そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





1986年の大ヒット作「トップガン」の、36年ぶりの続編。
上映初日にIMAXで観てきました。
その感想。

はい、久々に超傑作来ました。
星4つ半。★★★★1/2
素晴らしいです。
もう本当に素晴らしい。
映画を観たーーーーって感じ。
こんなの「トップガン」以外の何物でもないやろーーーーって感じ。
1980年代の映画かよーーーーーーって感じ。
ストーリーはベタベタ、薄いといえば薄い、中身ないといえばない。
でも、最高なのよ。
だってこれ「トップガン」なんだから。
戦闘機に少しでも萌える男の子なら、絶対に映画館で観たほうがいい。
女の子でもイケおじのトム・クルーズに萌えたり、戦闘機に少しでも萌えるなら、映画館で観たほうがいい。
もう現時点で今年のベスト5に入る映画だと思う。
映画観ている間ずっと、「コレはすごい」と思ってました。
映画としてはとても頭悪い出来なんだけど、それが「トップガン」なのよ。
で、それでいいのよ。
大絶賛!

まず言いたいことは……
前作を必ず復習してから見に行こう。
「トップガン」という映画は、ある意味非常にクセが強い映画で、そのクセの強さが男の子のハートをビンビン刺激するわけで、その36年前の「クセ」を理解した上で今回の映画を観に行くと、いかにこの新作映画の制作陣が素晴らしい仕事をやってのけたかが分かると思う。
もう、ひとことで言うと、完全に今回の映画も「トップガンでしかない」のよ。
トップガン中のトップガンなの。
もう、トップガン風味が36年経ってることを感じさせないぐらいに、ちゃんと香ってるの。
「ああああトップガンってこういうのだったわぁぁぁぁ!」って思うのよ。
そのためにも、前作を復習しておくと良い。
ストーリー的にも非常に繋がりが深いので、前作を観ておくとより感情移入出来ます。
僕は3日前に前作「トップガン」をもう一度観返してから、今回見に行きました。
はっきり言って、泣きました。
ああ、泣いた。泣いたよ。
そういう感じです。
伝わるかなぁ。

以下ネタバレを少し。










恋愛パートがさ、相手役のジェニファー・コネリーはすごく良いんだけど、いまいち本筋のストーリーと無関係なのよ。
マーヴェリックにグースの息子との向き合い方を少し示唆するだけ、の役割というか。
だから恋愛パートだけ、映画の中で少し浮いてるのよね。
その分、評価の星も5点満点から1/2点だけ引いたんだけど。
ジェニファー・コネリーとのよく分からない恋愛を描くなら、少々強引でも前作のヒロイン役ケリー・マクギリスを出演させて、そっちとの話をやった方が良かったかもなぁ(彼女に一切言及されないのも気持ち悪いのよねぇ)。
……と思ったが、ケリー・マクギリスは年を取って、年相応のおばあちゃんになっているので、出演はそもそもないか、断ったらしい。
あるいは、グースの妻役だったメグ・ライアンを出演させて、親子の話を主にして、恋愛パートは捨てたほうが良かったかもなぁ。
……と思ったが、メグ・ライアンも年を取って、年相応のおばあちゃんになっているので、出演はそもそもないか、断ったのだろう。
だからジェニファー・コネリーなんだね。
分かるよ、分かる。
でも、ジェニファー・コネリーとのブロックは閑話休題として成立してるんだけど、それほど機能はしていないなぁ、というね。

まぁ、そんな映画的な欠点を、補って余りある戦闘機シーンの素晴らしさ。
一部にはもちろんCG使ってるんだろうけど(トマホークミサイルだけCG感が強くて萎えたけど)、戦闘機のシーンはほぼ実写に見えるので、とにかく画面から伝わる熱量が高いのよ。
手に汗握るってこういうことよ。
トム・クルーズ、いい仕事したよ。
この映画の制作陣は、素晴らしいよ。
続編として完璧だと思う。
多くの映画が続編では失敗するんだけど、これは非常にうまくいった例です。
感服しました。

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「シン・ゴジラ」「シン・ヱヴァンゲリオン」に続く「シン」シリーズ第3弾。
庵野秀明監督の「シン・ウルトラマン」を観てきた。
そのネタバレ感想。

