ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2021年12月7日。急な冷え込み

2021-12-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年12月7日、急に気温が−10度まで下がりました。

 アメリカとロシアの大統領がオンラインで会談をしましたが、内容の詳細はまだ報道されていません。
 もしロシア軍がウクライナに侵攻したら、欧米が対抗すると牽制する発言をするでしょうが、それに対してロシア大統領は何と答えるのか、そして何か今日答えたとしても、未来の行動がどうなるのか、はっきりした予測はできないと思います。

 ベラルーシでは来年1月からEUからの輸入品の多くが輸入禁止になります。

 ベラルーシ大統領は448人のウクライナ人にベラルーシ国籍を与えました。
 これはベラルーシにルーツを持っているウクライナ人や、すでにベラルーシでずっと暮らしている(仕事をしている)ウクライナ人が多いと思います。ちなみに私の夫もウクライナ人ですが、ソ連が崩壊してベラルーシが独立してからはソ連国籍からベラルーシ国籍になっています。
 それからベラルーシ国籍を持っているとベラルーシで就職しやすいという利点もあります。
 また、ウクライナとベラルーシの二重国籍は(法律が変更されていなければ)認められています。
 ベラルーシとポーランドの間に壁が建設され始め、ベラルーシとウクライナの間にも溝ができつつある今、ウクライナ人にベラルーシ国籍を与えるという判断をしましたと報道するのが注目点ですね。

 今日もイラクへ難民を乗せた帰国便が離陸しました。すでに3000人のイラク人が帰国したそうです。
 この調子ならもうすぐ全員帰国しそうですね。


 さて、今日私の職場(公立図書館)をとある政治活動団体の区代表が区会議員(この団体の会員)といっしょに訪問しました。
 この団体はもちろん大統領支持派です。図書館員やお掃除のおばさんまで集められ、「お話」を聞くようにと言われたので、何だろう?大統領を支持するよう強制させられるのか心配していましたが、実際には、「大統領は国のために努力しています。」ていどで、あとはこの団体への入会の勧誘でした。
 この団体はずっと前から存在していますが、外国人である私などは参加する気も前々からないので、今日の話は聞いているだけでした。
 代表はもともと学校の校長先生をしていた女性です。その話によると、以前高校生に、
「将来どんな人と結婚したいですか。」
とアンケートをしたら、女子高生の8割が「金持ちと結婚したい。」と答えたそうです。(元校長先生の考えでは、これがシングルマザーが増えている元凶なんだそうです。)

 それから男子生徒に「兵役義務に行きたいか。」ときいたら、8割が「行きたくない。」と答えたそうです。
 それで元校長先生は、何とかせねばと思い、幸い同じ区内にいわゆる防衛大学があるので、指導員を呼んできて、学校内で男子だけの運動会、というより軍事教練(だから運動会の種目に射撃もあり。)をして、チームを作り、さらに他の学校のチームとも対抗試合をさせて、優勝決定戦は防衛大学の敷地で行い、そこへ女子生徒を見学・応援させたそうです。
 今のベラルーシでは祖国愛(祖国防衛)教育に力を注いでいるので、こういう校長先生がいると、上記のように教育現場における即実践力になりますね。

 他にも対ポーランドの国境地帯の不法入国者が、ポーランド側からベラルーシ側に追い返されたときに怪我をさせられたと報道されたら、すぐにこの団体のメンバーが、ミンスク市内のポーランド大使館前に集まり、「難民に人道支援せよ」「暴力行為をやめよ」というプラカードを掲げて抗議活動した、さらに収容所に支援物資を持って行った・・・などの活動内容の報告などを話していました。

 それでメンバーとして入会しましょうと図書館員をスカウトしようとしたわけです。
 同席した議員さんも、ただ頭数を増やしたくて、ここに来たわけではないと話し、自分の入会理由についても、社会や地域を良くしたいから、今ある問題に目をつぶらないでおこうと思ったと話していました。素晴らしいと言えば素晴らしいのですが、区代表が言うには、やっぱり良い社会とは「まとまったベラルーシ」であるということなのです。
 つまり、国民が分断されていない社会、意見が一つにまとまっている国ということです。
 その「まとまり」の中身が、大統領を信じて国の未来を託し、我々国民は日々の労働に勤しみましょう、という論調が透けて見えるお話でした。

 しかし、国民と言っても、意見がばらばらで、実際国民の間に分断が起きており、21世紀の(片隅だけど曲がりなりにも)ヨーロッパの国に住んでいて、しかもネットの情報のおかげで、世界の他の社会(言論の自由が保証されている国が存在している)ことを知っているベラルーシ人が、みんなおとなしく黙っているわけでもないです。
「おとなしく黙っていましょう。」
という意見が出たら出たで、はいそうですね、とはならず、
「あなたがそういう意見を言う権利はあるのなら、私にも自分の意見を言える権利があるでしょ。だから、言わせてもらうけど・・・」
と言ってしまいます。で、言ったら逮捕されることになったので、発言をあきらめた人でなおかつ仕事の目処がある人は、一斉に国外に出ていきました。今の女子高生に、どんな人と結婚したいですかと尋ねたら「私を外国へ連れて行ってくれる人」と答える人が激増しているんじゃないですか。
 とにかく「まとまっている国(国民)」を目指しましょうと声高にあちこち(学校でも子供に対して)呼びかけているのですが、意見が異なる人がみんな出て行かないと、そうならないのでは?と思えてきます。
 その割に上記のようにウクライナ人にベラルーシ国籍を与えて、ベラルーシ人を増やそうとしているようにも見えます。
 昨日の投稿にも書きましたが、都市部では人手不足が続いています。
(一方で地方では仕事が見つからない無職が増えているのですが、だったら、田舎から都会へ出稼ぎに来ればいいのに、と日本人は思うでしょう。しかし、それがなかなかうまくいかないのは、ベラルーシには引っ越しの自由がないからなんです。この話題に転換するとまた話が長くなるので、今はこれ以上は書きません。)

 今回の政治活動団体入会の勧誘ですが、もちろん強制でもありません。逆に、
「労働組合なんか最近の活動はいまいちですよ。それよりうちの団体のほうが活発に活動しているし、シングルマザーに対する支援もしていますよ。」
など他の団体と比較して、宣伝していました。
 特に若い人ぜひと誘っていましたが、私は若くもなければ外国人なので、しつこく勧誘されなくてよかったです。
 以上、ベラルーシの地方公務員の今の時代における日常生活の一コマをご紹介しました。
 

ベラルーシのコロナウイルス感染者66万6137人。死者数5193人

2021-12-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2021年12月7日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は666137人になりました。1日の新規感染者数はたったの1012人です。やったーと思ったら、新規検査数が5301人でした。これだと前日の3分の1です。だったら、新規感染者数も3分の1の400人ぐらいに減ってほしかったです。
 
 死者数は5193人で、高いペースの増加数のまま・・・

 655001人が回復しました。

 1054万件を越える検査数となりました。

 やっと300万人が2回目のワクチン接種を終えました。これで全人口に対して約30%です。