そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



風立ちぬ [Blu-ray]
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宮崎駿監督の引退作(もう撤回したが)である「風立ちぬ」。
ロードショーで観た時には、星2つ半と評価していた。
YouTubeに転がっている町山智浩氏の「宮崎駿の世界」というWOWOWのトークイベント映像で、最近「風立ちぬ」の解釈を聞き、「なるほど」と膝を打って一度観たくなったので、観てみた。
その結果としての感想。

星4つ。★★★★

宮崎駿監督がこの「風立ちぬ」でやろうとしていたことを町山氏の解説を聞いたことで完全に理解して観たところ、中盤以降ずっと泣いてしまった。
実はこの作品、宮崎映画の中の最高傑作なのではないか?
宮崎駿という1人の人間が、おのれの全てを解き放って表現した作品なのではないか?
それを感じ取り、涙が止まらなくなった。
ひとことで言うならば「人生は矛盾に富んでいる」「テーマなんてない」「好きなものは好き」「自分のことが自分でも分かんない」「死ぬときは死ぬ」「それでも生きていくしかない」といった真実を描いているのだ。

しかーし、いかんせんそれが観客に伝わらないのだよ。
すごく大ヒットしたこの「風立ちぬ」だけど、観客のほとんどが首をひねりながら映画館を後にしたというね。
もったいない、実にもったいない。
でも僕は星4つを付けることにした。
いろいろ分かった上で観ると実は迫力が凄い作品だ。

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わたしに会うまでの1600キロ [Blu-ray]
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メキシコからカナダまで続く1600キロの「パシフィック・クレスト・トレイル」。
砂漠から始まって雪山まで、最高標高4000メートル地点までトレッキングする道。
その過酷な道のりを1995年に歩き通した27歳の女性、その実話の映画化。
リース・ウィザースプーンがアカデミー主演女優賞、ローラ・ダーンが助演女優賞にノミネートされた。
その感想。

1600キロの過酷な道を歩く女性と彼女が出会う人々をタテ軸に置きつつ、歩きながら彼女が回想する悲惨な過去、それがひたすらフラッシュバックし続け、ストーリーとしてではなく観念的に彼女の心の中の変化を描いていく手法。
映画というよりは心の変革の旅であり、小説や音楽に近い。
誤解を恐れずに言ってしまえば、最初から最後まで派手な事件はなにも起こらないのだが、それでいて映画的な面白さもなんとなく担保できているというギリギリの作品。
これは秀作。
星3つ半。★★★1/2


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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 [Blu-ray]
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イギリス映画。
ドローンを使った現代の戦争を描いた作品。
その感想。

意外な秀作。
星3つ。★★★

ケニアに潜伏しているテロリストを、米国・イギリスが共にドローンからミサイルで攻撃する話。
テロリスト5人が民家の中で自爆テロの準備をしていて、このまま放置すれば大量の犠牲が出る。
しかしその民家のすぐ近くで子供がパンを売っているので、砲撃したら子供が巻き添えになる。
子供を殺してもテロリストを排除するか、それとも見逃して自爆テロを起こさせてしまうのかという二択。
このとんでもないサスペンスと葛藤を、2時間近くかけて丁寧に描いていくという作品。
題材が素晴らしく良いので、非常に面白かった。
派手なアクションとかはほぼなくて、ずっと室内劇なのだが、その緊張感も心地良い。
ハリウッド映画のように甘くなりすぎないラストも秀逸。

会えて難点を挙げるなら、使われるドローンが少しばかり現実味を欠いていた。
そこが残念ポイントかな。
コガネムシ型の超小型ドローンを室内にまで飛ばすのは、ちょっと無理がある。

でもオススメです。

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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
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マーベルスタジオの新作。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズの第2弾。
アメリカでは大ヒットしたらしいのだが、その感想。

ここまで荒唐無稽でハチャメチャだと、もはやついていけない。
大多数の日本人には、この映画が最初から最後までひたすら放ち続けるアメリカンギャグが理解不能だろう。
日本人に理解できないおもしろがさぞたくさん詰まっているのだろうが、そんなの分からないものは分からない。
だから星は1つ。★
第3弾はもうあまり観たくないなぁ。
だって、つまんないんだもん。
いや、つまんないと言うよりは意味不明なのだ。

