そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





Netflixで全8話が一挙配信された「三体」。
中国人作家・劉慈欣が書いた2008年のSF小説で、アジア人として初めてのヒューゴー賞を受賞。
その後「三体2黒暗森林」「三体3死神永生」の3部作で完結した。
そんな小説のドラマ化。
話題になっていたので早速観てみた感想。

原作小説を読んでいなかったため、前知識なく全くサラの状態で見たのだが、とても面白かった。
星は3つ。★★★
ああ、そんな話なんだ、という感想。
見終わってから「三体3部作」に興味を持ったので、ネットのネタバレサイトなどをいろいろ読んだ。

なんと今回Netflixが作った全8話は、原作小説をかなりアレンジしているようだ。
とても分かりやすく見やすくなっていたので、Netflixの脚色は成功していると思う。
さすが「ゲーム・オブ・スローンズ」のチームが手掛けているだけのことはある。
全8話の内5話までで原作の1巻「三体」の話は終わっているらしい。
そして残る3話でやっているのは、3部作の3作目「死神永生」の前半の話。
原作小説では、3部作それぞれで主人公が変わっていくらしいのだが、Netflixは最初からその登場人物を全部まとめて出しちゃっているそうだ。
この原作改編が、原作ファンには不評らしく、原作ファンの間では評価が低いらしいが、全く原作を読んだこともない僕みたいな視聴者にとってはむしろわかりやすく改編されていると思う。
久々にハードSFらしいハードSFを観た感じがして面白かった。
ストーリーは荒唐無稽でそんなことあるかいなというムチャクチャ展開も多いのだが、物理学とかをベースにして説得力を持って語られるので、なんとなく観ていられるという感じ。
「宇宙人が攻めてくる」系のSFが好きな人は観て損はないと思う。
シーズン1の評価次第だけど、是非シーズン2を作って欲しい。
ドラマとしては頑張って作っていると思うので。


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ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の「DUNE/砂の惑星」3部作。
その第2作が現在映画館で絶賛上映中。
早くも「PART1」の全世界興行収入を突破確実と報道されるぐらいの大ヒット中。
友人たちの評判の良さもあり、なるはやで本日二子玉のIMAXで観てきた。
その感想。

圧巻。
星4つ。★★★★
映画館で、それも出来れば最高の音響を備えたIMAX等の環境で観るべき作品。
ヴィルヌーブの映画的な胆力と画力の凄まじさがもう異次元。
映像の洗練さと美しさ、そして音響と音楽の凄さがもう圧倒的レベルに達していて、「うわぁ!これぞ映画館でみるべき映画らしい映画だわー!」ってなる。
ぶっちゃけ、映画として面白いか面白くないかで言うと、僕は面白いというわけではなかった(笑)。
原作小説読んでるし、過去の映画化作品も何度も繰り返し観ているのでストーリーを知っちゃってるから、というのが大きいだろう。
劇中にほぼ意外なことが起こらないので、面白くはないのだ。
原作と違い、ポールとチャニの関係性にフォーカスしているが、それも余り感情移入出来ず。
しかし、映像と音の凄さだけで呆気に取られたまま、3時間ずっと観ていられるすごいSF文芸大作なのだ。
まさに映像と音を浴びに行く感じ。
こんなにずっと凄い凄いが続く映画もなかなかない。
だから星4つ。
もう細かいことはいいのだ。
すげぇーんだからさ。
メチャメチャ面白いとかそういう類の映画ではない。
これは文芸だよ、文芸。

で・も・ね……
僕は1984年公開のデヴィッド・リンチ監督版の「デューン/砂の惑星」の方がだんぜん好きなのだ。

あれは確かにいろいろ問題が多い映画ではある。
モノローグ過多だし、後半ほとんどダイジェストみたいな編集だし、エンディングなんて、原作と真逆のことになって大団円だ、怒る人がいるのも分かる。
しかーし、だ。
好きなのだ、アレが。
カイル・マクラクランが演じるポール・アトレイデスの色気。
狂気のハルコネン男爵と、彼の顔中に出来ているよく分からない吹き出物。
スティングが演じるフェイドのマジでヤバそうな雰囲気と異様な色気。
チャニなんて「ブレードランナー」のショーン・ヤングだぞ。
そして、原作には一切出て来ない「ムアディーブ!」「チャーー!」とか言って放つモジュール武器。
そして、ダサ格好いいにもほどがあるエンドクレジット。
いやいやいや、もう最高じゃん。
というわけで、僕的には1984年のデヴィ・ド・リンチ監督の「デューン/砂の惑星」を激烈に推す。
なんでも今年の夏頃、映画館で上映されるらしい。
見に行かねば!

で、最後に今回の「PART2」で唯一残念だった部分について書く。
少しネタバレになるので、まだ映画を観ていない人は気をつけて欲しい。









今回のPART2、原作に忠実かというとそうでもなく、1番大きな改編はポールの妹アリアの描写だ(本当はチャニが生む赤ん坊レト2世とその死もやってほしかったけどね)。
原作小説でも、デヴィッド・リンチの映画でも、ポールの妹アリアは小さな少女ながら恐るべき超能力者となって登場し、ハルコネン男爵をその手で葬る。
しかし、なんとヴィルヌーブ監督の映画ではアリアはジェシカのおなかの中にいる胎児のまま、PART2の映画が終わってしまうのだ。
ハルコネンにとどめを刺すのはポール自らである。
うーむ、ここだけは少し納得がいかない。
アリアがハルコネンを毒針で殺すところが最高の見せ場なのに、なぜポールに殺させたのか?
復讐という意味ではこの改編も理解できるのだが、あの大デブ・ハルコネン男爵は、ほんの少女であるアリアがあっさり殺すからこそ、ある意味スッキリするのだと僕は思う。
ポール・ムアディブには、そのあとフェイド・ハルコネンを決闘できっちり殺すという見せ場があるのだから、やはり9歳のアリアを登場させておいて欲しかった。
ちなみに、アリアは次回作PART3で、アニャ・テイラー=ジョイが演じることが確定(1シーン夢に出てきたから)。
次回、アニャ・テイラー=ジョイが大人になったアリア役を演じるのはとても良い人選なのだが、9歳の少女だったアリアも見たかったのだ。
……という残念ポイントもあるのだが、とにかくヴィルヌーブのが胆力と画力が凄いので許す。

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約2年半前、2021年10月に日本公開されたこの映画。
現在映画館でやっている「PART2」の前作、「デューン砂の惑星PART1」だ(映画館で観て始めてPART1と出たのでビックリした思い出がある)。
観に行った当時はブログから少し離れていた時期だったので、まったく感想記事を書いていなかった。
そこで、今から「PART2」を映画館に観に行くので、その前にもう一度「PART1」を復習として観返したのだ。
その感想。

文句なし。
星4つ。★★★★
フランク・ハーバートの原作SF小説「デューン砂の惑星」の映像化の中でも、これが決定版だろう。
というか、なぜ星5つじゃないのかと疑問を持たれるかも知れない。
ズバリ、「ちゃんとしすぎていて面白みに欠ける、可愛げがない」から。
もはやイチャモンみたいな点数の付け方だ。
だが、それぐらい隙がないし、完璧な出来になっている。
今やっている「PART2」はそれこそ原作小説の1番面白いところが詰まった後半戦なので、是非IMAXで鑑賞することを勧めたい。
この監督は、「DUNE」に関しては完璧に見切っている。
100%、スゴイものを作ってくるはずだ。

今から「PART2」を観に行ってくる。
楽しみ、楽しみ。
その感想はまた後ほど。

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