ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ゴメリ在住一家への支援活動・第2回」(4)

2012-09-22 | チロ基金
 今回この一家は大変よい結果が出て、みんな大満足でした。
 しかしSOS子ども村の保養のことを考えると、体重1キロあたり20ベクレルをワジーム君は超えていますし、サーシャ君もほとんど20ベクレルなので、もう一度ビタペクト3を飲むことになりました。
 お母さんも大人とはいえ、成人の判断基準である70ベクレルを超えているので、ビタペクト3を渡しました。
 長女のエレーナさんの結果が気になるところですが(たぶん他の3人と同様に減っていると思うのですが、測定していないので、20ベクレル以下にまでなったのか分かりません。)やはり、結果が分からないと、ビタペクト3を渡せるかどうか、判断できませんので、今回は見送りました。

 こうして今回は、お母さん、ワジーム君、サーシャ君の3人に1個ずつビタペクト3をチロ基金から渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は1956個となりました。
 今回で通算151回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、1956人の子どもにビタペクトを配布したことになります。

 画像はゴメリ市内でお母さんとワジーム君を記念撮影したものです。(小倉羊羹の紙袋にビタペクト3が入っています。)(^^;)

 お母さんからお話をうかがうことができました。
 この一家が極端に被曝していた原因は、きのこだということでした。
 お父さんがきのこが大好きで、毎年わざわざ電車に乗って、自分のお気に入りのきのこがたくさん生えている森まで行き、大量のきのこをとってきていたそうです。
 もちろん測定などしていません。食品はゴメリ市内の中央市場にある測定器で安い料金で測定できます。
 しかしお父さんは放射能のことは全く気にしていないそうです。森へきのこを採りに行くときは、友だち数人と連れ立っていくそうです。(気合が入っていますよね。)そしてその友だちも今まで自分が採ったきのこを測定したり、放射能のことを気にすることなく、平気で食べているそうです。
(このお父さんや友だちの体内被曝が気になります・・・。)

 今回のことでお母さんはお父さんにもいっしょにWBC測定に行くよう勧めましたが、お父さんは全く関心を示さず、放射能のことは気にしていないようでした。
 お母さんは
「もう二度ときのこは食べない。子ども達にも食べさせない。」
と宣言しましたが、お父さんはやはり今年も友だちときのこを採りに行ったそうです。
 今、家にたくさんのきのこがありますが、お父さん1人で食べているそうです。(あーあ・・・。)

 私が「お父さん、そんなにきのこが好きなのなら、測定をして、それからゆでて、ゆで汁は捨てて・・・」と説明し始めると、お母さんは
「でも、私と子どもはもうきのこは絶対に食べませんから。」
とお父さんのことはあきらめているようでした。

 他にもお母さんは
「どんな物を食べたらいいのか。」
など熱心に質問していました。
 (お父さんのことはあきらめてしまっていますが、子どもたちのためには、勉強熱心になっていて、このようなお母さんが1人生まれた、というだけで、チロ基金が支援した甲斐があったと思いました。)

 エレーナさんとワジーム君はスウェーデンとドイツに(エレーナさんはドイツは2回)一ヶ月弱の保養に行ったことがあります。しかし、どちらもWBCの測定はしなかったそうです。
 ベルラド研究所でワジーム君が測定をしなかったら、こんな数値であることや、食習慣を改めないといけないことなど、今でも知らないままに過ごしてきたと思います。
 さらにゴメリ市内にWBCがあって、パスポートを提示するだけで市民は無料で測定できるのに、自分の周囲の友人や知人は測定を受けたことがない人がほとんどだそうです。
 子ども達も順番待ちもなく、すぐ測定できたそうです。
 (私から言わせれば、恵まれた環境にいるのに、利用しないのはもったいないです。)
 第1診療所のほかにもゴメリ市内には何箇所かWBCがあり、有料ですが測定できるところもあります。

 SOS子ども村から保養に帰ってきたワジーム君が測定結果を見せると、お母さんはびっくりしてかかりつけの小児科医のところへ相談に行ったそうです。
 しかし医者は「私は放射能のことは分からないの。内分泌科のほうへ行ってください。」という答え。それで内分泌科医のほうへ行くと「私も分からない。」という頼りない返事でした。

 お母さんからすると、ゴメリ市内にどうして被曝の専門家がこんなに少ないのか、とがっかりしたそうです。
 またもっと学校や幼稚園へ巡回測定をすればいいのに、とこぼしていました。
 第1診療所の測定はベルラド研究所と同じ椅子型で、座るだけで3分間というタイプのものです。
 
 ただこの結果表だけを見ても、知識がないと意味がよく分かりませんよね。
 全身のセシウム137の数値は印刷されていますが、その横に手書きでミリシーベルトに換算したと思われる数値が書き込まれていますが、換算方法がよく分からないし、あまり意味がないような気がします。
 質問しても詳しい説明もなく「大丈夫な数値です。」と言われたら、そのまま信じてしまいそうですね。

