LPの時代は、ヴァイオリン協奏曲というとなぜかメンデルスゾーンとチャイコフスキーの組み合わせが多かった。「メン・チャイ」などという略語があったほどだ。だから、この二曲を同時に親しんだ人が多いのではないかと思う。ところが私の場合は、メンデルスゾーンとパガニーニのヴァイオリン協奏曲とのカプリングのLPで最初に親しんだものだから、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲に親しむようになったのはずっと後になった。
記憶をたどって順に思い出すと、(1)メンデルスゾーン、パガニーニ、(2)ブラームス、(3)プロコフィエフ、(4)モーツァルト、(5)ベートーヴェン、(6)ドヴォルザーク、(7)シベリウス、そして(8)チャイコフスキー、となる。
たしか、諏訪内晶子のチャイコフスキー・コンクール優勝の記録となったレーザーディスク(PILC-9501)の映像が最初ではなかったかと思う。その後、チョン・キョン・ファ(Vn)の演奏のCDを購入し、またつい先日、石川静(Vn)とコシュラー指揮チェコフィルの演奏するCDを見つけ、三種類とも女性ヴァイオリニストの演奏になってしまった。
諏訪内晶子の演奏は、1990年、第九回チャイコフスキー国際コンクールヴァイオリン部門の本選会の模様を収録したものだ。当日は、パヴェル・コーガン指揮モスクワ・フィルハーモニー交響楽団をバックに、赤いワンピース・ドレスを着た18歳のお嬢さんが、速めのテンポで振幅の大きな演奏を展開している。熱でもあるように、ほほのあたりが上気したように赤い。伸びやかでスケールの大きな演奏だ。このときは、たしかロシアのヴァディム・レーピンが二位となり、前年のエリザベート王妃国際コンクールの雪辱を果たしたのではなかったか。自分も18歳でシベリウス国際ヴァイオリンコンクールで優勝の経験を持つパヴェル・コーガンが、演奏のあと指揮台の上から満面の笑みをたたえて拍手を贈っているのが印象的だ。文句なしの優勝といったところか。パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番とバッハのシャコンヌ、サラサーテの「カルメン幻想曲」を併録した、映像の記録としても作為の少ない良いドキュメンタリーになっていると思う。
石川静(Vn)、コシュラー指揮チェコフィル盤(コロムビア、GES-9240)は、ゆったりとしたテンポで、心安らぐ演奏だ。ここ一週間ほど毎日聞いてみて、通勤の往復のお供にはこの演奏が一番あっているように思う。今朝も、駅まで送迎した子どもが、「お父さんが最近聞いているこの曲は何ていうの?いい曲だね。」と聞かれた。毎日聞いているうちに興味を持ったらしい。全集分売ものなので録音年代等の資料的記載はいっさいないが、おそらくスプラフォン原盤の1970年代後半のアナログ録音ではあるまいか。
チョン・キョンファ(Vn)、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団の演奏(ポリドール、F28L-28003)は、この曲でデビューしたと言っても良い独奏者の、長く定評のあるものだ。1970年、ロンドンのキングズウェイ・ホールでのデッカによるアナログ録音。
■ 諏訪内晶子(Vn)、パヴェル・コーガン指揮モスクワ・フィル盤(LD)
I=17'40" II=5'10" III=10'29" total=33'19" (※)
■ 石川静(Vn)、ズデニェク・コシュラー指揮チェコ・フィル
I=19'47" II=7'19" III=10'39" total=37'45"
■ チョン・キョンファ(Vn)、プレヴィン指揮ロンドン響
I=18'44" II=6'24" III=9'28" total=34'36"
(※):リーフレットには36'24"と表記されているが、曲間の合間を除いてチャプターの時間表示から逆算すると、こんな値になる。
記憶をたどって順に思い出すと、(1)メンデルスゾーン、パガニーニ、(2)ブラームス、(3)プロコフィエフ、(4)モーツァルト、(5)ベートーヴェン、(6)ドヴォルザーク、(7)シベリウス、そして(8)チャイコフスキー、となる。
たしか、諏訪内晶子のチャイコフスキー・コンクール優勝の記録となったレーザーディスク(PILC-9501)の映像が最初ではなかったかと思う。その後、チョン・キョン・ファ(Vn)の演奏のCDを購入し、またつい先日、石川静(Vn)とコシュラー指揮チェコフィルの演奏するCDを見つけ、三種類とも女性ヴァイオリニストの演奏になってしまった。
