ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

『チェルノブイリ:放射能と栄養』日本語版について

2011-04-02 | 放射能関連情報
 チロ基金はベラルーシの子どもたちにビタペクト2のほか、『チェルノブイリ:放射能と栄養』という本の一部をコピーして各家庭に無料配布しています。
 この本は1994年にウクライナの学者が赤十字を通じて、ロシア語で発行したものです。
 当時のウクライナ領内にあるチェルノブイリ汚染地域に住む住民向けに作られた本で、一般人向けに平易な言葉で書かれています。
 この本はウクライナで無料配布されたのですが、ベラルーシで手にした人はほとんどいませんでした。
 その後2000年に日本語に翻訳されました。翻訳したのは放射線医学総合研究所の白石久二雄さんで、当時のプロフィールによると人間環境研究部主任研究官でした。
 この本は放射能関係の書籍を出版している実業公報社が制作しましたが、残念ながら今は絶版となっています。
 
 「チェルノブイリ:放射能と栄養」日本語版のことをこのブログで知って、購入したいと思った方が放射線医学総合研究所に電話をしてみたところ、組織自体が変わったとの返答で広報係を紹介され、広報係の方に書名を伝えると、本研究所の文献データにはない。 昔いた研究者が発行したものかもしれないが、今ここにそのような文献はない・・・と言われたそうです。
 ちなみに訳者の白石さんは今も放射線医学総合研究所で働いておられます。

 また別の方が、この本を購入しようと放射線医学総合研究所に電話したところ、少々お待ちくださいといいながら 本の事が知りたいんだって〜と笑っていわれてしまったそうです。
 そして、残念ながら、わからないという回答でした。
 
 この本こそ、今の日本人が読むべき本なのですが。残念ですね。
 たぶん制作した実業公報社に問い合わせてみても、在庫などはないでしょう。
 もっともこの本がウクライナで出版された当時は、インターネットも普及していない頃でしたし、本を印刷して人々に配るのは大切なことでした。
 (この本の著作権の問題がなければ、私自身がこの本の内容をネットで読めるようにしたいぐらいなのですが。)

 今の日本人にはインターネットもあるわけですから、本の再版などはもうされない可能性が高いです。
 デマをネットで流すのはよくありませんが、できるかぎりいろいろな情報源から、役立つ情報を得るのが賢明かと思います。
 
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 ここからは4月13日の追加書き込みです。
 この記事の内容に関してですが、放射線医学総合研究所から、『チェルノブイリ:放射能と栄養』は「すでに絶版している。在庫もない。」という連絡が来ました。
 HP「ベラルーシの部屋」内で最初にこの本のことをご紹介した2002年の記事だけを見て、ブログのほうのこの記事は見ずに放射線医学総合研究所にこの本のことを問い合わせてくる人がたくさんいるそうです。HPに記載してある電話番号なども現在は別の部署の番号に変わっていますので、この番号に電話をしても本に関しては答えられない、ということでした。
 残念なことに現在は入手できませんので、皆様は放射線医学総合研究所に不要な問い合わせをされないようにお願いいたします。

 それからこの記事に翻訳者である白石久仁雄氏が、今も放射線医学総合研究所で働いておられる、と書き込みましたが、これも1年以上前に退職されていることが今回の連絡で分かりました。
 私はこの記事を投稿する前にちゃんと確認しようと思い、放射線医学総合研究所のサイトで確認をしたのですが、防護体系構築研究グループ内の研究者として、お名前が名簿に記載されておりましたので、この記事を投稿した次第です。
 記事の内容に事実と合わない部分がありましたことを、ここに訂正させていただきます。
 このブログ上でも陳謝申し上げます。
 
(この記事とあわせてこちらの記事もご覧ください。)

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