柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

残酷

2009-08-27 08:06:29 | Weblog
飲酒運転事故が絶えません。特に警察関係者(警官)に多いように思いますが、実際に割合にしたら多いのかもしれませんがこれは象徴的に大袈裟に採り上げている要素も大きいことでしょう。飲酒運転検挙者の職業別割合、なんてのがどれだけ意味があるやら。好餌的に(スケープゴート的に)挙げられるのは警官、役人といった公務員で、これは読み手を(観客を)十分に意識したものです、この野郎!と思わせること、溜飲を下げることなどなど目的は色々あるでしょうが。今回のアル中警官もまさに美味しいネタ。罪状否定して後、一転して前言翻すなんてのもドラマ仕立てです。さてね。あれだけ法律きつくしたら、私のような気弱で、普通の損得勘定できる奴らは酒飲んで車運転する危険を犯しやしません。飲み屋が悲鳴を上げるほどにバッタリ行きません。でもそこのブレーキの利かない奴らが必ずいる。それは社会の前提です。だから規則で締め上げるんですが。いたちごっこですか。いいえ、罪を逃れようと法の目をかいくぐるということじゃありません、敵さんただ工夫も何もなく酒飲んで運転するだけです。止められませんか。止められませんね。少なくとも法律いくら変えても止められません。
 NHKの朝ドラでチャレンジという題目で、サッカークラブで試合に出られない少年を励ます筋やってます。レギュラーになりたいという願いを応援しようなんて筋で、そこにこの少年の気持ちを考えろとやら掬ってやれとやらの、スポーツ根性ドラマでのお涙頂戴場面の如き「君が頑張っているから私は応援するよ」なんて、本題(下手だから試合に出られない)から問題すり替えて気持ちが大切なんて話にする、嫌な展開です。今後違う方向に話が落ちるのかもしれませんが、技量が下手で試合に出られない者にスポットを当てる安易さには辟易します。高校野球筆頭にこの手の根性モノ辛抱モノ忍耐モノ縁の下の力持ち礼賛モノには、関係のない他人のぶしつけな野次馬根性を、拍手にごまかした差別意識、ひいては優越感にひたるいやらしさを感じます。スポーツは残酷です。それは単純明快だからです、上手い下手だけで決められる順位だからです。サッカーは11人、野球は9人、バスケットは5人。それ以外は皆補欠です。でも試合に出られない者たちは何故自分が出られないかよーくわかっています。ひとえに自分に技量がないからです。これは理屈じゃないのです、感情が入り込む余地がないのです。努力してどうこうなることじゃないのです。でもそのクラブをやめないのは、もちろん人いろいろに理由があるのですが、試合に出ることだけが目的じゃないからです。それだけの事です。試合に出られない、活躍できないのに、チームのためにそこまでやって、偉いね。レギュラー連中は感謝しなさいよ!なんて方向です。そんな事言われて一番困るのは当の本人です。力の足りぬものを別の面から持ち上げる風潮が続きますが、レギュラー連中の技量の高さを誰も褒めません。これは本末転倒です。言いすぎです。私はいつもこの手の物語を見聞きするたびに違和感を覚えています。
 
コメント
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