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ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の「DUNE/砂の惑星」3部作。
その第2作が現在映画館で絶賛上映中。
早くも「PART1」の全世界興行収入を突破確実と報道されるぐらいの大ヒット中。
友人たちの評判の良さもあり、なるはやで本日二子玉のIMAXで観てきた。
その感想。
圧巻。
星4つ。★★★★
映画館で、それも出来れば最高の音響を備えたIMAX等の環境で観るべき作品。
ヴィルヌーブの映画的な胆力と画力の凄まじさがもう異次元。
映像の洗練さと美しさ、そして音響と音楽の凄さがもう圧倒的レベルに達していて、「うわぁ!これぞ映画館でみるべき映画らしい映画だわー!」ってなる。
ぶっちゃけ、映画として面白いか面白くないかで言うと、僕は面白いというわけではなかった(笑)。
原作小説読んでるし、過去の映画化作品も何度も繰り返し観ているのでストーリーを知っちゃってるから、というのが大きいだろう。
劇中にほぼ意外なことが起こらないので、面白くはないのだ。
原作と違い、ポールとチャニの関係性にフォーカスしているが、それも余り感情移入出来ず。
しかし、映像と音の凄さだけで呆気に取られたまま、3時間ずっと観ていられるすごいSF文芸大作なのだ。
まさに映像と音を浴びに行く感じ。
こんなにずっと凄い凄いが続く映画もなかなかない。
だから星4つ。
もう細かいことはいいのだ。
すげぇーんだからさ。
メチャメチャ面白いとかそういう類の映画ではない。
これは文芸だよ、文芸。
で・も・ね……
僕は1984年公開のデヴィッド・リンチ監督版の「デューン/砂の惑星」の方がだんぜん好きなのだ。
あれは確かにいろいろ問題が多い映画ではある。
モノローグ過多だし、後半ほとんどダイジェストみたいな編集だし、エンディングなんて、原作と真逆のことになって大団円だ、怒る人がいるのも分かる。
しかーし、だ。
好きなのだ、アレが。
カイル・マクラクランが演じるポール・アトレイデスの色気。
狂気のハルコネン男爵と、彼の顔中に出来ているよく分からない吹き出物。
スティングが演じるフェイドのマジでヤバそうな雰囲気と異様な色気。
チャニなんて「ブレードランナー」のショーン・ヤングだぞ。
そして、原作には一切出て来ない「ムアディーブ!」「チャーー!」とか言って放つモジュール武器。
そして、ダサ格好いいにもほどがあるエンドクレジット。
いやいやいや、もう最高じゃん。
というわけで、僕的には1984年のデヴィ・ド・リンチ監督の「デューン/砂の惑星」を激烈に推す。
なんでも今年の夏頃、映画館で上映されるらしい。
見に行かねば!
で、最後に今回の「PART2」で唯一残念だった部分について書く。
少しネタバレになるので、まだ映画を観ていない人は気をつけて欲しい。
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今回のPART2、原作に忠実かというとそうでもなく、1番大きな改編はポールの妹アリアの描写だ(本当はチャニが生む赤ん坊レト2世とその死もやってほしかったけどね)。
原作小説でも、デヴィッド・リンチの映画でも、ポールの妹アリアは小さな少女ながら恐るべき超能力者となって登場し、ハルコネン男爵をその手で葬る。
しかし、なんとヴィルヌーブ監督の映画ではアリアはジェシカのおなかの中にいる胎児のまま、PART2の映画が終わってしまうのだ。
ハルコネンにとどめを刺すのはポール自らである。
うーむ、ここだけは少し納得がいかない。
アリアがハルコネンを毒針で殺すところが最高の見せ場なのに、なぜポールに殺させたのか?
復讐という意味ではこの改編も理解できるのだが、あの大デブ・ハルコネン男爵は、ほんの少女であるアリアがあっさり殺すからこそ、ある意味スッキリするのだと僕は思う。
ポール・ムアディブには、そのあとフェイド・ハルコネンを決闘できっちり殺すという見せ場があるのだから、やはり9歳のアリアを登場させておいて欲しかった。
ちなみに、アリアは次回作PART3で、アニャ・テイラー=ジョイが演じることが確定(1シーン夢に出てきたから)。
次回、アニャ・テイラー=ジョイが大人になったアリア役を演じるのはとても良い人選なのだが、9歳の少女だったアリアも見たかったのだ。
……という残念ポイントもあるのだが、とにかくヴィルヌーブのが胆力と画力が凄いので許す。
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