これ本当にアベンジャーズに組み込むのかね?
無理があると思うのだけど。

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時間があったのに観たい映画が何もなかったので、仕方なくこれを観てきた(消極的選択)。
「怪盗グルーのミニオン大脱走」。
ミニオンのシリーズをちゃんと観るのはこれが初めて。
しかも日本語吹き替え版。
その感想。

鶴瓶が強すぎる。
主人公が完全にもう笑福亭鶴瓶なのだ。
役にちゃんとハマっているし、上手なんだけど、いかんせん鶴瓶が強すぎる。
西洋人キャラがあそこまでガッツリ関西弁を話すのは、どうなの?
劇中何度か「やっぱ鶴瓶やん」とか「関西弁強すぎるだろ」と引くタイミングがあった。
声優にタレントを使うのは別に良いが、地が出過ぎるのは少し危険だろう。
そういえば「カーズ/クロスロード」のオリラジ藤森の声も少し気になったなぁ。
「君カワユイねぇ〜」ってわざわざ吹きかえんでもいいだろ、と思った。

映画としては普通に面白い。
星2つ半。★★1/2
ミニオンは可愛い。
80年代の音楽が続々登場し、マイケル・ジャクソンに始まりマドンナで終わるあたり「分かってるな」と昭和40年代生まれのオッサンを唸らせる。

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はい、エイリアンシリーズの最新作。
公開初日に観に行っちゃった。
その感想。

星2つ半。★★1/2
普通に面白いエイリアンになっている。
エイリアン3と4が無茶苦茶だっただけに、これは嬉しかった。
さすが第1作の監督をしたリドリー・スコットが監督しているだけのことはある。
やはりどことなく第1作に近いので、十分楽しめた。
ジェームズ・キャメロンの第2作を彷彿とさせるアクションもある。
血みどろ感はそれほどひどくない。
怖いかというと全然怖くない。
俺たちはもうエイリアンに慣れてしまっているのだろう(笑)。
むしろ前半出てくるエイリアンは可愛いくてニヤニヤしてしまった。
急にダンーっと出てきて思わず「ドキッ」みたいな安物ホラー演出も一切ない。
とても上品なSFホラー。
映像はとても美しい。

以前、この映画の前作「プロメテウス」を観て星1つ半を付けた。
「この映画どーでもいいわ」とこき下ろした。
だが、今作は観ていられた。
前作を覚えていないとところどころよく分からない部分はあるのだが、まぁ、観ていられる。
「プロメテウス」は人類のルーツがどうのとか、ワケわからん巨人族がどうのとか、それこそもうどうでも良い映画だったのだが、今回の「コヴェナント」を観たらもう一度観返してもいいかなぁと思った。
結局主役はアンドロイドのデヴィッドなのだな。
デヴィッドはダビデだし、プロメテウスは人間に火を与えた裏切り者だし、コヴェナントは神との契約という意味だ。
いろいろキリスト教的な教養がないと深い部分は分からないみたいだが、ざらっと表面を観ただけでも十分面白い。
そういう意味では「エイリアン コヴェナント」はそこそこよく出来たエイリアンだった。
ただし最後の「そりゃそうだろーな」と観客全員にバレてるオチはいただけない。

「プロメテウス」を先に観て復習してから観に行ったほうがいいです。

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公開初日にIMAXでドーンと観てきた。
クリストファー・ノーランの最新作「ダンケルク」。
その感想。

