そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





今度のアカデミー賞に作品賞でノミネートされているこちら。
良い評判を聞くので、観てきた。
その感想。

これはね、愛すべき佳作って感じ。
星は3つ半。★★★1/2
反ナチのブラックコメディでヒューマンドラマ。
主人公は10歳のナチス大好きな男の子。
彼の目線で、第二次世界末期、敗戦間近のドイツが、笑えて、泣けて、痛々しく描かれていく。

ヒトラーやナチスを揶揄しまくり、「笑って良いのかこれ?」みたいな感覚になるが、おそらく英語圏ではゲラゲラ笑っているのだろう。
日本の観客はほとんどクスリともしなくて静まりかえった映画館だったが、僕1人だけ途中のしつこい「ハイル・ヒトラー」ギャグで吹き出してしまい、バツが悪い気分になってしまった(笑)。
この映画の特筆すべきは、オープニングとエンディング。
ある音楽が流れるオープニングがなんとも(いろんな意味で)素晴らしいのと、映画のラスト、2人の人物がずっとカットバックするところのアイディアが秀逸だと思った。
観て全然損はない。
今の時期はアカデミー作品賞にノミネートされている良い映画がたくさん映画館で掛かっているので、ぜひ映画館で映画を観よう。
今映画館での僕のオススメは、
①「パラサイト」
②「キャッツ」
③「ジョジョ・ラビット」
④「フォードVSフェラーリ」
2位の「キャッツ」はアカデミー賞ではなく、ゴールデンラズベリー賞(最低映画賞)の作品賞ノミネート作だけど(笑)。


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「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの監督ピーター・ジャクソンが手がけたドキュメンタリー。
題材は第一次世界大戦のいわゆる“西部戦線”。
今映画館で上映されているのだが、実はソフトとしてもレンタルや購入が可能なので、自宅地下シアターで鑑賞。
その感想。

凄かった。
圧巻。
星3つ半。★★★1/2

このドキュメンタリー、なにが凄いかというと、
第一次大戦で実際に撮影された当時のモノクロフィルム映像を、最新の技術でカラー化し、さらに古いフィルム特有のカクカクした動きを滑らかに再生出来るよう最新技術で処理し、時代考証に基づいた効果音を付け、映っている兵士たちのセリフは読心術の専門家が唇を読んだものでアフレコして、とにかく「本物の西部戦線のイギリス軍VSドイツ軍の戦争映像を生々しく再現した」ドキュメントなのだ。
凄い昔の出来事のように思える第一次世界大戦で戦った兵士たちが、フィルムをきちんと今風に再現した結果、今生きている普通の若者たちと全く変わらない生々しい人間として、その戦闘の最中生きていたことが伝わってくると言うものだ。
大量殺戮兵器が登場し、ガス兵器が登場し、戦車が発明され、一度の戦闘で何万人も死ぬような近代戦が生み出された、第一次世界大戦。
その最前線だった西部戦線で戦った若者たちが、笑い、じゃれ合い、冗談を言い合う姿が蘇る。
もう、恐ろしいとしか言い様がない地獄。
その地獄映像を、当時戦った兵士たちのモノローグで見ていくという2時間になっている。
生々しい死体や、生々しい戦闘の様子、生々しい迫撃砲、射撃、爆弾、戦車。
とんでもない臨場感で、第一次世界大戦が、本当にそこで今と変わらない若者たちが戦っていたのだ、という事実があぶり出される。

戦争は恐ろしい。

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話題の全米大コケ映画「キャッツ」。
メッチャ酷評されていて、もうボロボロ。
好奇心から観に行ってみた。
その感想。

ヤバい、感動して泣いてしまったよ。
星3つ半。★★★1/2
僕の中では名作の部類に入る。
どうしよう?w

これ、酷評される理由はいろいろ考えられる。
なので今から皆さんに質問をする。
YES/NOで答えてみよう。

①ミュージカル「キャッツ」を観たことがある。YES/NO
②猫が好き。YES/NO
③ミュージカルを映画化するならちゃんと映画としての体裁を整えるべきだ。YES/NO

