寧に描いて欲しかった。
それなのに、それが全くない。
いやいやいやいや、そこでしょ、キモは。
なんでこんなプロットになったのか、そこは意味が分からない。

3点目。
悪役が弱い。
前作のイモータン・ジョーはその存在感、行動原理、背景などの全てが、魅力的な悪役として完璧だったと思う。
だがしかし、今回の悪役であるディメンタスは、その存在感、行動原理、背景などの全てが、なんだか弱いし、薄いし、軽いのだ。
映画を見終わってふと思う。
アイツ(ディメンタス)は、なんのためにあんなに頑張っていたのか?と。
そう問われたら、あなたは答えられるか?
僕には答えられない。
本当によく分からないのだ。
だが、その割にディメンタスはよくしゃべる。
前作のイモータン・ジョーはほとんどしゃべらなかったが、今回のディメンタスはすごくよくしゃべる。
とんでもない饒舌キャラなのだが、そこに存在感、行動原理、背景などがあまり感じられないため、饒舌キャラがただただ存在の軽さにしか見えない。
この「悪役のキャラクター造形の甘さ」も、今回の映画のマイナス点だと感じる。

そして4点目。
主人公フュリオサの行動軸がいろいろとぶれまくる点。
ここが今回の映画の最大の問題だと思う。
実はこの映画、主人公フュリオサが抱く大目標が2つあって、ずっとどっちつかずなのだ。
それは「故郷への帰還」と「母の復讐」の2つの目標だ。
この2つの目標が同時並行で進んでいくので、ストーリーの軸がぶれまくる。
その上、そこにジャックという戦友(淡い恋?)の登場とその戦友を守りたいというフュリオサの意志が混じってくるため、物語がどこに向かっていくのかが三軸になり、観客の意識が散漫になってしまう。
ここをもう少し整理して、一直線の軸が強いストーリーが構築できれば、この映画、とんでもない傑作になっていた思う。
例えば、まず大目的として「なんとしてでも故郷(緑の地)に帰る」……これを最初のフュリオサの動機とする。
だから、母を殺したのはディメンタスではなく、その辺の小物にして早々に復讐は遂げさせてしまえばよい。
で、故郷への脱出を図るフュリオサのストーリーを素直に進め、そこで、フュリオサから故郷帰還の希望を奪う役としてディメンタスを登場させるのだ。
例えば故郷への道程をイレズミで記した左腕をディメンタスが地図代わりに切り落としてフュリオサから奪う、というストーリーとか……(てっきりそういう話だと途中まで思っていたもの)。
そうすれば、第一目標の「故郷への帰還」をディメンタスによって奪われたことで、今度は第二の目標「ディメンタスへの復讐」が浮かび上がり、1本筋でストーリーは進む。
これで「故郷に帰りたい」と「復讐したい」が同時並行で進むストーリーの煩雑さを解消できただろう。

ということで、映画としては(あくまで感情移入してストーリーを味わうという意味での映画としては)イマイチ面白くなかった。
実に勿体ない。

と、いろいろ文句を言ってきたが、アクションシーンとその奇抜なアイディア、編集、音響、カメラワーク、そして世界観の深さなどは、超一級品である。
冒頭にも書いたが、あまりにスゴく、すさまじく、圧倒的なので、呆気に取られ、涙すらにじむ。
そんな映画体験はなかなかない。
是非とも大音響、大画面の映画館で観て欲しい、今年を代表する1本だと思う。
5点満点中の4点だからね。
「怒りのデス・ロード」が素晴らしすぎただけで、これはこれでスゴいんだから。
あと1回は映画館で観たいと思っている。



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YouTubeのなにかの動画で、Netflixにあるこのドキュメンタリー作品について話しているのを見て、興味を持って鑑賞。
2018年のドキュメンタリーなのだけれど、なかなか興味深い内容だった。
そして、このドキュメンタリーを見た結果、今後はベジタリアン生活を(できるだけ)続けようと決意するに至った。
肉、魚、乳製品などは、極力食べないように心がけて行きたい。
なぜそう思ったのか。
この作品で描かれている事象が至極論理的だったからだ。

