10月4日、政治思想犯の解放を求めるデモ行進がミンスク市中心部からオクレスチナ収容センターに向けて進みました。
朝から地下鉄駅が閉鎖。合計8箇所の駅が閉鎖されました。
中心部にある大型ショッピングセンター、ケンタッキーなどの店舗が閉店しました。
治安部隊が市内の主要広場の周りに鉄条網を張り、護送車、軍車両などが朝から配置されました。
今日のデモ行進参加者は約10万人。
昼頃、(2時ごろ)にはモバイルが使えなくなりました。
(追記です。午後6時には解消しました。)
ミンスクだけではなく地方都市でもジャーナリストの拘束が続いているようです。
独立系メディアを支持するプラカード、エレーナ・レフチェンコ(レウチャンカ)選手の早期解放を求めるプラカードが目立ちます。
ミンスク市内の一部で断水。水道からの水があふれているようですが、詳細は不明。デモ集会とは関係なさそうです。
午後3時ごろ、治安部隊による身柄拘束が始まりました。
放水車により、勝利者大通りでデモ参加者に向かって放水が始まっています。複数の場所で放水しています。
1台の放水車が近づいたときに一人の男性が放水車に近づいて、内部の部品?をいくつか取り外して路上に投げ捨てました。放水車は放水することなくどこかへ去ってしまいました。
放水車は速度が遅いので、その後を走って追いかける人もいます。
オレンジ色に着色された水を放水している放水車もあれば、壊れたような放水車もあります。
治安部隊が黒い覆面をしているので、反政府派は白あるいは赤の覆面をして、歌を歌っています。
ビテプスクでのデモ集会では催涙ガスがまかれました。
ゴメリでは人間の鎖が作られました。
グロドノで反政府デモ集会に父親と参加していた13歳の女子中学生が、顔面に催涙スプレーを治安部隊に吹きかけられて、父親といっしょに身柄拘束され、警察の留置所に入れられました。
(追記です。目撃者の証言によると、催涙スプレーはかけられていなかったようです。ただ治安部隊に二人がかりで引きずられていくようすがビデオ動画に撮影されていました。抵抗する様子はなく、護送車へ。どういう関係か分かりませんが、女性が引き止めようとするのを治安部隊はその手を振り払っていました。
今、未成年の子どもをデモ集会に連れて行くのは禁止されているので、この父親も罰せられるのでしょう。)
オクレスチ収容センターに到着したデモ行進は、拘束している人たちを「解放せよ!」とシュプレヒコールを上げています。センターの入り口のドアに、拘束されている人の写真をビラにしたものを貼り付けたりしています。
その後、デモ集会は地下鉄ミハロボ駅方面に進みました。そこで身柄拘束が始まりました。
胸にたくさんの勲章をつけた退役軍人の方々が反政府デモを支持しています。この人たちも拘束されるのでしょうか?
一人の高齢の女性がインタビューで「私は仕事をしていないし、もう失うものもない。今日、拘束されたら? いつか孫に自慢できるようになると思います。」と答えてデモ行進をしていました。
ニーナ・バギンスカヤさんも登場。新しい旗を持っていました。
ペテルブルグやモスクワ、マンチェスターなどでも反政府デモ集会が行われています。ワシントンに住んでいるベラルーシ人はビデオメッセージを作りました。
モスクワのベラルーシ大使館の前で反政府デモをしていた人たちに、中年女性が近寄り、
「あんたたちはここで何やってるの? ベラルーシへ行ってそこでデモでも何でもやりなさいよ!」
と文句を言いました。当然のことながら口論が始まり、動画が撮影され、それがネットで拡散されます。
他にも団地デモで反政府派の人たちが大勢集まっているところへ、たった一人で文句を言いに来る人がいるんですよね。
たいがい女性(若くない)です。とにかく「あんたたちはうるさい! 私が寝られないじゃないの! 国の何に文句があるの? 私は自分の生活に満足しているのよ! 政府の邪魔しないで!」といったことを言っています。
私からすると、「勇気あるなあ・・・」です。女性たった一人で、あんなに大勢の人が集まっているところへ乗り込んで、大声で「あんたたちはうるさい! 国に文句を言うな!」とか言いまくる度胸、私にはないです・・・。
おまけに今はスマホに動画を撮られてそれがすぐ拡散するし・・・
やっぱりベラルーシ人の女性は強いですねえ。
ちなみに、ベラルーシでは夜11時を過ぎると近所迷惑な騒音を起こしてはいけません、という法律があります。以前は、例えば上の階の住人が11時過ぎても騒いでいたら、警察に通報することができました。すると警察が本当にそこへやってきて注意してくれるのです。
しかし、今は法律が変わり、警察ではなく住宅管理局(日本の大家さんとはちがいます。)にまず連絡するようになっています。住宅管理局の人が注意したり、警察に通報するようになっています。
この女性も自分の団地の中でのデモ集会が11時過ぎてもうるさくて迷惑なのであれば、住宅管理局に連絡すべきです。
ちなみに団地デモをしている人たちは、この法律を知っているので午後11時までにはデモ集会をやめています。
日本ではどうでしょう? 日本政府の何とかに反対、例えば消費税値上げに反対!と横断幕持っている集団に面と向って、一人突き進み、
「あんたたちはうるさい! 日本政府の方針のどこが間違ってるの? 私は増税に賛成よ! だからデモ集会なんかしないで!」
と叫び、反対意見が出てもひるむことなく、自分の意見を主張し続けて、道端で一人対20人ぐたいの大口論になる・・・というような中年女性がいるでしょうか。女性政治家じゃなくて、一般市民ですよ。
そしてそれが、スマホで撮影されてネットで拡散されるのですね・・・。顔も出るし、今の時代本名もすぐ晒されるのに・・・。
ベラルーシ女性はそんなこと気にしない人が多いのでしょうか。自分の意見を発言するためには「そんなこと厭いませんし、発言するのを我慢しません。」という人が多いみたいです。
日本人の中には「ベラルーシは今恐怖政治なんだ。誰も何もしゃべることができないんだ。怯えて暮らしているんだ。」と思っている方が多いと思いますが、実際には逆で、みんな言いたい放題です。
追記です。翌日内務省はミンスク市内で317人を拘束したと発表しました。