星2つ半。★★1/2
普通によく出来ているし、ダメなところは一切ない。
全てに理屈が通っているし、矛盾はないし、人間の描き方も見事だし、ある意味完璧。
CGを使わずに実際の船や戦闘機を使って第二次大戦のダンケルク撤退戦を映像化。
とにかく素晴らしいと思う。
だが、いちばん素晴らしいのは、これが映画として宿命的に面白くない点にある。
1時間40分あまり、ただひたすら淡々と物語が進み、面白くないのだ。
監督の狙いがリアリズムにあることは明白だ。
だから、「どんでん返し」とか「意外な展開」とか「伏線とその回収」とか、そういう「映画的な仕掛け」がほとんどない。
ちょっとしたことで突然人は死ぬし、生き残る者と死ぬ者に差はなく、全てがただの運で決まっていく。
弾が当たるか当たらないか、沈没船から脱出できたか出来ないか、なんの理由もなく死ぬ者は死ぬし、生き残る者は生き残る。
悪役キャラが死んで、いいヤツが生き残るとか、そういうのは一切ない。
ゆえに、映画としては宿命的に面白くない。
そして、だからこそ、実は怖い。
そういう映画だった。
ドキュメントとフィクションの真ん中ぐらいの映画。
誰も成長しないし、変化もしない。
ドラマが一切ないのだ。

だから、「面白くない」のだ。
映画は面白くないといけないのでは、という議論はあるだろう。
ここまで面白くないのは狙いだろうから別に他人が口出しすることではないのだが、観客はもっとスゴイものを求めて映画館に足を運ぶんだろうし、そういう意味では肩透かしもいいところ。
それでも何か深いものがあればいいのだけど、そういう感じでもなく、もう一度観たいかというとそうでもない。

アカデミー作品賞は無理だろうと思うが(あってノミネートまでだろう)、今年はあまりいい映画が出てきていないから、なんとも言えないなぁ。


P.S.
町山智浩さんの有料解説を聞いたら、なるほど。
3つの時間軸の編集の妙で観客は上手にダマされているのだと。
たしかに騙されていた(笑)。
このダンケルクは実際のダンケルク撤退作戦とは似ても似付かないものだということも分かった。
別にリアルでもなんでもないのだ。
むしろデフォルメしているのだ。
実際のダンケルク撤退戦について知りたくなった。

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一部で話題の新作映画。
かなり面白いとの噂。
カーアクション映画なのに、全てのアクションや演技が古今東西のロックやその他の音楽にピタリと合っている「ミュージカルアクション」という新ジャンルらしい。
ということで楽しみに映画館で観てきた。
その感想。

まず星をつけたい。
星3つ半。★★★1/2
これは相当面白い。
文句なしに映画館で観るべき傑作だと言える。
うん、それは言い切れる。

ところがだ。
ここから先の感想には皆さん賛否両論だろう。
批判を受けることもありえると思いつつ敢えて言う。
これ、映画なのかと。
いや、面白いのはたしかに面白いのだ。
ただし、よく出来たテレビドラマを観た感じなのだ。
今どきのアメリカなら、テレビドラマやテレビ映画でもこのぐらいの作品は出来るのではないかという、なんとも言えない「こじんまりB級感」を感じてしまった。
実際予算も少ないんだろうし、CGなんか1つも使っていないからそう感じてしまうのかな。
この映画に重要な役割で出てくるケビン・スペイシーが、最近テレビドラマに出ちゃってるというのも大きいかも知れない。
あと主演の男の子のなんともいえない「テレビドラマの主演によくいそう顔」……この辺も「映画じゃなくて、よく出来たテレビドラマを観たぐらい」感の原因になっているのかな。

ミュージカルアクションは実はそんなに凄くはない。
僕はもっと曲と映画がぴたりと合った感じが2時間ずっと続くのかと思っていたので、拍子抜けだった。
良い感じにBGMに演技と編集を合わせたミュージックビデオ風のところがちょいちょい出てくる、ぐらいのことだ。
あまり洋楽を聴かないので、出てくる音楽のほとんどが初めて聴いた曲だったというのも、もう1つ評価が伸びない原因かも。
そして英語曲の歌詞が字幕されないので、英語ネイティブの人が歌詞の意味を理解しつつ観るのとは、大きく変わってくるのだろうとも思う。
これ英語ネイティブの観客にしてみたら、もしかすると「とんでもない名作」なのかも知れない。
その辺が英語の出来ない僕には分からない。
残念。