諏訪内晶子の演奏は、1990年、第九回チャイコフスキー国際コンクールヴァイオリン部門の本選会の模様を収録したものだ。当日は、パヴェル・コーガン指揮モスクワ・フィルハーモニー交響楽団をバックに、赤いワンピース・ドレスを着た18歳のお嬢さんが、速めのテンポで振幅の大きな演奏を展開している。熱でもあるように、ほほのあたりが上気したように赤い。伸びやかでスケールの大きな演奏だ。このときは、たしかロシアのヴァディム・レーピンが二位となり、前年のエリザベート王妃国際コンクールの雪辱を果たしたのではなかったか。自分も18歳でシベリウス国際ヴァイオリンコンクールで優勝の経験を持つパヴェル・コーガンが、演奏のあと指揮台の上から満面の笑みをたたえて拍手を贈っているのが印象的だ。文句なしの優勝といったところか。パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番とバッハのシャコンヌ、サラサーテの「カルメン幻想曲」を併録した、映像の記録としても作為の少ない良いドキュメンタリーになっていると思う。
石川静(Vn)、コシュラー指揮チェコフィル盤(コロムビア、GES-9240)は、ゆったりとしたテンポで、心安らぐ演奏だ。ここ一週間ほど毎日聞いてみて、通勤の往復のお供にはこの演奏が一番あっているように思う。今朝も、駅まで送迎した子どもが、「お父さんが最近聞いているこの曲は何ていうの?いい曲だね。」と聞かれた。毎日聞いているうちに興味を持ったらしい。全集分売ものなので録音年代等の資料的記載はいっさいないが、おそらくスプラフォン原盤の1970年代後半のアナログ録音ではあるまいか。
チョン・キョンファ(Vn)、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団の演奏(ポリドール、F28L-28003)は、この曲でデビューしたと言っても良い独奏者の、長く定評のあるものだ。1970年、ロンドンのキングズウェイ・ホールでのデッカによるアナログ録音。
■ 諏訪内晶子(Vn)、パヴェル・コーガン指揮モスクワ・フィル盤(LD)
I=17'40" II=5'10" III=10'29" total=33'19" (※)
■ 石川静(Vn)、ズデニェク・コシュラー指揮チェコ・フィル
I=19'47" II=7'19" III=10'39" total=37'45"
■ チョン・キョンファ(Vn)、プレヴィン指揮ロンドン響
I=18'44" II=6'24" III=9'28" total=34'36"
(※):リーフレットには36'24"と表記されているが、曲間の合間を除いてチャプターの時間表示から逆算すると、こんな値になる。
ところで、TB先の記事がどれかわからず苦労しましたが、「CDレビュー」から探し当てました。これですね。
http://blog.livedoor.jp/shinsaqu/archives/50194313.html#trackback
しかし、この曲、いつしか心奪われてしまいますね。
石川静のをわたくしもよく聴いております。
昔、オーディオ自慢の友人に、音が良いからとこの演奏のレコードを聴かせてもらったことがあります。1983年頃だったでしょうか、とても爽快な音でした。CDでも、その爽やかさは変わりませんが、音そのものより、演奏が爽快だったことに今気づきました。
私が実演で聞いたことがあるのは、塩川さん(ベートーヴェンVn協奏曲)、千住さん(シベリウスVn協奏曲)、堀込さん(ベートーヴェンVnソナタNo.8-10)。こうしてみると、そうそうたる顔ぶれです。石川静さんのシベリウスのヴァイオリン協奏曲も聞いてみたい演奏の一つです。
コーガンでブログ検索かけていたら、息子さんのパーヴェル・コーガンでひかっかったようで(^-^) 曲もTBした私のエントリーと同じチャイコンで奇遇でした(TBさせていただきました♪)。
諏訪内晶子はレーピンを抑えての優勝だったのですね。初めて知りました。まあ、諏訪内の冷徹な技巧と音楽性が勝利したというのもうなずけますが(^-^; しかも彼女はそれから、ポリーニやアルゲリッチ、ペライアなどと同じくすぐにコンサートデビューせずに、数年間新たに研鑽を積んだのでしたよねぇ。本当に頭がさがります。
日本人の有望な女性ヴァイオリニストは彼女以外にもたくさんいて本当に頼もしいですね♪
訂正です。正しくは堀米ゆず子さんです。
山形県河北町の紅花の豪商だった堀米家の後裔ですね。