ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2024年2月25日。ウクライナ侵攻から733日目

2024-02-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年2月25日。

 ベラルーシでは今日、ベラルーシ下院及び地方議会議員統一選挙の投票日です。今年に入ってからずっとピリピリムードが続いています。
 とにかく「投票に行きましょう!」と言われ続けていました。
 地下鉄に乗ると「2月25日は選挙の日です。投票しましょう!」という車内放送が流れ、児童図書館の玄関にも選挙のポスターが貼られ、マンションの郵便受けにも候補者略歴のポスターが入れられました。

 私はベラルーシの国籍を持っていないので、投票権がありません。にも関わらず、職場では図書館の職員全員これを読みなさいと「選挙について」という書類が回覧されてくる。
「私は投票できないんですけど。」と断っても、上司から「でも公立施設の正規職員でしょ。これは義務。」と強く言われたので読みました。
 時間がない人(あるいは学のない国民)のためところどころ大事なところは太字にしておきましたよという文章を読むと、想像通り「2月25日投票に行きましょう。期日前投票は・・・」と詳しく書いてありました。
 さらに読んでみると「選挙はショーではない!」と太字で書いてありました。要するに真面目に考えて投票せよ、ということです。
 しかし全部の箇所ではないですが、いくつかの投票所で政府お抱え歌手がコンサートを開くというポスターが貼られました。
 「あ、私、この歌手のファン!」という人がたまたま投票所の近くに住んでいたら、「投票、面倒くさいけど、歌手の〇〇の生歌聞けるから投票所行こうかな。ついでに投票するか。」と考え直すことを見越しているようです。

 あの手この手で投票率を上げようとしています。日本でこういうことをしたらどうなるんでしょうね。投票所(主に学校。だから校庭など)にアイドル歌手を配置したら、投票率が上がるでしょうか。
 ベラルーシは選挙管理員会の努力の甲斐あり、すでに期日前投票で41%の投票率となりました。選挙として成立しますね。

 ちなみにベラルーシ在住の日本人には日本大使館から一斉メールが届き、そこには「邦人の皆様におかれましては、念のため、無用なトラブルに巻き込まれないよう、投票所周辺に近づかないようにしてください。」と注意喚起されました。
 投票権がないからそもそも投票所に行こうと思っていなかったけど、それどころか日本人は近くに近づくのも用心せよ、と日本政府から言われているのですよ。
 投票所歌手の歌も聞きに行けませんね。

 こうして私は大人しく家にいるのですが、幸いインターネットが切断されることも今のところなく、ニュースではベラルーシ大統領が三男を連れて投票したことが報道されています。三男は北京大学に留学中のはずですが、投票のために一時帰国したのでしょう。三男からすると生まれて初めての投票です。
 さらに取材でベラルーシ大統領は次回の大統領選挙に出馬すると発言しました。
 2020年の大統領選挙は大変でしたが、今日の選挙は議員選挙なので静かに終わりそうです。