たぶん、僕のような日本人のアラフィフにも分かるようにこの映画がやっていることを説明するなら、北島三郎「与作」の「♪与作は木〜を切る〜トントントン〜トントントン〜」のトントントンに合わせて、与作みたいな農家の親父が拳銃を「ドンドンドン」とぶっ放している映画なのだ。
尾崎豊の「十五の夜」に合わせて、映画の中の15歳の登場人物が盗んだバイクで走り出しているのだろう。
そんなの出てくる曲を聴いたことがあって、歌詞の意味も完全に分かる英語ネイティブの観客じゃないと分かんないよね(苦笑)。
ただし、そんな部分が一切分からない僕でも楽しめて星3つ半だというところに、この映画の凄さがあるのかも知れない。



P.S.
映画評論家・町山智浩さんの有料解説を聞いたら、なるほどそういう考え抜かれた映画なのかと理解できた。
クイーンの「プライトン・ロック」にそんな意味があったとは。
やはり根本的に文化圏が違うのだから、暗喩などを理解することは無理。
これだから日本語しか出来ない日本人には外国の映画が100%理解できないのだろう、悲しいことに。


映画『ベイビー・ドライバー』冒頭6分カーチェイス


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猿の惑星:新世紀(ライジング) [Blu-ray]
クリエーター情報なし
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猿の惑星リブートの第3作がもうすぐ公開される。
その前にこの第2作を観ておかねば。
というわけで、自宅地下ホームシアターにてBlu-ray鑑賞。
その感想。

ひたすら悲しい。
とにかく悲しい。
そんな映画だった。
悲しすぎて泣いた。
久々の高得点。
星4つ。★★★★
素晴らしく悲しい映画だった。

そもそも僕は動物ものに弱いのだ。
動物が主人公というだけでどうしても涙腺が緩む。
具体的にいうと「ベイブ」とか「ハッピーフィート」とか「ハチ公物語」とか、そういう映画に僕はものすごく高得点をつけてしまう。
そしてその延長線上にあるのがこの映画。
とにかく悲しかった。
どうにも分かり合えない人と猿。
個人レベルでは分かり合えるのに、種族としては分かり合えない。
だからいがみ合い、憎み合い、戦い、殺し合うしかない。
これはある意味人間同士の果てしない戦争の歴史のメタファーだ。
個人レベルでは分かり合えても、人種の違いやイデオロギーの違いで、戦いは生まれ、その結果どれだけの命が奪われてきたことか?
とにかく悲しい、悲しい、悲しい。
それ以外の感想が出て来ない。
どうしても分かり合えない、共存できない人と猿との運命的な物語が、涙を誘った。
名作といって良いだろう。

この秋公開される第3作「聖戦紀」にも泣かされそうだなぁ。

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ハイさっそく見てきました。
韓国映画のゾンビもの。
「世界大喝采&大熱狂」という謳い文句に踊らされてきました。
その感想。

うん、普通。
星2つ半。★★1/2

これに大喝采出来るかというと、それはない。
高速鉄道の中でゾンビが増殖して襲ってくるという着想は良いし、映画冒頭〜前半、電車に乗るまでのセットアップはとても丁寧で好感が持てた。
ところが、主人公たちが実際にゾンビと対峙し始めると、いろいろと映画的な問題点が続出し、だんだん醒めてきて、「もう少し緻密に考えられなかったかな?」と首をひねってしまった。
つまり、惜しいところまでいっているのに、ベタなアイディアをベタなまま入れ込んでしまったため、全体的に陳腐な仕上がりになってしまったという感じか。
まぁ、ベタなものをベタと感じず純粋に楽しめる人には十分な映画なのかも知れない。
しかし、歴代のゾンビ映画を結構たくさん観てきたものにしては、あまりにもこのゾンビ映画は細部が甘い。
ゾンビにはもっと真剣に、本当にヤバイものとして向き会ってくれないと、こっちが醒めてしまうのだ。