①人類は元来、草食動物である
……ということがロジカルに提示される。
原始人の時代からずっと人類は菜食中心だったことが科学的に分かっている。
狩猟をして肉を食べるという原始人の描写は、20世紀初頭の科学者たちによる勘違いだったという。
その辺が詳しく語られる。
つまり、動物性タンパクをそもそも人類は必要としないのだ。

②動物性タンパクは植物性タンパクと比較して(圧倒的に)人体に悪影響がある
……ということも論理的に提示される。
肉や魚を食べれば食べるほど、高血圧になり、血管が脂肪で詰まり、ガンや心臓発作、心筋梗塞の可能性が高まる。
これらも、科学者によって科学的に証明されている事実だということが、明確にロジカルに検証される。
そりゃそうだ。
本来食べなくていいように進化した肉体に、食べなくていいモノを取り入れているのだから。

③肉を食うとパワーとスタミナがアップする、というのは肉業界が作り出したCM的幻想
……ということも明らかにされる。
ベジタリアンのアスリートが世の中にはたくさんいて、菜食主義で金メダルを取り、世界記録を叩き出す事例がたくさん紹介される。
あのアーノルド・シュワルツネッガーも今では菜食主義生活をしている。
むしろ肉を食べると、その直後に肉体のパフォーマンスは低下し、パワーもスタミナも発揮できないことが説明される。
肉を食うとパワーとスタミナがアップする、というイメージ自体が、食肉業界がコマーシャルしてきた「肉=パワーとスタミナ」という幻想にあることが暴かれる。
だって、草しか食べない馬や鹿が馬鹿力を発揮するんじゃないか、と言われたら、聞き入れざるを得ない。
植物タンパクだけを取っていたほうが、むしろ、パワーとスタミナが強くなるのだ。

……と、大雑把に言うとこんな内容のドキュメンタリーである。

僕はベジタリアンやヴィーガンというのは、動物愛護の観点からの思想活動なのだと勘違いしていた(いや、実際そういう方もいるのだろうけれど)。
でも、動物愛護ではなく、そもそも論として人類に動物性タンパクが一切必要ないという事実を元に描かれたこのドキュメンタリーのインパクトは大きい。
というわけで、菜食主義に出来るだけなれるように頑張っていきたい。
それで人生がゲームチェンジできるのだ。

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数ヵ月前から家の周囲に姿を見せていた小型のクリーム色のメス猫。
見た目がまだ子供っぽく、左目を少し痛めているようでしょぼしょぼしている様子を見かねて、妻と相談して5匹目の飼い猫として保護することに決めたのが4月17日。
自宅の前の駐車場に、室内からひもを引っ張ると扉が閉まる仕掛けをしたケージのワナを仕掛け、監視カメラも設置して機会をうかがい、4月18日の朝、無事捕まえた。
室内の大型のケージに移し、電話で獣医に相談して、ノミやダニが保護猫から移らないように先住猫4匹分のノミダニ薬をもらってきて投与。
1週間後に避妊手術をする予約を取り、飼い始めた。
名前は前々から呼んでいた「クリーム」に決めた。

クリームは捕獲された当初食べなかったゴハンも次第に食べるようになり、様子を見に行ってもシャーと怒ったり怯えたりしなくなり、順調に僕と妻に慣れている様子だったが、4月22日の朝、やたらニャーニャーと鳴き始めた。
なぜそんなに鳴くのかと不思議に思っていたところ、昼過ぎに、妻が「ギャー」と叫ぶので何かと思えば、まさかの赤ちゃんを産み始めていた。
確かに少しぽっちゃりしているとは思っていたのだが、まさか妊娠していたとは。
結局、1時間ちょいの間に、トイレの中で3匹の赤ちゃんを出産。
トイレの中で産んでしまったので、外に出したいのだが、もはや手出しが出来ない。
そのままトイレの中で子育てさせることにする。
クリームの捕獲日は4月18日。
子猫3匹の誕生日は4月22日。
備忘録的に記しておく。

