ベラルーシの部屋ブログ

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2024年2月28日。ウクライナ侵攻から736日目

2024-02-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年2月28日。

 ウクライナと国境を接するモルドバにある親ロシア派地域、沿ドニエストル地方の議会は今日、ロシアに安全保障面での支援を求める決議を採択しました。
 沿ドニエストルはいっそロシアに併合されることを求めるのではないかという観測が事前に浮上しており、モルドバ政府は警戒感を強めていました。
 ロシア国営タス通信によれば、今回の決議はロシアに併合を求めるものではなかったものの、ロシア議会に対して沿ドニエストル地方を守る上での支援を求める内容だった。モルドバ政府はドニエストル地方の経済を破壊し、住民の自由を侵害しているそうです。だから、ロシアは「保証人および調停者」としてモルドバ政府から沿ドニエストル地方を守るべきだと述べています。
 ウクライナ東部のドンバス地方では、親ロ派の訴えがロシアによる本格侵攻のきっかけになった経緯があるため、沿ドニエストル地方が、第2のドンバスになってしまう可能性が出てきました。
 逆にウクライナ政府は沿ドニエストル地方に駐留するロシア軍の部隊が、ウクライナの正当な標的であることを明確にするべきだという意見も出ています。ウクライナ軍の司令部は、沿ドニエストル地方をロシア軍から解放する手助けを行うべきということですが、きな臭さが漂ってきます。ただでさえ戦争中で混乱しているのに、ウクライナが沿ドニエストル地方に介入してくる余力はないはずです。

 沿ドニエストル地域は旧ソ連の崩壊後に独立を宣言し、ロシア軍の支援を受けてモルドバから分離したため、モルドバの実効支配が及んでいません。今もロシア軍が駐留しているが、ロシア政府も国際社会も、沿ドニエストルを独立国家として承認していません。ロシアからすれば、戦争の駒としてこの地域を将来、活用しようと考えているのでしょう。そこに住んでいる人の生活を大切に考えているでしょうか。