以下ネタバレ。





問題点1。
まず主人公を始めとする登場人物たちのキャラクター設定と、彼ら彼女らが映画内で果たす役割とが、あまりにも古典。
こいつはいいヤツだけど死ぬだろうなぁとフラグが立った感じで出てきたキャラは必ず死ぬし(というかゾンビ化するし)、こいつは登場した意味が分かんないからそのうち正義のキャラになって死ぬんだろうなぁと思ったら案の定そうなるし、この憎まれキャラは死ぬんだろうなぁと思ったら案の定死ぬし、この人いい人過ぎるから死ぬんだろうなぁと思ったら案の定死ぬし、この人たちは悪く描かれてるから死ぬんだろうなぁと思ったら案の定死ぬし……的な「案の定キャラ」が多すぎる、というか全てだ。
もう少しキャラ設定とその役割をひねってくれないかなぁと、上映中ずっと思っていた。
ベタすぎるのだよ、キャラクターたちのローリングが全て、ラストに至るまで。

問題点2。
ゾンビとの対峙の仕方がいろいろあり得ない。
途中、列車内で素手でゾンビの大群相手に戦い始めるのだが、それはないだろ。
噛まれたらアウトというゾンビ映画のルールがある中、大した作戦もなく、葛藤もせず、決死感もなく、大量のゾンビたち相手に素手&バットでわりとあっさり立ち向かっていき、しかもその結果完全勝利を収めるのなんてあまりにも現実味がなくて醒めてしまう(ここで1人ぐらい噛まれればまだ分かるが)。
この一連の格闘シーンで僕は大いに引いてしまったし、この映画に没入できなくなった。
その後、ゾンビがトンネル内の暗闇では視力がなくなり、音にだけ反応するという素晴らしい設定を持ち出してきたので、再び前のめりになったのだが、これを使って主人公たちが「そう来たか」という解決策でゾンビを回避していくものと思ったら、まさかの「網棚の上を這う」作戦だ。
網棚の上だぞ、網棚の上。
あまりにアホな作戦で爆笑したわ。
もっとやりようがあるだろう。
もう少し粘って脚本を考えて欲しかったなぁ。
網棚の上、で失笑だ。
案の定失敗してるし(笑)。
そしてあのケンカの強いオッサンにせよ、主人公のお父さんにせよ、結局映画の最後の方で普通にカプッて噛まれちゃうのってなに?(笑)
「なに普通に噛まれとんねん」と突っ込んでしまったわ。
だってさ、繰り返すけど、噛まれたらダメなのがゾンビ映画の最低限のルールじゃん。
で、そこの恐怖をさんざん描いてきたのに、それなのにオッサンもパパも普通にガブッて不用意に噛まれちゃうってなに?
せめて誰かを娘を守るために身代わりで噛まれるとかなら(ベタすぎていやだが)まだ分かる。
ところが、普通に噛まれちゃってんの、ゾンビに。
なんでよ?
だせーよ。
普通に噛まれるぐらいだったら、その前にもう噛まれてるよね?
それまで結構ヤバいときも噛まれずに切り抜けてきたのに、なんで普通に噛まれるかな?
もう製作者の意図で都合のいいときに殺したいだけの話じゃん。
観客を泣かせるために。
そんなので泣けないよ。
もうちょい考えてくれよ。

ゾンビ映画というのは「ゾンビ」という大いなるフィクションを観客にいかにリアルに感じさせられるかが勝負だ。
つまりそれはどういうことかというと、ゾンビに対峙する人間たちの行動が、どれだけリアルに描かれるかによって決まってくる。
ゾンビに対して登場人物たちが、映画的に都合の良い勝利や、映画的に都合の良い敗北をすればするほど、リアルは失われるのだ。
逆に、実際ゾンビに対峙したらこうなるよなぁというリアルをどんどん積み重ねることで、ゾンビ映画は迫力をどんどん増す。
これがゾンビ映画の基本中の基本。
ゾンビ映画の構造をこの製作者は、結局のところ理解しきっていないのだ。

というわけで、まぁ、惜しい映画でしたハイ。
ひまつぶしにはいいんじゃないでしょうか。
すごく良かった、感動したという人のことは、ある意味うらやましいっす。

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