授乳が始まっているので、クリームには栄養たっぷりゴハンをどんどんあげる。
出産でげっそりとしたクリームは、食欲があり、どんどんごはんを食べて、授乳を続ける。
出産直後はよく分からなかったのだが、子猫は、茶トラと三毛猫とさび猫のようだ。
トイレの中で出産してしまったので、クリームは排泄する場所がなくなってしまい、ケージの外部に別のケージを接続してあげてその中にトイレを入れたら用を足したのでひと安心。
さらに、Amazonで大型のサークルを購入してケージに接続。
その中に寝床とトイレを入れた。
果たして出産したトイレから赤ちゃん猫を連れて新しい寝床に移ってくれるのか見守るしかない。

それにしても、まだ目も開いてないし、耳の穴も開いていない赤ちゃん猫たちは、日に日にグングン大きくなる。
その成長スピードには目を見張るものがある。

こうして我が家は猫8匹の猫屋敷と化した。

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3週連続、日曜日の朝にTOHOシネマズ日本橋に行くという荒行をこなしてきた。
最後の作品はシリーズ第3作「最後の聖戦」。
インディ・ジョーンズシリーズはこのあと、4、5と続くが、ここで完結しておけば晩節を汚さずにすんだのに……という感想しか抱けない真の完結編がこれだ。

映画の中身については改めて言及するまでもないだろう。
シリーズ完結編として完璧な出来だ。
インディとショーン・コネリー扮するインディの父親との親子関係が、この第3作では最高の化学反応を生み出している。
夕陽に向かって馬で疾走するラストシーン。
ここで終わってれば良かったのにと、痛恨の涙が流れた。

追伸
映画鑑賞後の食事会は「しゃぶ葉」ではなく、寿司の食べ放題に行った。
ただ、分かったことがある。
寿司は食べ放題に向いていない。
シャリがある分、あっという間におなか一杯になっちゃうのだ。
その点「しゃぶ葉」は、言わずもがなである。
このブログの読者の方は騙されたと思って「しゃぶ葉」に行ってみて欲しい。
あまりのコスパの良さに驚愕するだろうから。
おすすめは、ひたすら豚バラ肉、だ。
健闘を祈る!

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我が生涯ナンバーワン映画について備忘録的に書いておこう。

その映画とは、1989年のアメリカ映画「フィールド・オブ・ドリームス」。
この映画を超える作品は(個人的には)ほかに存在しない。
ダントツで、ぶっちぎりで、第1位。
観れば必ず涙するラスト10分。
もはや、最後の10分だけを見て号泣だ。
生涯ナンバーワンのデトックス映画だと言える。

一生に一度見られるか見られないかというレベルの超偉人・大谷翔平の登場によって、日本人のメジャーリーグへの注目が集まっている昨今、だからこそ野球をテーマにしたこのクラシック映画に再注目して欲しいと思う。