……さぁ、どうだっただろうか?
①と②がYESで、③がNOの人は僕と同じなので、この映画、おそらく感動出来ると思う。
そうじゃない人、とくに①がNOの人、舞台版「キャッツ」の中身を知らない人は、観に行くと酷い目に遭ったと感じるだろう。
つまり、今回の映画「キャッツ」は……
「ミュージカル『キャッツ』を、そのまんま映像化した猫好きに刺さる映画」なのだ。
で、その舞台版「キャッツ」なるものに対する「耐性」と「知識」のあるなしで、映画の評価が変わってきちまうのだと思われる。
知ってる人は耐えられる。
今回の映画で初めて『キャッツ』を観るのはやめたほうがいい。

以下、舞台版「キャッツ」を観たことない人向けに、あえてネタバレを書く。
むしろ逆に、今から僕が書くようなネタバレを知識として持った上で映画館に向かえば、おそらくショックは受けないはずだ。

まず第一に、映画「キャッツ」に、ストーリーなんか、ない。
だってミュージカル「キャッツ」に、そもそもストーリーなんかないんだから。
それを知った上で映画を観に行って欲しい。

まぁ「ストーリーがない」と言い切ると語弊があって、少しはあるんだけど、ないっちゃあない。w
というのも、ミュージカル「キャッツ」は、ひたすら猫たちが自己紹介の歌を歌って踊るという内容だからだ。
次から次へと個性的な猫が出てきて、それぞれ自己紹介の曲を歌い踊っていくだけなのだ。
で、最後にその中から1匹の猫が選ばれて、天に召されて、生まれ変わるって話。
2時間以上かけて、ただ、それだけのことをやるのが傑作ミュージカル「キャッツ』なのだ。
だから、そもそもミュージカル「キャッツ」がそういう内容である以上、映画もそういう内容になっているだけのこと。
でも、酷評している向きも分かる。
「わざわざ映画化をするなら、もう少しちゃんとストーリーを作れよ」というのが酷評の理由だ。
でも、僕なんかに言わせてみれば「『キャッツ』って元々そういうもんじゃん」としか言いようがない。
そもそも、ストーリーなんてないし、ストーリー的な面白さなんかないのだ。
でもラスト、感動しちゃうのよ。
なんで感動しちゃうか?
それは猫好きだからだよ。
猫が人に向かって語りかけるラストで泣くのよ。
ここはミュージカルの舞台と全く同じだ。
舞台だからこそ観客に語りかけ、ストレートに届いていた猫の言葉が、映画では映画的な技法で観客に直接語りかけられる。
そりゃ泣くだろう、という話だ。

もう1つの問題点。
酷評ポイント。
猫人間たちのビジュアルが気持ち悪いという点について。
これは観客個々の好みの問題なので、気持ち悪いという人は、もう仕方ない。
でも、僕はむしろ役者たちの猫的な動きや、猫を模したダンス、そして主演のバレリーナの女の子の見事なダンス、テイラー・スウィフト、ジェニファー・ハドソンの見事な歌など、猫人間のパフォーマンスが素晴らしく美しくなまめかしく見えたので、全然OKだった。
CGもそこまで無茶苦茶ひどくもない。
むしろなんでこんなに気持ち悪がられているのか分からないというレベルだった。
良いよ、今回の映画版「キャッツ」の猫人間たちのビジュアルは。
主演のビクトリアって子猫なんて、可愛くて可愛くて仕方ない。
テイラー・スウィフトの演じる猫なんて、格好良くて最高。
一部、なんで毛皮を服みたいに脱ぐと中に服着ているんだ、みたいな意味不明キャラも出てくるが、概ね悪くない。
いや、むしろ、ビジュアルは素晴らしい。

で、最後に重要な酷評ポイント。
そのネタバレをあえて教えておく。
ネズミとゴキブリだ。
舞台版の「キャッツ」でも登場したネズミやゴキブリが、映画ではこれも擬人化されたキャラクターとして人間の顔をつけて出てくる。
舞台版では人間が等身大で演じるが、映画ではちっちゃいサイズで出てくる。
これ、「キャッツ」を知らない人は、相当気持ち悪いだろう。
でも、ネズミもゴキブリも「キャッツ」に出てくるのは必然だし、ネズミ人間やゴキブリ人間が猫人間にパクッとかバリバリッと食べられる悪趣味な演出も、そういうもんだと思って観ればそこまで気持ち悪くないと思う。
ネズミ人間もゴキブリ人間も、そういうのが出てくるもんだと身構えて観れば、ビジュアル的にそこまで気持ち悪くもない。