まず大前提として、僕はウルトラマンには、そこまで思い入れがない。
とはいえ、1968年生まれなので、世代と言えば世代だ。
1971年に放送開始となった「帰ってきたウルトラマン」がいちばんのドンピシャ世代で、3歳の頃、「帰ってきたウルトラマン」が大好きで、なぜかウルトラマンのことを「バッスン」と呼んでいたらしく、いつも「バッスン来た」「バッスン来た」と興奮して騒いでいたと母親に聞いた。
そして興奮のあまり、「バッスン来たー!」と叫んで当時住んでいた八王子のアパートの窓ガラスに突っ込んでいき、右目の脇を切り、病院で何針か縫った。
そのときの傷跡は、今も僕の右目の脇に少し残っている。
……と、そのぐらいウルトラマンが好きだった男だ。
もちろん「初代マン」と「セブン」は再放送でよく見ていた。
とはいえ僕のウルトラマン記憶は「ウルトラマンタロウ」ぐらいで止まる。
同時期、仮面ライダーも好きで、V3がドンピシャだったが、こちらもアマゾンでイヤになる(笑)。
実写特撮ではゴレンジャーは大好きだったが、それ以降戦隊ものはあまり見ず(感覚がオトナになったんだろう)、興味はアニメに移っていき、子供のころに観ていた「マジンガーZ」「グレートマジンガー」「ゲッターロボ」「新造人間キャシャーン」と進み、「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」と続くのは皆さんご存じの通りだ。
1960年生まれの庵野秀明監督や、1963年生まれの樋口真嗣監督とはやはり世代が少しズレていて(この数年の差はあの当時としては相当デカい差だと思う)、僕はどちらかというと実写特撮ではなくアニメで育ち、で、洋画の「スターウォーズ」にやられちゃったわけだ。

というわけで、僕はウルトラマンには、そこまで思い入れがない。
そもそも子供向けのものだと認識している。
その上で今回の「シン・ウルトラマン」を観てきた。
その結果、まぁまぁ楽しめた。
星3つ。★★★
でもまぁ、その程度だ。
なぜなら映画としてはそんなに面白くないからだ。

大スクリーンにウルトラマンが出てきて、いろいろ活躍する。
いろんな怪獣も出てきて、工場とかを破壊する。
知的な宇宙人も出てきて、日本政府といろいろ駆け引きを繰り広げる。
実相寺アングルが多用されていてニヤニヤしちゃう。
登場人物たちの会話劇は「シン・ゴジラ」の時と違い、ずっとアニメチックでスベっている。
怪獣相手に戦う科学特捜隊なのにメンバーが5人しかいなくて小さな部屋でゴニョゴニョやってる。
それらもまぁ、元のウルトラマンが子供向けなので、それもまぁ面白いといえば面白い。
懐かしさもあって、星3つだ。★★★
でも、でも、だ。
それは「荒唐無稽な子供向けSF」としてだったり「ウルトラマンのオタク的リブート」として面白いだけで、映画としては面白くない。
「シン・ゴジラ」は映画として面白かったのに、「シン・ウルトラマン」は映画としては面白くない。
起承転結やドラマ性、テーマ性、人物描写、それら全てが薄いのだ(逆に言えばだから子供向けで荒唐無稽なのだが)。

見終わって、なんの話だったのと言われると、端的に説明することが出来ない。
どんな物語だったのかスパッと説明することが出来ない。
映画に感情移入出来たかというと、ずっと傍観者のままだったに過ぎない。
なぜウルトラマンはそこまで人間を好きになったのか、ぜんぜん分からない。
そういう映画だった。

それでも星3つというのは相当いい評価だと思う。
映画を観ている2時間、ずっとニヤニヤ出来たので、それで十分といえば十分か。

とはいえ、ひとつだけ邪魔に感じたのは、長澤まさみ周りの性的描写。
ヱヴァンゲリオンはアニメだから性的表現があっても「まぁアニメだからな」と思っていたが、実写でエヴァみたいなことをやられるとキツイ。
長澤まさみの身体を、性的に切り取るような映像、画角、演出、脚本、その全てが、不要。
わざわざウルトラマンの中でなぜそんなことをしなくてはならないのか意味が分からない。
Blu-rayとかで発売するときに、全部カットしたほうがいいのではないかと思う。
なんか、格好悪いのよ、あの感じ。
こういう性的消費を普通にやる感じ。
おっさんが欲望丸出し、みたいで笑。
そこだけは大反省だな。

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