アメリカ人にとっての「野球の存在そのもの」を下敷きにした超感動作であるこの映画は、とくに男性の観客に刺さる作品なのだろう。

映画史に燦然と輝く金字塔であるため、劇中に登場するアイオワ州のトウモロコシ畑に作った野球場で、毎年MLBが公式戦を開いている。

それほどこの映画は野球好きの多くの男性の(そしておそらく野球好き以外の男性もの)琴線に触れて触れて触れまくって揺さぶって揺さぶる映画なのだ。

観てもらえば分かる。
こんなヤバい感動作はほかにない。
女性の皆さんには本当に申し訳ないのだが、男だけが分かるヤバい感動スイッチがラスト10分に置いてあるのだ。

星は10個。
これを越える映画は僕の中でほかに存在しない。★★★★★★★★★★


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先週に続き、今週も「午前十時の映画祭」。
日曜日の朝、TOHOシネマズ日本橋に友人6人と集まった。
観賞するのは、インディアナ・ジョーンズシリーズの第2弾「魔宮の伝説」。
日曜日の朝9時50分の上映なのに、席は完売(先週も完売だった)。
やはりこのシリーズの人気のほどが窺える。
僕が高1の時に公開されたこの映画は、3作の中でとびきり荒唐無稽な中身から当時はまぁまぁだなとしか思わなかったのだが、時間が経つにつれ評価が上がり、今ではシリーズの中で1位2位を争う存在になっている。
とにかく最初から最後までずっと面白い。
アクションもギャグも全てハマっていて、なかなかここまでずっと面白い映画も珍しいと思う。
もちろん40年ぶりに大スクリーンで観た「魔宮の伝説」も抜群に面白かった。

映画を観たあとは、秋葉原の「しゃぶ葉」へ行った。
実は先週も同じ店に行ったのだが、そのあまりコスパの良さに2週連続で食べに行っちゃったのだ。
ラム肉、牛肉、豚肉全部食べ放題にアルコール飲み放題まで付けて、1人4000円強。
大丈夫なのかと心配になるほど安いのだが、果たしてこれで儲けは出ているのだろうか。
1人10皿ぐらいをペロリと平らげて帰ってきた。

次週はついにシリーズ第3弾「最後の聖戦」。
3週連続「しゃぶ葉」なのか?
それとも別の店に行くのか?(秋葉原に有名な寿司食べ放題があり、そこが候補に挙がっている)
果たして……?

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「午前十時の映画祭」で「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」を観てきた。
TOHOシネマズ日本橋で、日曜日の朝9時半からの上映。
席数110程度の小さなシアター3。
友人たち6人で観た。
久々に大スクリーンで観る「レイダース」はとても面白かった。

あれは1981年、中学1年生の冬。
僕は父と一緒に京成千葉駅の京成ローザという映画館に「エレファントマン」を観に行ったのだ。
当時は「エレファントマン」が大変な話題になっていて、なんと京成ローザは立ち見も出る満員で入場できず。
そこで父が「せっかくだからなんか適当な映画を観て帰ろう」と言い、たまたま隣の小さな地下の映画館でやっていた映画を観た。
それが「レイダース」だった。

「レイダース」は当時、テレビでいかにもB級映画っぽい怪しいCMが流れているだけで、ほとんど話題になっていない映画だった。
そんな映画を、まぁ仕方ないからというテンションで観た僕だったが、そのあまりの面白さに腰を抜かした。
すぐさまパンフを買って読んだら、監督が「ジョーズ」や「未知との遭遇」のスティーブン・スピルバーグ、原案が「スター・ウォーズ」のジョージ・ルーカス、音楽はジョン・ウィリアムス、主演はなんと「スター・ウォーズ」のハン・ソロ役のハリソン・フォードと書いてあるではないか?(映画を観ているときは気付かなかったw)
これですっかりやられてしまった僕は、1人父を帰らせて、そのままもう一度「レイダース」を観た(当時の映画館は全席自由席で、一度チケットを買って入場すれば終映まで好きなだけ何度でも観ることができた)。
世の中にこんなに面白い映画があるのか、と思った。
ある意味僕の映画好きはこの瞬間、「レイダース」と共に始まったと言っていい。
そして翌年の1982年、「スター・ウォーズ日本語版」の劇場上映がやってきて、僕はそこで本格的にやられちゃうのだ。

というわけで、懐かしい「レイダース」。
「午前十時の映画祭」では、次の金曜日から「魔宮の伝説」そして、翌週は「最後の聖戦」がかかる。
もちろんスター・ウォーズファンクラブの仲間たちと、残り2本も見に行く予定になっている。

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