電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ベートーヴェン「チェロソナタ第2番」を聴く

2015年04月03日 06時05分24秒 | -室内楽
春になると、決まって取り出して聴くのが、ベートーヴェンの「スプリング・ソナタ」とシューマンの交響曲第1番「春」の2曲。これはもう、私にとってはいわゆる「ど定番」です(^o^)/
でも、このところ聴いているのは、すでにパブリック・ドメインになった音源の中から、ベートーヴェンの「チェロ・ソナタ第2番ト短調Op.5-2」です。

この曲は、チェロソナタ第1番ヘ長調Op.5-1と同様に(*1)、ウィーンからプロイセンに旅をした1796年の半ばに作曲され、同年ベルリンで初演されたのだそうな。のちに出版された楽譜は、フリードリヒ・ヴィルヘルムII世に献呈されているとのことで、もしかしたらベートーヴェンが宮廷楽長という道を歩んでいたかもしれない、意外な岐路にあった時の音楽だと言えます。

第1楽章:ト短調で、重々しく始まるアダージョ・ソステヌート・エド・エスプレッシーヴォの長い序奏。そしてアレグロ・モルト・ピウ・トスト・プレストの主部からなり、当時としてはたいへん長大な楽章なのだそうです。実際、けっこう長い、充実した音楽です。知らずに聴いたら、第1楽章と第2楽章を続けて演奏したのかな? と思ってしまいそうです。
第2楽章:ト長調のロンド、アレグロ。ロストロポーヴィチとリヒテルの演奏は、テンポが速く、時にはせわしなく感じるほどです。前の楽章との対比がずいぶん大きくとられているようです。

参考までに、RhythmBox でタイム表示を読み取り、演奏開始から終了までの時間を測ってみたら、つぎのようになりました。
■フルニエ(Vc)、グルダ(Pf)盤 (1958,M)
I=12'11" II=8'50" total=21'01"
■ロストロポーヴィチ(Vc)、リヒテル(Pf) (1962,S)
I=19'51" II=7'06" total=26'57"

第1楽章の演奏時間の大きな違いは、テンポの違いはもちろんありますが、むしろ繰り返しの省略の有無によるものと思われます。
たぶん、ホールでナマの演奏を聴いたとしたら、スケールの大きなロストロポーヴィチ盤の演奏は、大きな感銘を受けることでしょう。一方で、日常生活の中で音楽の楽しみや慰めとして聴くことを考えると、いささか身振りが大きすぎると感じられる時もあります。同じPC-audio環境で聴くのですが、「さあて、音楽を聴くぞ~!」と意気込んで再生ボタンを押す場合と、ちょっと疲れたので「何か音楽を聴くか…」と思い付いて再生ボタンを押す場合との違い。後者の場合は、モノラル録音ではありますが、フルニエとグルダ盤の演奏を選んでしまうことがあります。

(*1):ベートーヴェン「チェロソナタ第1番」を聴く~「電網郊外散歩道」2014年8月

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