ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシのバレエとオペラ 4

2013-06-19 | ベラルーシ文化
 上演中は写真撮影禁止ですが、カーテンコールのときは撮影してもいいので、大急ぎで撮影します。
 これは「白鳥の湖」です。
 「白鳥の湖」見るのは4回目です。(日本では見たことないです。)(^^;)

 さて、ベラルーシでバレリーナになりたい、という場合はどうしたらいいのか、というと、小学4年生(ベラルーシは小学校は4年だけ)を卒業したら、すぐにベラルーシ国立舞踊(バレエ)学校の入学試験の受験申し込みをします。受験科目には算数やロシア語、ベラルーシ語など普通の教科もありますが、当然重きを置かれるのは、運動神経や柔軟性など(そしてスタイルも)の試験です。
 そこで合格すると、入学できて5年間の教育プログラムを受けます。

 このお受験のために4歳からは何かやっておかないと合格しないと言われています。
 しかし、日本にはありがちな「お稽古事」としてのバレエ教室がほとんどありません。(最近、やっと日本みたいに、年齢を問わず、レッスン受けられます、というバレエ教室ができましたが。)
 日本だったら、「お受験用のバレエ教室3歳から受付開始」という教室があるはずなのに、ベラルーシにはないので、普通自分の娘をバレリーナにしたい、と考えている親は、新体操をさせます。(これも私営の教室は多くないです。)
 4歳ぐらいから新体操を習わせて、小学4年卒業後すぐに、バレエ学校を受験し、合格したらそのままバレリーナへの道をまっしぐらになります。

 うちの子も4歳から新体操を習っているので、小学校4年生卒業したときに
「バレエ学校受験してみる?」
ときいてみたものの
「バレエをするより、見るほうがいい。」
とあっさり言われ、新体操のほうを続けています。
 国立バレエ学校を受験するときは子ども本人のほか、両親のスタイルもこっそりチェックされるらしいけど(伝説かも。)本当なら、いくら本人に素質があっても、私とだんなのスタイルで不合格になってますね。(^^;)

 バレエ学校ですが、朝登校するとまずバレエのレッスン。その後普通の中学生(日本の小学5年生から中学3年生)と同じ学習プログラムで勉強します。(普通に数学や国語などです。)
 授業の後はまたレッスン。クラシックバレエのほか、民族舞踊なども習います。また日本の高校にあたる3年間の授業があります。
 バレエの演目によっては子役で初舞台を踏む人もいます。
 地方出身者のためには寮があります。
 こうしてみっちり練習してバレリーナに成長していくわけです。
 
 でも小学4年生を過ぎてから、ある日突然
「私、バレリーナになりたい!」
と思い立った場合はどうなるのでしょう。その場合、バレエ学校の高校1年生から編入できます。しかし私営のバレエ教室がないので、いきなり高校からバレエ学校を受験しようとするのはとても難しいと思います。

 さて10歳11歳ごろからバレエ学校で練習してきて卒業証書をもらえたとしても、みんながみんな国立オペラバレエ劇場に就職できるわけではありません。
 成績優秀な人だけがベラルーシ国内での最高のバレエ劇場に就職できます。
 そうでなかった人は、他にもバレエを演目に入れている他の劇場にバレエダンサーとして就職します。

 国立オペラ・バレエ劇場に就職できたとしても、「国家公務員」の扱いなので、最初のころは月給(ギャラ)がそんなにいいわけでもないそうです。

 さて、ここまでの話はベラルーシ人だった場合の話です。ベラルーシ国立バレエ学校では、外国人の留学を受け入れています。
 多額のレッスン料を払ってくれる外国人留学生は、バレエ学校からすると「よいお客さん」です。でも他の国のバレエ学校(モスクワやロンドンなど)に比べると、ベラルーシのバレエ学校のレッスン料は安く、治安などもベラルーシはいいほうなので、留学生がたくさん来ています。もちろん日本からも大勢来ています。ただ年齢は高校卒業以上の人です。さすがに小学5年生で日本から留学に来る子どもはいません。
 ときどきステージ上で日本人バレエダンサーが踊っているのを見て、「ああ、ベラルーシでがんばっているんだなあ。」と思います。
  
 でも華やかな世界ですが、実際には大変な苦労があるだろうなあ、と思います。
 ベラルーシ人でも、名の知れたバレエダンサーになれるのは一握りですから・・・。

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