「もーさん、土の中で保存をしたジャガイモ、その後腐っていなかった？」
隣の野良仲間から訊かれた。
＊本文とは関係はないが、私の菜園で今咲いているホソバウンラン
「・・・・・・・・・・？」
何のことか即座に理解できない。
「ほら、家の中に置いておく場所がないからって土の中に埋めたってやつですよ」
ん！?・・・言われてみるとカイバの奥深くに潜んでいた記憶がわずかに頭を持ち上げてきた。
そうだ！掘り残したジャガイモが腐らずに秋になると地中から芽を出すことにヒントを得て、ジャガイモの保存方法として実験的に一部のジャガイモを土の中で保存をしたことをすっかり忘れてしまっていた。
山の中でリスがどんぐりを土の中に隠したがそれを忘れてしまって、どんぐりが発芽するのと同じだ。
どうやら埋めたことは思い出したが、どこに埋めたのかが思い出せない。
・・・と畑の一角にジャガイモの芽が出ているところがあり、掘ってみたら、プラスチックのケースに入ったキタアカリが出てきた。
上の方の2～3個はすでに青い葉まで出ていたが、ほとんどの芋はまだ小さな芽しか出ていなかった。
ちなみに、家の中で保存をしていた他のジャガイモもこの時期には同じくらい芽を出し始めているが、芽を欠いてしまえば食用にするには何の支障もなく、まさに掘り出し物であった。
＊左から家で保存をしていたダンシャクとメークイン、右端が掘り出しモンのキタアカリ。
この実験の結果、来年からはジャガイモの保存場所に困ることはなくなったが、心配なのはこのことを完全に忘れ去ってしまっていたリスのような記憶力に大いなる不安を覚える。