 このような放射能のことや被曝対策について、学校で勉強しないのですか?という質問に、ワジーム君は
「チェルノブイリ原発と言う事故があった、という教育ビデオを学校で見ました。そのときに放射能とは何か、という知識もビデオで見て勉強しました。」
と答えていました。
 お母さんは
「学校の保護者会に行ったときに食生活の改善により、被曝を抑えられるので、家庭内で実践してください、と学校側による勉強会がありました。つまり家庭内での食事の内容に保護者側は注意するようにしなさい、という指導がありました。」
と話してくれました。

 さすがゴメリ市ですね。ミンスクに住んでいて、何度も保護者会に出た私ですが被曝の話なんて一度もありませんでしたよ。
 しかし、ベクレルとシーベルトの違いなど、もう少し詳しく学校や保護者会で教えてくれればいいのですが・・・。
 このお母さんは最初違いが分からず、電話で間違った数字を私に言っていたので・・・。

 とにかく、今回のビタペクト3摂取後、再々測定に行く、とお母さんは話していました。
 1カ月ほど先の話になりますが、その結果が分かりましたら、このブログ上で発表します。
 (この一家に協力いただいて、チロ基金としては大助かりです。)
 ビタペクト3を購入するため、ご支援してくださった日本人の方にも深謝申し上げます。
 今回の測定結果が、体内被曝を心配されている日本人の方々のご参考になれば、と思っています。
 
 

チロ基金の活動「ゴメリ在住一家への支援活動・第2回」(3)

2012-09-22 | チロ基金
 そして次男、サーシャ君の再測定の結果です。
 512.4ベクレル、とありますが、これも体重1キロあたりに換算すると、19.70ベクレルになります。
 このサーシャ君もビタペクト3を摂取しました。

 すばらしい結果だと思います。
 長女エレーナさんは勉強のため、今忙しく測定できる時間帯に診療所に行けない、ということで、再測定していません。
 しかしお母さんは
「同じようにビタペクト3を飲んで、私と次男はこんなに数値が下がったのだから、長女も下がっていて当然。安心です。」と話していました。

 サーシャ君とエレーナさんは特に持病などはありませんが、風邪をひきやすいということでした。

チロ基金の活動「ゴメリ在住一家への支援活動・第2回」(2)

2012-09-22 | チロ基金
 そしてこれがお母さんのオリガさんの再測定結果です。
 全身で4396ベクレル、とありますが、これも体重1キロあたりに換算すると、73.26ベクレルとなりました。
 約180ベクレルだったのが、ビタペクト3摂取後、このように減りました!

 お母さんは特に持病はないということですが、疲れやすいということです。
 しかし、ビタペクト3摂取後は疲れやすさがずいぶん改善した、というお話でした。
 

チロ基金の活動「ビタペクト無料配布151回・ゴメリ在住一家への支援活動・第2回」(1)

2012-09-22 |   ビタペクト配布活動
 2012年6月に極端に体内放射能が多かったゴメリ在住の一家に支援活動を行いました。
 そのときの測定結果についてはこちらをご覧ください。

チロ基金の活動「ビタペクト無料配布146回・ゴメリ在住一家への支援活動」(1)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/1d751f175cb20f180b09671de459c1c4


チロ基金の活動「ゴメリ在住一家への支援活動」(2)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/d21e6a2f4b7324b320d3a79b79e6606b


チロ基金の活動「ゴメリ在住一家への支援活動」(3)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c162749e332a584e230cd8b9b32b1812


チロ基金の活動「ゴメリ在住一家への支援活動」(4)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/f028ad700f332b339402147b1c0dae4d


チロ基金の活動「ゴメリ在住一家への支援活動」(5)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/0a1afd7d22f562be6b2d1a92e2841e6d


 
 2012年4月30日に長男のワジーム君(14歳)がベルラド研究所で測定すると、体重1キロ当たり261.49ベクレル
の結果でした。チロ基金がSOS子ども村で出会った時に、ペクチン配合セルロースを飲み始めました。
 そして2012年5月にお母さん、お姉さん、弟がゴメリ市内の第1診療所でWBCの測定を行いました。
 その結果がお母さん(オリガさん)が179.95ベクレル。
 長女(18歳。名前はエレーナさん)103.83ベクレル。
 次男(7歳。名前はサーシャ君)が32.76ベクレルでした。

 6月にこの3人がビタペクト3を飲み始め、1カ月ほどで飲み終わりました。
 そして9月に再測定のため、ゴメリ市第1診療所に長女のエレーナさんを除く3人が行ってきました。
 その数日後、私はちょうどゴメリ市に行く用事があったので、お母さんとワジーム君に会うことができ、再測定の結果も知ることができました。

 画像はワジーム君の検査結果です。(自宅住所など個人情報に関する部分は画像を加工しています。)
 全身のセシウム137の数値が2213.1ベクレルと左下に出ているのですが、体重1キロ当たりに換算しました。
 その結果、46.10ベクレルにまで減っていました!

 ペクチン配合セルロースでもこんなに大きな結果が出せました!
 本当によかったです。このような具体的な結果が出ると分かり、この一家の協力に感謝しています。

 お母さんからお話をうかがったのですが、ワジーム君は疲れやすく、3年前から両ひざが痛くて痛みが始まると30分は続く、ということを繰り返してきました。医者は成長痛です、という説明でした。しかし最近はひざの痛みは和らいできたそうです。