つまり、だ。
映画「キャッツ」は、舞台版のミュージカル「キャッツ」を、
そのまんま、さらにリアルな猫人間(ネズミ人間・ゴキブリ人間)として映像化した、超一級のエンターテインメントなのである。

あえて、オススメしたい。
僕はマジでラスト10分ぐらいずっと泣いた。
これが「キャッツ」だよ。
うん、「キャッツ」ってこういうもんなのだよ、最初から。

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「パラサイト 半地下の家族」が韓国映画として初めてカンヌ映画祭グランプリ受賞。
さらに米国アカデミー賞で前代未聞の作品賞ノミネート(日本映画でも過去に例がない)。
今注目を集めている天才監督、ポン・ジュノの過去作をあまり見ていないことに気がついた。
「殺人の追憶」は観た。
すごく良かった。
「グエムル」も観た。
あまり良かった印象はない。
というわけで、ポン・ジュノの過去作を2本まとめて観てみた。
まずはNetflixで今配信中、「スノーピアサー」だ。

これはなんというか微妙。
星は1つ半。★1/2
「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンスが主演で、ティルダ・スウィントンが出てきて、ソン・ガンホも出て、最後にはエド・ハリスまで出てくるというハリウッド作なんだけれど、原作ありものなのでポン・ジュノも少々その原作に引っ張られてしまっているのか、「パラサイト」や「殺人の追憶」のようないつものキレがない感じ。
そんなわけあるかい、とツッコミしかない設定の中、さらにとんでもないことが次々と起こるため、トンデモのインフレが起き続け、最後の方にはもう食傷気味で、この映画で起きている全ての事象がどうでも良くなるという素晴らしいダメ映画の反面教師のような作品だった。
トンデモSFが好きな人にはハマるかも知れない。
僕はダメ。



続いて「母なる証明」。
こちらはAmazonプライムで今配信されている。

星は4つ半。★★★★1/2
これは僕にとっては「殺人の追憶や「パラサイト」級。
重さでいうと「殺人の追憶」をすら凌駕していて、さすがポン・ジュノといって良い、もしかすると最高傑作かも。
とにかく凄い。
完璧な映画。

ストーリーを簡潔に言うと、田舎町で貧乏暮らししている母(韓国の名女優)と息子(ウォンビン)。
息子はいわゆる知恵遅れで、バカと言われるとキレる。
ある日、その田舎町で女子高生殺人事件が発生。
事件現場にその知恵遅れ息子が遊んでいたゴルフボールが落ちていたことで、息子が殺人容疑で逮捕される。
しかし、息子が犯人だとは思えない母が、自分1人で捜査を始めるが……というもの。
これね、映画全体に漂う不穏な空気の演出とか、母と息子の異常な関係性の描写、母の狂気の演出、「パラサイト」に酷似した緊張状態の中のサスペンスなど、ありとあらゆる面で素晴らしくて、観ていて唸った。
こりゃあすげーや、って。
いたたまれない物語、救いがない話に耐性がある人はぜひ観て欲しい。
「殺人の追憶」同様、見終わった後に重厚な何かが残る映画になっている。

ちなみにこの映画、その昔超イケメンとして人気があったウォンビンが兵役から帰ってきて最初に出演した映画。
それだけで韓流好きのオバチャンたちは公開当時飛びついたはずだ。
ウォンビン目当てで観に行ったオバチャンたちがどんな思いで劇場を後にしたのか考えると感慨深い。
格好いいウォンビンを観に行ったつもりが、こんなものを見させられてオバチャンたちは深く傷ついたことだろう。
映画とは罪作りである。
それにしても、兵役からの復帰作にポン・ジュノのこの映画を選んだウォンビンは相当凄い。

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今年度アカデミー作品賞にノミネートされた作品。
史実を元にしたフォードとフェラーリのレースカー対決の物語。
1966年のル・マン24時間レースがクライマックス。
二子玉IMAXで鑑賞。
その感想。

