ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシのコロナウイルス感染者64767人。死者数459人

2020-07-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 7月11日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウルス感染者数は64767人になりました。1日の新規感染者数は163人です。
 死者数は459人になりました。
 54919人が回復しました。
 112万件を超える検査数となりました。

 グロドノ州リダ市の製靴工場で働いていた56歳の女性が4月にコロナウイルスに感染し、重症化したものの回復したことについてインタービューを受けた記事を読みました。
 内容を簡単に訳すと、感染経路は不明。4月2日に発症。その前の2週間、倦怠感、熱はないものの食欲がなかった。一度、早退願いを出して早めに帰宅したこともあった。
 最初は気管支炎と診断され、投薬治療を受けていたものの、症状は悪化。
 4月11日呼吸困難のため、夜も寝られず、救急車を呼んだ。そのまま入院。医者はまず糖尿病でないかどうかを確認。血糖値には異常なし。4月13日に肺のレントゲン撮影。両肺に病巣が見つかり、集中治療室へ。3日後にコロナウイルスの検査の結果が陽性と告げられる。
 人工呼吸器をつけられて、5日目には、気管支に直接管を通して酸素を送り込む手術を受け、食事も食道に直接通す流動食に切り替えられました。
 3週間人工呼吸器をつけられている間に心臓と腎臓の機能も低下して、家族は医師から覚悟するように言われる。
 娘さんが血漿治療を医師に頼んだところ、リダ市ではその治療法はしていない、と断られる。しかし、グロドノ州に掛け合って、リダ市のコロナウイルス患者で血漿治療を開始することができるようになり、その第1号患者になる。
 2回、2人のドナーの血漿を輸血。改善しなかったので、再び家族は医師から、覚悟してください、と言われるが、あきらめず別のドナーの血漿を輸血。5人目のドナーの血漿が効果を表、5月9日自力呼吸ができるようになった。
 意識が回復したのはさらに数日後。5月19日に退院。自宅療養へ。
 入院中体重が18キロ減った。自力歩行も困難で、介添えが必要だった。
 12日間リハビリ施設で歩行訓練を受けて歩けるようになった。しかしまだ咳が残っている。
 今も歩行訓練、体操などを続けており、このインタビューも電話で行われた。
 同居家族はみんな陰性で、病気の人はいない。
 血漿ドナー5人にお礼が言いたいので、ドナーのことを教えてくださいと医師に尋ねたが、患者にドナーの情報は伝えないことになっているので、教えてもらえなかった。だから、このインタビューの申し出を受けたとき、記事を通してドナーにお礼が伝えられると思って受けることにした。
 今でも倦怠感、咳があるが、田舎の実家に移り、療養とリハビリを続けている。
 コロナウイルスとの戦いは続いているが、がんばります! 今月末には心臓や肺の検査を受ける予定。結果によってはリダ市の自宅に戻れるだろうが、外出したいような気分になれないので、またずっと自宅にいることになるだろう。できたら、空気のよい村の生活を続けたい。
 コロナウイルスに感染して、無力さを感じ、涙が出たが、今では精神的に落ち着きました。神がチャンスを与えてくれたから、これからも生き続けないといけないと思っています。
・・・とご自分の心の移り変わりも話していました。

 このインタビューから分かることは、ベラルーシでは重症患者には薬ではなく、とにかく血漿治療を施し、合うドナーを見つけるため何度も輸血を繰り返すということですね。
 この女性は会うドナーが見つかり、本当によかったです。もう少し遅れていたら、と考えると怖いですね。女性も医師も「奇跡」と話していたそうです。
 

 

 
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