ベラルーシの部屋ブログ

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2024年2月8日。ウクライナ侵攻から716日目

2024-02-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年2月8日。

 ロシアの中央選挙管理委員会は今日、来月の大統領選挙に関し、ウクライナ侵攻に反対するボリス・ナジェージュジン元下院議員(60)の候補者登録を認めないと決定しました。ああ、やっぱりね、という感じです。
 中央選管は、ナジェージュジン氏が候補者申請をした際に提出した署名の15%以上が無効だったと説明。10万5千筆のうち9千筆以上が無効で、有効署名は9万5587筆となり、候補者登録に必要な10万筆にはわずかに届かないとされました。

 タス通信によると、中央選管委員長は「ナジェージュジンが望むなら、裁判所に訴えることができる」と述べました。
 しかし、ナジェージュジン氏はこの決定に異議を唱えようとしたものの、中央選管はそれを受け付けませんでした。矛盾していますね。
 同氏は、諦めずに最高裁判所に異議を申し立てると、ソーシャルメディア「テレグラム」で表明。「2024年大統領選への立候補は、私の人生で最も重要な政治的決断だ」、「私はロシア全土で20万人以上の署名を集めた。公明正大に集めた」と書き込みました。

 ナジェージュジン氏はBBCの取材で「ロシア政治における一部の決定は残念ながら「法律に従ったものではない」と主張。自らについて、「ロシアが権威主義と軍国主義の道を歩むことを望まない何千万人もの」支持をすでに得ていると述べました。
 ナジェージュジン氏は、国営テレビのトーク番組で政府批判をしており、その立候補は反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏が北極圏内の監獄から支持を表明したり、亡命中の元ビジネス界の大物ミハイル・ホドルコフスキー氏も支援していました。

 ロシア中央選管委員長は、候補者が4人になるのは明白で、現職のプーチン氏以外の候補は、民族主義指導者のレオニード・スルツキー氏、国会副議長のウラジスラフ・ダヴァンコフ氏、共産党員のニコライ・ハリトーノフ氏としています。これら3氏は、所属する政党がいずれも政府の政策を広く支持しており、真の挑戦者ではないとみられています。
 要するにプーチン氏が一人出馬してそのまま再選されたら、不公平な選挙だと国際社会から責められるので、それをかわすためのカモフラージュの立候補者です。大統領選挙は芝居のようなものです。
 ナジェージュジン氏は、国営テレビのトーク番組で政府批判をしており、その立候補は反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏が北極圏内監獄から支持を表明したり、亡命中の元ビジネス界の大物ミハイル・ホドルコフスキー氏も支援していました。



 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は今日、同国軍のヴァレリー・ザルジニー総司令官を解任したと発表しました。ロシアの侵攻後に自国の戦争努力を率いてきた両氏をめぐっては、その関係に亀裂が生じているとの憶測が浮上していました。
 ザルジニー氏の後任には、戦闘経験の豊富なオレクサンドル・シルスキー陸軍司令官が任命されました。

 ザルジニー氏はウクライナ兵や国民から信頼される、人気のある将軍で、国民的英雄のような存在で、最近の同氏の支持率は、ゼレンスキー氏を上回っていました。でもそれに大統領が嫉妬したという単純な話ではないと思います。
 ウクライナ大統領が自分の感情を優先したり、大統領の座を取られると危惧しているようには思えません。
 おそらく戦争の決着を早くつけたいと大統領は相当に焦っていると思われます。
 今年はロシアでもベラルーシでもアメリカでも大統領選挙があることがその理由でしょう。
 特にアメリカの大統領にトランプ氏が返り咲いたら、ウクライナは大苦境に立たされます。しかし、それはアメリカの将来にとってもよくないことです。ともかくバイデン政権のうちに勝利したいというのがウクライナの本音でしょう。
 また戦況によってはザルジニー氏が再び元のポストに戻ってくる可能性もあります。