これはね、IMAXで観ると胸アツ。
なにしろエンジンの爆音が凄いので、レースシーンがアガるアガる。
全て実写で撮影したというとんでもない迫力のレースシーンに男の子は昇天必至。
大スクリーン大音響で体感できるIMAXがオススメだ。
とはいえ、映画としては少しとっ散らかっていて勿体ないが、星3つ。★★★
前半にものすごくいいレーサーとその奥さんとの車中のシーンがあるのよ。
で、「あ、この映画はこの夫婦の話を軸にするのかな」と思うと、そうでもなく笑
さらにレーサーの息子も出てきて、「え、奥さんじゃなくて、息子との話にするの?」と思うと、そうでもなくて笑
そんでもって、「下町ロケット」的なお話なのかと思うと、エンジニアの頑張りみたいなのはそこまででもなく笑
フォードに雇われフェラーリに挑んだ男2人が、なんとフォード内部のホワイトカラーに足を引っ張られてるという、胸くそ悪いストーリーが軸になっているという、想像していたのと映画の中身が少し違ってなんだかなぁ〜な映画だった。
これね、エンジニアの頑張りと、レーサーとその奥さんの愛の話の二筋ぐらいに絞り込んで、勧善懲悪ものにしていたら、(少なくとも日本では)メッチャヒットしたような気がするなぁ。
まぁ、史実がそんな分かりやすいことじゃないらしいので、こんな映画になるのも仕方ないのだが。

でもね、レースシーンが凄いので一見の価値あり。
レース映画は映画感で観るのが一番なのよ。
「グラン・プリ」しかり、「栄光のル・マン」しかり「ラッシュ」しかり。
これはなかなかオススメなレース映画でした。
クリスチャン・ベイル格好いいよ。

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今年も去年の「ROMA」に続いてアカデミー賞を騒がせそうなNetflixの作品群。
その最後を飾るのがこちらの「マリッジ・ストーリー」。
「スター・ウォーズ」で悪役カイロ・レンを演じているアダム・ドライバーと、MCUシリーズでブラック・ウィドウを演じるスカーレット・ヨハンソンというバカ映画のキャスティング2人で大丈夫かと思うが、そもそもこの2人とも名優であり、スターウォーズやマーベルに出たことが汚点なのだが、彼彼女もナタリー・ポートマンみたいにそのうち黒歴史としてスターウォーズやマーベルの過去は葬り去ることだろう。
そのぐらい、この2人の名優が凄い仕事をしているのが、この映画だ。

星は4つ。★★★★
ジャンルでいうと「ドロ沼離婚コメディ」とでもいえば良いのだろうか?
いや、コメディというには途中余りにも凄すぎる壮絶な大ゲンカシーンがあるので「ドロ沼離婚ドキュメント」に近いかも。
とにかく、夫婦が離婚していく過程を、リアルに、シリアスに、ときにバカバカしく、悲しく、熱く、描いている。
映画の前半にやってくるスカーレット・ヨハンソンの延々ワンカットで送るひとり芝居の凄み。
映画の終盤に行われるアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンの延々続く罵り合いの凄み。
前半はなんだかマヌケでクスクス笑ってしまうのだが、徐々にシリアスになり、見ているこっちの心が痛くなるようなヒリヒリした離婚の結末には、少しだけホッコリしたものが待っていて……と、とにかく良く出来ているドラマ。
作品賞はないだろうが、スカーレット・ヨハンソンの主演女優賞はありそう。
ま、なんにせよ、こっちも傑作です。
やっぱNetflixはヤバい。
ハリウッドでは出来ないいい映画を作るんだ、という気概に満ちた方向に進んでいるのが本当に素晴らしいと思います。

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Netflixがヤバい。
今度のアカデミー賞にノミネートされそうなオリジナル映画を3本も今配信中だ。
1本は前に紹介したスコセッシの「アイリッシュマン」だが、この「2人のローマ教皇」と「マリッジ・ストーリー」もノミネート予想されている。
観客動員数を気にせず、いい脚本に大金を投資し、素晴らしい名優を揃えて映画化するNetflix。
続編やリブートだらけのハリウッドに一石を投じ続けている。
というわけで、まずは「2人のローマ教皇」を観てみた。
その感想。

これは素晴らしい。
星4つ半。★★★★1/2
ヘタすりゃ今年観た映画の中でいい意味ではいちばんかも。
悪い意味では「ジョーカー」がダントツで1位なのだが、あれは余りにもダークすぎた。
ニヤニヤ笑えて、ほろっとして、映像やロケ地の凄さにおおっと唸る映画的映画感でいうと、こっちが1位でも良いだろう。
そのぐらい素晴らしかった。
実話ベースというところがやや卑怯なので、マイナス0.5点している。
本来なら5点満点の出来だ。

現ローマ教皇と前ローマ教皇の実話がベース。
前ローマ教皇ベネディクト16世は自らの意志で辞任した珍しい教皇で、今は名誉教皇になっている。
その後を継いだのが現ローマ教皇のフランシスコ。
この2人の関係を思想の違いベースに描きつつ、なんとコメディというこの映画。
バチカン市国始めとした世界中のさまざまな場所でロケしているが、バチカン市国は撮影におそらく全面協力しているんだろう。
コンクラーベの会場なんてこんなに綺麗な映像で初めて観たし(たぶん本当の場所でロケしている)、とくにシスティーナ礼拝堂のミケランジェロの大壁画の前でロケしているところなんか「こんな場所で映画撮っていいのかよ」と驚愕したし、実際撮影しているし、凄いったら凄い。
実話ベースとはいえ、史実とは全然違うらしいんだが、老人2人の禅問答みたいな2時間が実に心地良く、ほっこりした。
アカデミー作品賞あげても良いとさえ思う。
傑作。

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2016年の超名作アニメ映画「この世界の片隅に」。
そこに30分以上の追加シーンを加えた今作。
クラウドファンディングによる応援チームにも加わり、エンドクレジットに名前が載るという栄誉も受け、映画館で鑑賞してきた。
その感想。

星は5つ。★★★★★
文句なしの満点。
前作も満点だったが、今作も満点。
間違いない“素晴らしい映画”である。
全日本人が観るべきだし、全日本の小学校中学校で全校上映すべき傑作。
日本アニメ史上の特別な作品として、未来永劫語り継がれるべき作品。

原作漫画にはあったが、前作では描かれなかったシーンが追加され、この追加によって映画がまた違う味わいの傑作になっている。
男性キャラクターの存在感が少し後退し、代わりに女性キャラクターたちの「生」と「性」が色濃くますます前面に。
その分複雑な感情を描いていて、より重厚感が増したというか、人間味や現実感が増した。
素晴らしすぎて、映画を鑑賞中何度も落涙。
ポロポロ出てくる涙を抑えられなかった。
これを名作といわず、どうするのか?
スターウォーズの5万倍良い。
スターウォーズなんか観に行くヒマがあったら、これを見ろ。

ちなみにエンドクレジットで自分の名前は見つけられなかった。
そりゃそうだ。
とんでもない数なんだもの。
ソフト化した後にじっくり探すことにしよう。

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2019年のカンヌ映画祭グランプリ“パルムドール”受賞作。
超名作「殺人の追憶」で知られるポン・ジュノ監督の韓国映画。
とんでもない映画だという噂を聞いて、先行上映で観てきた。
その感想。

これは星5つ。★★★★★
まごうことなき怪作。
一応映画紹介ではブラックコメディということになっているが、重層的に連なったさまざまな映画的要素が次から次へと予測不能に続き、圧倒される。
ストーリーとしての面白さ、奇抜さ、意外性はもちろんだが、その背景に現代社会が抱えるさまざまな闇を配し(格差社会や地球温暖化)、クスクス笑わせられていたと思ったら、ハラハラドキドキさせられ、爽快な気分になったかと思ったら、めちゃくちゃいやな気分にさせられたり、と、とにかく感情を揺さぶられる。
それでいて“実際にありそうな話”という一線を決して越えないというとんでもない脚本はもう素晴らしいとしかいいようがない。
韓国映画特有のグロい下品な下ネタや、よく分からない“石”への異常なこだわりの文化描写など、日本人には少し不可解な部分があるが、どう考えても凄すぎるので星5つの満点作であり、韓国でとんでもない大ヒットをしているというのもよく分かる。
これを日本にそのまま舞台を置き換えて、日本人監督がリメイクしてくれたら、それはそれでなかなかの怪作になるだろう。

オススメ。
スターウォーズの5000倍良い。

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